カブ生活

ゆるカブ第五十七回「カエルの謎とき!?」

掲載日:2017年09月24日 原付漫遊記松本よしえのゆるカブdays    

え・文・写真/松本よしえ

路地に鎮座するカエル様を発見。商店街から路地へ入ると、昔ながらの建物の気配が残っています。左上に少し見える銅板を葺いた壁など、以前は見かけたものですがいまや絶滅危惧種!?土蔵がある家なども見られます。

先日、カブで鳥越の「おかず横丁」に立ち寄ったとき、気になるものを発見しました。横丁から路地へと曲がったら、ひっそりとカエルの置物が佇んでいたのです。焼き物らしいカエル様はわたし一人では持てないほどの大きさのもので、放置されているにしては屋根付きだし、祀られているかどうかも不明。にわかに興味が湧きました。さっそく帰宅後に「おかず横丁」の公式ホームページを見ると、イラストマップの隅にカエル様の姿があります。ネットで拾ったウワサでは商店会のマスコットらしいというだけで界わいの商店に訊ねても、知る人はいない様子。カエルの存在は謎のまま、すっかり行き詰ってしまいました。

さて、それから半月、諦めきれず再びカブで横丁へ行ってみました。カエル様を横目に商店街へ入るとベンチに佇む古老の姿がありました。ダメ元でお声をかけると、85歳の老人はかつて横丁で大学芋の店をやっていたそうです。「商いをするもんにとって、カエルってのは縁起物さぁ」と言います。カエルは笠間焼きで、古老のお祖父さんの代に商店街のみなさんが連れだって笠間稲荷を訪ね、縁起を担いで買われたものなのだとか。カエルの持ち主は店を廃業し、代替わりもしているため、カエル様は路地に置きざりになったまま。つまり特別に祀られたわけではなく、なんとなく商売繁盛のシンボルとして置いてあるのです。わたしは胸のつかえが取れてホッとしました。

さらに余談ですが、生まれも育ちも鳥越という老人は「おかず横丁」の栄華盛衰を目の当たりにしていました。戦後の落ち着いた頃だというから昭和20年代中頃でしょうか。商店街は人混みでカブを押して歩くこともできなければ、自転車も通れないほどの賑わいだったそうです。以前にも書きましたが、界わいは町工場や問屋も多く、たくさんの人が働き、また共働きの家族が住んでいました。それだけに惣菜を商う商店が集う「おかず横丁」は便利で賑わい、古老の話では店の中でスリが出たこともあるそうです。

そんなエピソードを楽しそうに語る古老との出会いは、日常を通り越して旅をしたような充足感がありました。お話はちょうどカブがイキイキと活躍していた時代とも重なり、興味深いのです。カブが取り持ってくれたご縁に感謝。つくづくいい相棒だなぁ!

全長約200mの「おかず横丁」入り口です。酒屋の看板が渋いですねぇ。11~19時まで車は通行禁止なので、カブを押して歩きます。

昭和25年頃は店が60軒ほどもあったそうですが、いまや昔ながらの商店は数軒。周囲にはマンションが建ち、町の風景は変わりました。

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