工具を使わない簡単メンテナンス 第6回/油脂、液モノ類の点検調整編

掲載日:2018年04月26日 メンテナンス    

文/丸山淳大 写真/モトメンテナンス編集部 記事提供/モトメンテナンス編集部
※この記事は『モトメンテナンス vol.124号付録・オートバイのメンテナンスをはじめる本』に掲載された内容に加筆、再編集したものです

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5分で調子が良くなる!! 工具を使わない点検&整備

バイクのメンテや点検と聞くと「全部プロにお任せ!!」って人は少なくない。しかし、ひと口にメンテと言っても工具を使わずに簡単にできるものもあるし、目で見るだけで点検できることもある。そんな短時間&簡単で確実に調子が良くなる方法をご紹介していこう!!

バイクには様々な油脂類、液モノが使われている。まず肝心なのがガソリンだ。これが無ければバイクは走ることができない。バイクにたまにしか乗らない人は、ツーリングに出かける前に燃料が入っているか確認する。満タンにしたはずなのに、自然にガソリンが減っているような時は何処からか漏れている可能性がある。地面にガソリン染みがあったり、ガソリンの匂いが漂っているような時は、乗らずにショップに引き揚げ修理を依頼した方が無難だ。

給油口から燃料タンク内部をLEDライトで照らしてタンク内部に錆を発見した時は要注意。錆の粉がキャブレターに回るとオーバーフロー(ガソリン漏れ)の原因になる。また、ガソリンは古くなると腐って劣化する。2~3ヶ月乗らないとエンジン不調や不動要因となる。適度に乗って常にフレッシュなガソリンを維持するのが好調維持の秘訣だ。

エンジンオイルはバイクの生命線である。エンジンオイル量が低下すると、油圧不足、潤滑不足、オーバーヒートなどを引き起こし、エンジン内部を損傷することになりかねない。一方、オイル量が多すぎるとオイルが抵抗となりエンジン出力や燃費などが低下し、本来のスペックを発揮できなくなる。さらに余分なオイルはクランクケースのブリーザーから吹いてエアクリーナーボックスに回ることで、空気の吸入の妨げになってしまう。オイルは少なくても多くてもエンジンに悪影響を与えるのだ。

エンジンがかかっているときは、オイルはポンプでエンジン各部に循環しているので、オイルレベルを確認することはできない。エンジン停止後10分くらい放置して、オイルがオイルパンまで落ちてきたところを見計らって確認する。オイルレベルが異常に上昇しているような時は、フィラーキャップを開けて匂いを確認してみよう。ガソリンの香りがするならば、キャブレターからオーバーフローしたガソリンがエンジン内に入ってしまっていることが考えられる。

水冷車はラジエター液(LLC:ロングライフクーラント)の液量も1ヶ月に1度くらいは確認しておこう。ごく少量ずつは減るので、もし規定より減っていたら補充しておく。しかし、明らかに頻繁に減少するならばどこかから漏れている疑いがある。冷却ホースの接続部、ラジエター本体の損傷、エンジンの冷却経路周辺に漏れた痕があれば修理が必要だ。また、エンジンオイルが乳化しているようならば、冷却水がエンジン内に漏れてしまっている可能性もある。

リザーバータンクの液量はエンジンが冷えている時に確認する。車体を真っ直ぐにした状態で、リザーバータンクのアッパーレベルとローレベルの間に液面があれば規定量に収まっている。もしローレベルを割り込んでいたら、クーラントを補充しておく。クーラントは古くなると不凍性能、防錆性能が低下するので、定期的な交換が必要になる。おおむね2年ごとが交換時期だ。

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