小さなバイクの大きなお祭り!「2011 DE耐!」レポート

掲載日:2011年08月10日 フォトTOPICS    

文/富田 由起奈  写真/河合 宏介  取材協力/ツインリンクもてぎ

前日30日は、あいにくのレインコンディション。翌31日も朝まで雨が残りましたが、ウォーミングアップ時には路面は乾き始めました。

「楽しんだ人が勝ち」な真夏の祭典
ミニバイクで挑む7時間耐久レース

7月30・31日に栃木県のツインリンクもてぎにて「誰でもエンジョイ耐久 DE耐 !」が開催されました。「勝敗を競うのではなく、みんなでバイクを楽しもう」を合い言葉に2003年から始まったこのレース。出場できるマシンは排気量100cc以下の4サイクルモデル。ライダーは満12才以上であれば誰でも参加可能です。人気イベントのためレースは土曜と日曜の2日間でそれぞれで開催され、表彰されます。今年は30日に88台、31日に84台が出走しました。

レースは10:00スタートの17:00ゴール。この7時間で何周できるかを競います。それぞれのチームがレギュレーションに準じてマシンをカスタムしていますが、使用できる燃料は最大21リットルまで。つまり、ただパワーアップするだけでは勝利に結びつかないのが、このレースの難しいところといえるでしょう。

今年から、より多くのチームが挑戦しやすいように、改造コストを抑えるように規定したエンジョイクラスが新設され、DE耐クラスと2クラス制になりました。いずれのクラスも、ライダーは10人、ピットクルーは11人の計21人までがチームとして参加できます。そのため、多くのエントラントが家族や友人を誘って、みんなでワイワイと楽しんでいる姿が特徴的でした。なお、取材したのは31日。レインレースとなった前日の雨が早朝までのこる空模様でしたが、スタート時にはコースも乾き、レース中は曇りときどき晴れというコンディションとなりました。

フォトTOPICS(写真点数/95枚)

01スタート前のマシンとの記念撮影は恒例行事。こちらの車両はAPE。赤と黒で塗り分けられたカウルが素敵です。(エンジョイクラス87番/team赤兎馬とバナナボーイズ)

02厳しい表情でマシン(XR100モタード)をチェック中でしょうか?(D耐クラス35番/MCR)

03ドリーム50で挑みます。スタート前は誰でも笑顔がたまらなく素敵で、わくわくしている様子が伝わります。(エンジョイクラス47番/春秋ピンキースリラー)

04オレンジ色のお揃いのTシャツでキメてますね。スターティンググリットはポールポジションを引き当てました。くじ運がいいのは勝負運が良いってことでしょう。(エンジョイクラス90番/Taker_Ωmega09小隊)

05APE100で参戦です。女の子ばかりでなかなか華やかですね。フルカウルのマシンはスズメバチみたいでとても速そうです。(エンジョイクラス54番/ゼフィール&ヒューイズガレージ)

06APE50で参戦です。後輪のグリーンのラインがワンポイントになっています。余裕の笑顔。(D耐クラス17番/チームタートルギャング)

07みんなで遊びに来ました! アロハシャツのお二人がチームのムードメーカーでしょうか。(エンジョイクラス66番/ライディングアカデミ弾Run部)

08ブルーのボディにイエローのホイールが鮮やかです。(エンジョイクラス33番/チーム馬鹿巧)

09フルカウルをつけたXR100モタードで参戦。戦闘的なスタイリングなのに、ワンポイントの殻つきひよこステッカーがかわいいです。(エンジョイクラス16番/Teamウサギとカメ)

10必要最小限の改造のAPE100を、黒いボディでキリっと仕上げています。(エンジョイクラス69番/チームMIYA猿)

11XR100をトリコロール仕様にしてます。マシンにまたがっている女の子も誇らしげです。(エンジョイクラス9番/WingStonemini)

12スタートライダーは黄色い腕章の木村昭治さん。笑顔で準備万端です。(エンジョイクラス74番/ドリーム前橋チーム174)

13フラとチアのコスチュームがなんとも可愛らしいレースクイーンたち。男だらけのサーキットを華やかにしてくれます。(D耐クラス65番/PRD Racing)

14「UP!」と書かれたTシャツをみんなで着て、チーム一丸となって戦い、いや一日楽しみます。(エンジョイクラス38番/UP! RACING)

15ほぼノーマルのAPE100で参戦です。「みんなで遊びに来ました!」(エンジョイクラス86番/ビアフレンズ)

