「フロントフォークオーバーホール」編 その5

掲載日:2011年03月29日 バイク基本整備のイロハバイク基本整備実践    

「フロントフォークオーバーホール」編 その5

スライドメタルを組み付けてインナーチューブをアウターチューブに挿入する。その際は、シートパイプを落さないようにアウターチューブ側を被せるように組み付ける。部品順列に注意。

フロントフォーク構成部品の中には
細かな部品も多いため、紛失、破損に要注意!!

フロントフォークの完全分解を実施し、消耗部品を中心とした部品の良否判定を実施。それと同時に部品の洗浄を終えたら、交換部品を準備してから組み立て作業に入っていく。フロントフォークは、狭い通路を通るフォークオイルの抵抗によって減衰力を発生させているので、洗浄は念入りに行ない、細かなゴミまで確実に取り除きたい。また、組付け時にはシリコングリスやネジロック剤の使用が推奨される場所が少なからず存在する。組み立て前に、サービスマニュアル等を参考に、事前に必要な油脂類を準備してから作業に臨むことも必要となるだろう。

 

組み立て順序としては、まず減衰力発生のキモとなるシートパイプを組み付けを行なった。シートパイプには、インナーチューブ内壁と慴動する部分に樹脂製のカラーが入っていたが、W650の場合、このカラーの単品部品設定は無かった。そこで挿入時にインナーチューブ端面に引っ掛けて破損しないように注意し、組付け前にはシリコングリスを塗布して初期なじみの向上を図った。

 

シートパイプ挿入時には、樹脂リングの破損に注意したい。リングには挿入時の潤滑性と初期なじみの向上を図るため、シリコングリスを塗布した。これは、フォークオイルで代用も可能だ。

シートパイプ挿入時には、樹脂リングの破損に注意したい。リングには挿入時の潤滑性と初期なじみの向上を図るため、シリコングリスを塗布した。これは、フォークオイルで代用も可能だ。

続いてシートパイプとアウターチューブを組み付けるが、この時、ドレンボルトにはネジロック剤を使用して緩み防止処理を施しておく事が必要となる。同時にこのボルトには、オイル漏れ防止のため、銅ワッシャーを使用する場合が多い。銅ワッシャーは締め付け時に潰れることでオイルをシールするため、基本的に再使用はできない。しかし、どうしても新品が手に入らないならば、オイルストーンで段差を均すことで、再び使用できることもある。

 

ドレンボルト締め付け時は、まず仮締めを行い、その状態でフロントフォークを慴動させて、シートパイプ端面にセットされるオイルロックピースのセンター出しを行なう。この作業を行わないことで、オイルロックピースを破損してしまうこともあるため、注意が必要だ。また、車種によっては、インナーチューブ内のシートパイプと供回りしてしまうこともある。その場合、専用ツールを準備してシートパイプの供回りを防ぎつつドレンボルトを締め付ける。ここまでの作業でインナーチューブとアウターチューブが一体化。続いてシール類の組みつけに入る。

フロントフォークの構成部品の中には細かなパーツや単品設定の無い純正パーツも少なからず存在する。そのため、部品の順列や破損に注意したい。また、必要な油脂類を準備して作業に臨むことが必要だ。

フロントフォークの構成部品の中には細かなパーツや単品設定の無い純正パーツも少なからず存在する。そのため、部品の順列や破損に注意したい。また、必要な油脂類を準備して作業に臨むことが必要だ。

作業手順を見てみよう!

ドレンボルトには、ネジロック塗布を指定する車種が多い。また、ドレンボルトには、シールワッシャーが入る。これは新品交換が原則となるが、やむなく再使用する際は、オイルストーンで段差を均す。

ドレンボルトには、ネジロック塗布を指定する車種が多い。また、ドレンボルトには、シールワッシャーが入る。これは新品交換が原則となるが、やむなく再使用する際は、オイルストーンで段差を均す。

フォーク底部に位置するドレンボルトを締め付ける。W650の場合、締め付けトルクは29Nm。シートパイプと供回りが起こる場合、インパクトレンチを使用することも可能だが、オーバートルクに注意したい。

フォーク底部に位置するドレンボルトを締め付ける。W650の場合、締め付けトルクは29Nm。シートパイプと供回りが起こる場合、インパクトレンチを使用することも可能だが、オーバートルクに注意したい。

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