デザインヴィンテージハログレ DIAMOND RACING JKT

掲載日：2011年01月31日バイク用品インプレッション

バイク用品インプレッション

デザインと機能性を見事に両立
現代に蘇ったヴィンテージジャケット

1970年代から1980年代にかけて、アメリカのモーターサイクルシーンを彩ったレーシングジャケット。カラーリングもレッドやブラック、ブルーなど多種多様で、「BELL」や「Firestone」、「CHAMPION」といった有名ブランドのワッペンが貼り付けられたジャケットの数々が揃っており、ヴィンテージグッズのマーケットにて今なお高い人気を博している。とはいえいずれのヴィンテージジャケットも年代が年代であるがゆえ、中綿が痩せていたりキルティングが傷んでいたりという劣化が見られるのは事実。レアアイテムであるため高額で取り引きされてはいるが、どうしてもファッション性が優先されている感は否めなく、実用性という点で見れば心もとない部分がある。

「防寒性をはじめ、ライダーが冬に着用することを前提にきちんと機能するレーシングジャケットを作ろう」と、神戸・元町のヴィンテージヘルメット専門店 design vintage halogre が企画したのがこの「 DIAMOND RACING JKT 」だ。一見すると一般的なダウンジャケットほど厚みがないが、表地と裏地のあいだに取り入れられた中綿は厚みを抑えた不織布（ふしょくふ）で挟み込み、キルトステッチをかける際に針穴から中綿が飛び出すのを防いでいる。またこれによって5層構造とし、防寒性はもちろん保温性も確保。カラーはブラックだがマットにはせず、光沢加工のひとつシレー加工を施して絶妙な光沢を生み出すことに成功。合わせてステッチをダイヤ模様とし、ヴィンテージ感を演出させているのも心憎いところ。ボタンとファスナーの二重構造に手首を絞る袖口のリブと、冬のライダーにとって大敵となる風の侵入を防ぐ構造がそこかしこに散りばめられている。

実際に試着してみたところ、多少の個人差はあるかもしれないが、気温10度程度なら薄着をしていてもこれ一着で寒さを感じることはない。もちろん“バイクに乗る”となると体感気温はさらに下回るわけだが、通気に関しては上記のとおり申し分ない構造となっているのでインナーに2枚以上着込んでいれば十分なほど。何よりジャケットそのものにゆとりがありつつもスタイリッシュにまとまるフォルムなので、あまり着込んでいるように見えない点が嬉しい。練りに練られた企画から生まれたレーシングジャケット、ヴィンテージな雰囲気を取り入れたいライダーは必見のアイテムである。