総額いくらかかるのか!? 不動スクーター【ホンダ・ジョルノ】を激安再生!! 第6回

掲載日:2018年10月02日 メンテナンス    

文/丸山淳大 写真/モトメンテナンス編集部
記事提供/モトメンテナンス編集部
※この記事はモトメンテナンス増刊「バイクメンテビギナーズ」に掲載された内容を再編集したものです。

バイクの摺動部分にグリス分が無いと動きは悪いし、
摩耗するので、現状確認しつつクリーン&グリスアップ!!

金属とかゴムとか樹脂とかの部品が高温に晒されつつゴリゴリと擦れ合ってブラック企業の従業員のように消耗していくのがバイクという乗り物だ。そこに潤滑油分があるか否かが非常に重要で、適切な油分があれば摩耗は抑制され、動きが良くなる。

ハンドルはステムシャフトの軸にクランプされている構造となる。クランプはボルトナットで締められているので、17mmと14mmのレンチがあればOK。先にフロントホイールを外しておく。

左右のハンドルを下から手で均等に叩いていくとハンドルが抜けてくる。けっこう錆びていたので、なかなか抜けなくて難儀したが、無事ステムシャフトから抜き取ることができた。

ステムのレースを外すにはレースとレースの上のナットにそれぞれ工具をかけて、まずはロックナットの方を緩めて、次にレースを緩めていく。サイズに合うレンチが無かったので代用品で作業した。

長期不動車は問答無用で稼動部のグリスアップを行いたい。そしてグリスアップ前には砂利やゴミをしっかり落とさないと異物が研磨剤になってしまうので、注意したい。ジョルノはフロント周りを中心にグリスアップを行い、グルコサミンを摂取したおばあちゃんの関節並みにスムーズでしなやかな動きとなった。

レースが外れると樹脂リテーナーのベアリングが出現。グリス分は枯渇しているものと思っていたが、意外にも赤いグリスが残っていた。おそらく過去にグリスアップされたものと思われる。

古いグリスは潤滑オイルスプレーで洗浄しておく。パーツクリーナーではなかなか落ちないようなグリス汚れを分解して溶かし落とすことができる。ウエスでしっかり拭き取っておいた。

古いグリスが落ちるとレースやベアリングのコンディションがわかる。奇跡的!? にレースに打痕が無かったので、再使用できそうだ。何らかのダメージがあるならレースの交換が必要となる。

ベアリング、レース共に新しいグリスをたっぷり塗っておく。こうすることで水の侵入を防ぎつつ末永く潤滑性を保つことができる。手持ちの粘度の高いリチウム系グリスを使用した。

フロントサスペンションはボトムリンク式。2本のショックユニットとリンク機構で構成されている。ショックユニットは交換しか無いが、リンクはグリスアップすることができる。

リンクには2つのブッシュが入っており、ダストカバーが両端に設定されている。ブッシュのグリス分が変質してブッシュ表面に固着していた。この状態だと動きも悪くなるし、摩耗も進んでしまう。

ブッシュを磨いてみると、深い虫食い錆は無かったので再使用することができた。ダストカバーのゴムシールは劣化していたが、今回は再利用することにした。グリスを塗布して復元する。

ドラムブレーキのアームも古いグリスが固着して動きが悪くなっているケースが少なくない。ブレーキシューの交換時はグリスアップしておきたいポイントとなる。復元時のアームの位置に注意。

ブレーキアームのシャフトを抜いてみると、グリス分は皆無だった。これではブレーキの作動は悪くなるし、ブレーキの戻りも悪くなる。しっかり汚れを落としてグリスアップした。

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