カブ生活

ゆるカブ第七十二回「カブの聖地でお宝拝見!」

掲載日:2018年03月11日 原付漫遊記松本よしえのゆるカブdays    

え・文・写真/松本よしえ

じゃ~ん! 昭和35年に週刊誌に掲載された本物のスーパーカブの広告です。かわいいお姉さんに目を奪われている場合ではありませんよ! まさか本物を拝見できる日がやってくるとは感激です! カブ仲間達と開いている「蕎麦を食べる会」参加者のMさんにお手伝いいただきました。

田園調布の『兵隊家』といえば55年以上前にスーパーカブの雑誌広告の撮影が行われたロケ地。カブ愛好家の間では聖地として知られ、ゆるカブdaysも第十五回「カブの聖地へ」で取り上げました。

お店の別館には制作会社から寄贈された広告ページが額で飾られていて拝見することができます。が、じつはこの広告はレプリカなのです。なにしろ半世紀以上前の雑誌ですから関係者の手元にも残っていません。で、カブ仲間達と毎年恒例になっている「蕎麦を食べる会」でお店に集まるたび、本物が見たいという声も上がっていたのですが、この度めでたくカブ愛好家の手によって発掘されました!

その持ち主のTさんはカブ愛にあふれる方で、カフェカブにも毎年ハンターカブで参加されています。週刊誌を手に入れるためにかなり苦労をされたようで、神保町の古書店から当時の週刊誌を一年分丸ごと取り寄せ、自らページを繰って探したものの見つからず。気持ちが折れそうになるのを奮い立たせて当時の関係者に問い合わせ、さらなる大捜索を重ねてようやく見つけだしたのです。この情熱、根性、いやカブにかける執念が本物をたぐり寄せたのでしょう。

さて、めでたくカブ愛好家のみなさんに囲まれてお披露目となった日、「兵隊家」の女将さんもウン十年ぶりに誌面と再会しました。女将さんは当時17歳だったとか。きっと青春の思い出もおありでしょう。週刊誌を手に取り、目を細めて眺めるお顔には少女のような微笑みが浮かんでおりました。

NHKのブラタモリ(96話)で放送されたこともあり、田園調布の『兵隊家』は大盛況でした。毎年2月に蕎麦を食べる会としてカブ愛好家のみなさまと集まっていて、週刊誌のお披露目はこの会のサプライズ企画でした。

昭和35年(1960年)1月31日号の週刊朝日です。30円という値段も驚きですね。後ろの暖簾は現在のもの。現在の屋号は「兵隊家」ですが広告写真では「兵隊屋」となっています。女将さんもよく覚えていないそうですが、元は「兵隊屋」だったそうです。

女将さんを囲んで記念撮影。広告の撮影当時、女将さんは17歳だったとか。今回、週刊誌の表紙を見た参加者から「表紙の女性は女将さんの若い頃では?」なんて声も上がりました。もちろん違いますが、なんだか似ているような。

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