1610:00、日章旗を合図にスタートします。ドライなので鈴鹿8耐と同じル・マン式のスタートです。もしウエットなら、セーフティーカーの先導でローリングスタートになります。

17ポールポジションのTaker_Ωmega09小隊のファーストライダーが元気よくスタートしました。 2番手はゼフィール&ヒューイガレージ、3番手にPふぁくとりーが続きます。スターティンググリットは走行タイムではなく、くじ引き抽選で決まります。

18スタート直後の第1コーナー。コース取りがまちまちで速度差があるので、コース幅をいっぱいに使って駆け抜けます。

19エンジョイクラス優秀周回数賞の、122番/GPS withガレージaZのライダー押見卓さん。XR100モタードで安定した走りをこなしました。

20ダウンヒルストレートから90度コーナーへの進入で、57番ファイナルロードRTの小椋崇さんと、59番TEAMケニーとアトラクティブの鶴見浩幸さんが競り合います。

21第2アンダーブリッジとヴィクトリーコーナーを、グランドスタンドから眺めたショットです。ここを抜けてメインストレートへ加速していきます。

22DE耐クラス56番/ハラファクトリー×ライコ東雲のチームが最多周回数賞(121周)を受賞しました。この豪快なコーナリングフォームのライダーは平野智さん。

23DE耐クラス65番、PRD Racing が優秀周回数賞(114周)を受賞しました。桃ライダーの吹野拳太さんが第1コーナーを駆け抜けます。

24K3ガレージwithKMCCが給油に入ります。まず入り口で時刻が刻印されたタイムカードを受け取ります。

25給油エリアには、1チームあたり3名まで入ることができます。万が一の火災に備えて、入り口で消火器を渡されます。(D耐65番/クラスPRD Racing、エンジョイクラス55番/クロスマイハート&城北電気)

26給油は1回につき最大3リットルまで、そして回数は7回(総量21リットルまで)しかできません。(エンジョイクラス64番/1046R-DE)

27給油エリアではエンジンを切って、入口から出口までマシンを押して歩きます。(DE耐クラス28番/LE MIEUX RACING)

28レーシングスーツの中は汗だくです。脱水症状にならないように、出口の待機場所には無料のドリンクが用意されていました。(DE耐クラス28番/LE MIEUX RACING)

29給油エリアでは、最低10分待たなければなりません。出口には計測用の大型デジタル時計が設置されていました。(エンジョイクラス68番/チーム末飛登)

30ピット訪問するもてぎエンジェル・岡本さくらさん。レース中に各ピットを訪問し、インタビューをしていきます。(エンジョイクラス90番/Taker_Ωmega09小隊)

31突然のもてぎエンジェルの訪問にみなさん盛り上がります。ここでは女性ライダーの菊田裕美子さんが初参戦です。(14番ピット/TEAMケニーとアトラクティブ)

32もてぎエンジェルがTaker_Ωmega09小隊の福田修司さんへインタビュー。このトークは、ライブで場内すべてに放送されていました。

33各ピットの天井にはモニターがついていて、現在の順位やレース状況を確認することができます。これを見て作戦が立てていくことが勝利への道?かも!?

3422番ピット/亀仙人レーシングさんへもてぎエンジェルが訪問します。今年の抱負は?とお聞きしたところ「完走できればいいや」と笑顔で返事を頂きました。

35夏場のレースだったので、ピットの裏では、かき氷を作る姿も見られました。(17番ピット/ザイズロードスポーツ&鳥羽TT)

