工具を使わない簡単メンテナンス 第2回/スプレーグリスで潤滑性向上!! その2

掲載日:2018年04月12日 メンテナンス    

文/丸山淳大 写真/モトメンテナンス編集部 記事提供/モトメンテナンス編集部
※この記事は『モトメンテナンス vol.124号付録・オートバイのメンテナンスをはじめる本』に掲載された内容に加筆、再編集したものです

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5分で調子が良くなる!! 工具を使わない点検&整備

バイクのメンテや点検と聞くと「全部プロにお任せ!!」って人は少なくない。しかし、ひと口にメンテと言っても工具を使わずに簡単にできるものもあるし、目で見るだけで点検できることもある。そんな短時間&簡単で確実に調子が良くなる方法をご紹介していこう!!

金属とゴムの摺動面にはシリコン系のグリスを塗布することで、摩擦を抑制し動きを良くすることができる。例えばフロントフォークのインナーチューブやリアショックのダンパーロッドなどである。専用のラバーシール組み付け剤(デイトナ製で現在廃盤)やCCIのメタルラバーはシリコングリスではないが、金属とゴム部の摩擦を抑制させることができる。ディスクブレーキのピストンにも使用することができるが、外からスプレーしてパッドやローターに付着すると危険なので分解して使用しなければならない。

クラッチやスロットルなどのワイヤーの破断しやすい部分はインナーワイヤー両端の部分。写真のレリーズ(エンジン)側クラッチワイヤーのインナーとアウターの接触する部分は、摩擦によっては破断しやすい。グリスを塗っておくとワイヤーを長持ちさせることができる。

チェーンの油分が無くなると駆動のフリクションが増大し、エンジンパワーがリアタイヤに伝わりにくくなってしまい、加速や燃費が悪くなったり、走行時の音が大きくなったりする。また、チェーンやスプロケットの摩耗が著しく進んでしまうので、寿命が短くなってしまう。だからこそ、500~1000kmごとにチェーンのグリスアップを行いたい。

剥き出しのチェーンは表面の油分が砂利やホコリを吸着して汚れている。その上からグリスを重ねて塗っても動きの向上は見込めないので、まずはチェーンクリーナーにてチェーンを洗浄する。

シールチェーンのゴムや封入されているグリスまで洗い流してしまう可能性があるので、チェーンの洗浄には専用のクリーナーを使用する。ナイロンブラシを使いつつ、全体的に汚れを洗い流す。

たっぷりのクリーナーで汚れを洗い流したら、チェーンの内側の全周にチェーンオイルを吹く。手でリアホイールを回転させてチェーンオイルを馴染ませたら、余分を拭き取って作業完了。手が巻き込まれるのでエンジン始動は厳禁。

注油する箇所は、プレートとプレートの隙間のシール部分と、真ん中のローラー部分をめがけて吹きつける。走ってチェーンが回転して遠心力が働くとオイルが浸透するので、チェーン内側へ注油する。

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