掲載日:2018年09月28日 バイク用品インプレッション
記事提供/モトメンテナンス編集部
※この記事は『モトメンテナンスVol.139』(2018年8月16日発売)に掲載された内容を再編集したものです。
潤滑、冷却、密封など、4スト車のエンジンオイルには多様で重要な役割がある。高性能をアピールする化学合成油や省燃費指向の低粘度化など、オイルには時代に合わせたトレンドもある。では1970年代を中心とした絶版車のエンジンに求められる性能とは?
空冷エンジンの発熱量やエンジン各部のクリアランスを考慮して粘度が高めの鉱物油を好むオーナーは少なくないが、低温時のフリクションロスや粘度指数の低さといった、ベースオイルの特性に由来する根元的な弱点もある。今回開発したオイルは、モータースポーツ用オイルで数々の実績を重ねてきたフォルテック社の全面協力のもと、ベースオイルに鉱物油を元に不純物精製度を高めたVHVI(高粘度指数基油)を採用。粘度指数を高めることで、低温から高温まで安定した粘度を発揮して、冷間時のスムーズさに影響を与える低温流動性が向上する。
5Wという低温側の粘度に不安を覚える絶版車ユーザーもいるかもしれないが、硬いオイルは低温時の潤滑性が低いため、始動時の潤滑性は5Wの方が優れている。ベースオイルに加える添加剤にもフォルテック社のノウハウが詰まっており、水冷・インジェクションに比べてオイルに厳しい空冷・キャブエンジンで長期間にわたって安定したパフォーマンスを発揮するのも魅力である。