36第1パドック脇には、子供が遊べるようにエアートランポリンがありました。この奥のコントロールタワーには休憩室やキッズルームも準備されていました。

37駐車場の脇には、ホットドックや飲み物、バイク用品などの出店が並びます。

38走行中のライダーとの無線連絡(携帯電話も含む)は禁止されています。プラットホームからボードを出して、ライダーへ給油や交代などを知らせます。

39ピットロードは追い越し禁止です。時速60km以下で徐行しなければいけません。

40チーム「おはスパ!」がピットインします。レギュレーションでサイド・センタースタンドを外しているので、整備スタンドは必須です。

41チームタートルギャングのピットでは、エンジンヘッドを開けていました。

42TEAM江戸川ラーメンのピットイン。万が一のオイル流出を考慮して、ダンボールを敷いて整備しています。

4315番のTEAM井出ホンダがマシンチェックをしています。ピットではオフィシャル(写真左端、青いシャツの方)によりレース中の違反がないかチェックされます。

44ドリーム50Rで参戦の東京単コロクラブ。楽しそうな表情でピットからスタートします。

4553番SCS RACINGのピット。16歳以上で登録されたピットクルーのみ、ピットロードに出てマシンに触ることができます。

46Team-BEE♯48がライダー交代です。白ライダーの佐藤洋輔さんから黄ライダーの関口友巳さんへバトンタッチします。

47チョッパー風のTAUS☆東京自動車大学校のXR50。普段街乗りで使っているマシンでも出場できます。

48新東京自動車教習所の指導員の有志が集まった、チーム☆岡田屋本舗がライダー交代をして出発です。「壊れないことを目標に、APEをスズキの刀に仕上げました」

49優秀周回数賞(118周)受賞、GPS withガレージaZ/黄ライダーの富田一二三さんが第一コーナーを走り抜けます。

50最年長ライダー賞(須永久雄さん/68歳)、最多チーム員数賞(19人)をダブル受賞したザイズロードスポーツ&鳥羽 TTです。写真は90度コーナーを立ち上がる桃ライダーの松島寛之さん。

51「MACS よゆうですよ」の女性ライダー北原裕子さん。ピンクの桜吹雪が描かれた黒いスーツで、ドリーム50Rを駆ります。

52メインストレート脇の電光掲示板に、現在の順位や周回数などが刻一刻と表示されます。

53右手がダウンヒルストレートで、左手が第2アンダーブリッジです。この90度コーナーアウト側の観戦スタンド(Z席)が、一番近くでマシンが見えると思います。

54ゼッケン70番、7Seas Racing(ドリーム50)の緑ライダー鈴木真琴さんと、8番VW群馬中央+DCR+だるまや(XR100R)の緑ライダー福井紀雄さんのランデブーです。

55最年少ライダー賞(長尾健史さん/12歳)受賞のTeam-BEE♯84。写真は、90度コーナーを攻める黄ライダーの市川敬規さん。

56モトメンテナンス賞受賞のゼッケン26、チーム海宴隊のAPE100(ライダーは比企啓之さん)です。受賞理由は「自分と同じドカティ・イモラのカラーリングで、綺麗にできているので選びました(モトメンテナンス 田口編集長)」とのこと。

57最多周回数賞(121周)受賞の、アクティビティクロノスペンタゴンチームです。赤ライダーの田中賢一さんが90度コーナーを駆け抜けます。

58コース上でアクシデントが起きた場合(フルコーション)、セーフティーカーが出る場合があります。全車追い越し禁止なので、このタイミングでピットインや給油をするのも作戦です。この日は12:30と15:00の2回に渡りセーフティーカーが出ました。

59優秀周回数賞受賞のPふぁくとりーのAPE100、ライダーは斎藤昌毅さん。

60最多周回数賞受賞のYSSレーシングアクティビティのCB50S。90度コーナーを駆ける緑ライダーの茂木俊介さん。

61コース上でストップした場合、コース上やコース脇を押してピットに戻ることは禁止です。ガードレールの外側に退避して、レッカー車の回収を待ちます。「どこが壊れたの?」なんて話してるようで、和気あいあいといった感じです。

62レースも終盤になり、西日が射し込む蒲楽多二輪競技倶楽部のピットです。チェッカーが振られた時点でピットにいたマシンは、自走でコントロールラインを通過することで、チェッカーを受けた車両として扱われます。

63ついに17:00。コントロールラインからチェッカーフラッグが振られてレース終了です。チェッカーフラッグを振るのは、抽選で当たった「チーム☆岡田屋本舗」の荒木美帆さん。 「こんな機会、めったにない!」と、大喜びです。

64チェッカーフラッグを受ける、D耐最多周回数賞を受賞した、アクティビティクロノスペンタゴンの浜元司さん。コースサイドのピットクルーから祝福を受け、ガッツポーズで応えます。

65続々とチェッカーフラッグを受け、コントロールラインを通過します。

66チェッカーフラッグを受けた後、セーフティーカーを先頭にコースを走ります。

67レース終了直後、ホームストレートで全車車両保管されます。この間、競技役員以外の人がマシンに触れることはできません。

68車両保管は、表彰式終了後に解除されます。しかし、再車検の対象となった車両は、車検長の指示があるまで車両保管は解除されません。

69最年少ライダー賞、Team-BEE♯84の長尾健史くん12歳。将来は「MotoGPのチャンピオンになりたい」とのこと。ぜひこれからも頑張ってほしいと思います。30日31日とダブル受賞おめでとうございます。

