SHOEI QWEST

掲載日:2011年03月07日 バイク用品インプレッション    

バイク用品インプレッション

街乗りやツーリングで真価を発揮する
リーズナブルな高機能フルフェイス

ヘルメットを選ぶ上で、開発コンセプトがライダーの用途にマッチしているかを確認することは、欠かすことの出来ない重要なポイントだ。低価格=低機能と考えるのは早計で、良し悪しはライダーによって異なる点を理解しなくてはならない。例えばSHOEIのトップモデルと言えばX-11だが、これはレーシングフルフェイスとして開発されているもの。ハイシート&バッグステップでセパレートハンドルを握り、小さなフロントカウルに頭を沈めた状態での空力を考慮している。当然ライダーは前傾姿勢となり、それに合わせてヘルメットの重心位置も前方に設定されることになる。つまり街乗りや通勤でも安全性を最優先したいから、もしくは大排気量ツアラーで高速での移動が多いからと言って、最も高価なレース用のトップモデルを選択する事が、必ずしも正解とは限らないのだ。

今回ご紹介する新モデル、QWESTで設定された開発コンセプトは「ストリートからツーリングまで」としている。風洞実験だけでなく、アメリカ・ヨーロッパ・日本での実走試用も行われたようだが、開発時の映像を見るとネイキッドやアメリカンタイプの車両でもテストしているのがわかる。つまりハーレーやビッグスクーターのような後傾気味に構える車両での使用も考慮して開発されているのだ。スクーターでの試走を行ったところ、確かに風圧に対抗するために頭を前方へ押し出す頻度が少なく感じた。これにより長時間の走行後、首や肩へ掛かる負担は大きく軽減されるだろう。また視野が広く感じたのも大きなポイント。スポーツバイクでは進行方向のみに意識を集中し見上げた目線となるが、公道でのツーリング走行では目線が水平もしくは見下ろすシチュエーションも多い。外部からの突発的な危険を察知し、事前にトラブルを防ぐためにも、視野の広さは重要な要素となるのだ。

驚くべきはこのモデル、2011年3月現在SHOEIのフルフェイスヘルメットのラインナップではRFXに次ぐリーズナブルな価格設定となっている。高いスペックを誇りながら、なぜこのような低価格が実現したのかといえば、ひとつはレースでの使用を用途から外したことにより適性検査にかかるコストが低減しているからだろう。さらにCW-1ピンロックや独自のシールド密閉システムなど、トップモデルで開発された技術をふんだんに取り入れることで新たな開発費を抑え、ツーリングへの適正部分に集中させているからと予測される。通勤でもフルフェイスを使用したいライダーや、ハーレーやビッグツアラーで長距離を走るライダーにとって、リーズナブルで高性能なQWESTはお買い得なモデルと言えるだろう。

SHOEI QWEST Detail Check!!

サイドから後頭部にかけてデザインされたスポイラーが高い整流効果を発揮する。後端部にはヘルメット内の空気を排出する開閉式のアウトレットを装備。

全体のフォルム

サイドから後頭部にかけてデザインされたスポイラーが高い整流効果を発揮する。後端部にはヘルメット内の空気を排出する開閉式のアウトレットを装備。

口元のインテークは大型のパネル自体を上下にスライドさせるタイプ。グローブをしたままでも開閉操作は行いやすい。主に口元やシールドへ空気を流入させる。

口元のインテーク

口元のインテークは大型のパネル自体を上下にスライドさせるタイプ。グローブをしたままでも開閉操作は行いやすい。主に口元やシールドへ空気を流入させる。

額上部にも開閉式のインテーク。ここから取り入れた外気は、二層構造の発泡ライナーに設けられたエアルートを通過し、後端部のアウトレットへと流れていく。

額上部のインテーク

額上部にも開閉式のインテーク。ここから取り入れた外気は、二層構造の発泡ライナーに設けられたエアルートを通過し、後端部のアウトレットへと流れていく。

シールド全閉時にアイポートと密着するよう設計された独自のシステムを採用。二重構造によりシールドの曇りを抑えるCW-1ピンロックシートを標準装備している。

高機能なシールド

シールド全閉時にアイポートと密着するよう設計された独自のシステムを採用。二重構造によりシールドの曇りを抑えるCW-1ピンロックシートを標準装備している。

あご下のチンカバー、チークパット、ストラップカバーは簡単に取り外しが可能。洗濯できるので夏場のツーリング後も快適に使用できるのが嬉しい。

着脱可能な内装

あご下のチンカバー、チークパット、ストラップカバーは簡単に取り外しが可能。洗濯できるので夏場のツーリング後も快適に使用できるのが嬉しい。

メガネの使用を考慮し、チークパッドとヘッドライナーの間にはわずかな空間が設けられている。耳の後ろにもスペースを作る事で、装着時の圧迫感は少ない。

メガネの使用も考慮

メガネの使用を考慮し、チークパッドとヘッドライナーの間にはわずかな空間が設けられている。耳の後ろにもスペースを作る事で、装着時の圧迫感は少ない。

SHOEI QWEST

価格/35,700円(税込)

問合せ先/SHOEI

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