70最年長ライダー賞、ザイズロードスポーツ鳥羽TTの須永久雄さん68歳。お孫さんと一緒に出場されたそうです。おめでとうございます。これからも頑張ってください。

71ベストユニフォーム賞、チーム「おはスパ!」のみなさんは、お揃いのTシャツが受賞。「自分達のライディングの絵が描いてあり、ひとりひとり色やヘルメットも変えて描いてあるのが特徴です。今年はお金をかけて作ったのが良かった」というコメントに会場が湧きました。おめでとうございます。

72ベストコスプレ賞、PRD Racingのきみじま・あやちゃん・あくつ・みなみちゃんです。フラとチアガールのコスプレでかわいいです。おめでとうございます。

73ベストデザイン賞、亀仙人レーシング。「黒とオレンジがきれいによくまとまっていて、チーム員のキャラクターと良くマッチしています」というXR100モタード。受賞インタビューは、亀仙人こと山崎優二さんでした。おめでとうございます。

74女性ライダー賞、TEAMケニーとアトラクティブの菊田裕美子さん。「MFJライセンスを取得したばかりで初レースです。グリッド抽選では一番後ろをゲットしてしまいました。走行後はへとへとでしたが、すごく楽しかったです」と笑顔で答えてくれました。お疲れ様です。

75最多チーム員数賞、合計19人で出場したザイズロードスポーツ&鳥羽TTのみなさん。ライダー8名とクルー11名で出場、白いツナギとTシャツのユニフォームで揃えました。「皆で力を合わせていけたので楽しかった」

7679周でブービー賞、東京単コロ倶楽部のみなさん。「ブービーでも、賞は賞です!走りきることができてよかった」

77ヘビーウェイト賞のDE耐クラスPファクトリーのみなさんです。ライダーの平均体重が75キロ以上で、もっとも優れた成績のチームに贈られる賞です。食いしん坊のみなさんには「棚田のお米」がプレゼントされました。

78オーバー40賞受賞、エンジョイクラス/チーム馬鹿巧さんと、DE耐クラス/PRD Racingさんです。

79モトメンテナンス賞受賞のチーム海宴隊さんです。「田口編集長の言葉に影響されて、ものすごい高い車両を買うハメになりました」

8014時間耐久チャンピオン賞、YSSレーシングアクティビティさんです。30日は90周、31日は119周の合計209周を走り抜きました。「今日は途中で転倒してしまい、それでへこんでしまいましたが、チームの皆んなからの励ましでなんとか残り時間走り抜くことができました。ありがとう!」

81エンジョイクラス優秀周回数賞(115周)のチーム馬鹿巧さんです。「途中トラブルもありましたが、最後までレースが楽しめてよかった」。Team-BEE♯84の長尾健史さんは「もっともっと走りたかった」とコメントをくれました。

82エンジョイクラス優秀周回数賞(118周)の、GPSwithガレージaZさんです。

83エンジョイクラス最多周回数賞(119周)の、YSSレーシングアクティビティさんです。

84エンジョイクラス受賞チーム、全員での集合写真です。どの顔も精一杯走り切った満足感でいっぱいです。

85DE耐クラス優秀周回数賞(113周)受賞、Team-BEE♯48とTorisanRacingさんです。

86DE耐クラス優秀周回数賞(114周)受賞のPファクトリーとPRD Racingさんです。

87DE耐クラス最多周回数賞(121周)受賞、アクティビティクロノスペンタゴンとハラファクトリー×ライコ東雲さんです。

88縁の下の力持ち、ピットクルーもまじえてDE耐クラス受賞チームの集合写真です。

89表彰式のラストは受賞者による恒例のシャンパンファイトです。

90今日一日、サーキットに華を添えてくれた、もてぎエンジェルの日下部リサさん。

91もうひとり、もてぎエンジェルの岡本さくらさんも活躍してくれました。

92今日一日、レース中継やMCを担当していただいた柿沼佐智子さんです。

93ピットクルーやオフィシャル、そしてもてぎのスタッフなどから、受賞チームに大きな拍手が贈られます。

94ライバルでもあるけれど、ミニモト大好きな仲間でもあるDE耐エントラントたち。そんな同志が受賞者を拍手で称えます。

95夕闇にたたずむ7時間を走ったマシンたち、がんばって走ったね!おつかれさま。そして、来年もDE耐で会いましょう!

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索