カブ生活

ゆるカブ第五十回「鈴鹿8耐パレード」

掲載日:2017年07月18日 原付漫遊記松本よしえのゆるカブdays    

え・文・写真/松本よしえ

鈴鹿8耐の前夜祭で、サーキットを愛車で走るパレードがあります。カブで参加した2016年の様子をご紹介。

鈴鹿8耐こと「“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース」は2017年の夏に第40回という記念すべき節目を迎えます。今回はケニー・ロバーツのデモランや平忠彦氏がゲストに登場するというビッグニュースも聞こえておりますが、その前夜祭のオープニングで鈴鹿サーキットを自分のバイクで走るパレードがあるのをご存じでしょうか。鈴鹿商工会議所青年部が主催する「バイクであいたいパレード」という交通安全やマナー向上を目的にしたもので、これまで18回の歴史を重ねてきました。ちなみに2016年は約800台ものバイクが参加し、そのうち約120台がなんとカブなのです。というのも2016年からカブの参加枠が設けられたもので、わたしも関東近県からの友人とともに羽カブで参加させていただきました。

さて、当日の気温は30℃を越える猛暑。パレードが始まるまでの間はじっと立っているだけで汗がダラダラ流れます。本家本元の耐久レースを走るライダーの過酷さとは比べようもありませんが、パレードを走る人も応援する人も熱中症との戦いの一日。参加者は出発の式典後に鈴鹿市内を約7.5キロ走ってサーキットへ向かいます。途中の沿道には大勢の方が待っていて、弁当店の前では女性達が店のノボリを大きく掲げ、子ども達は旗を手に声援を送ります。歩道を走る子や商店のゆるキャラも登場して、さすが鈴鹿サーキットのお膝元らしい温かい応援。地元の方にとってバイクが身近な存在なのを感じました。

ところでこの日のサーキットでは4耐の決勝も行われ、ほんの数時間前まで熱いバトルが繰り広げられていました。まさにそのコースをパレードの一行も走るわけで、サーキットのコース上にタイヤの削りカスを見つければレースの生々しさを感じます。さらに24時間後は決勝レースも佳境を迎えているはず。カブでのんびり走っている自分と決勝を走るライダーが同じような景色を見るのかと妄想して興奮します。ちなみにコース上ではパレードの時間調整などで思いのほか長い時間を過ごすことになります。ちょうど日暮れどきだから、空が淡い色に変わって闇に溶けていくのが美しい。前を走るカブのテールランプが光の隊列となって浮かび上がるのもきれいなこと。キラキラと輝くグランドスタンドを通過するときは巨大な観客席に驚き、ピットロード側からも関係者が手を振って盛り上げてくれるのに感激しました。カブに乗る自分はまるで異世界に紛れ込んだ小人みたいなのですが、前夜祭のサーキットはライダーも観客もひとつになって盛りあがり、胸がじ~んと温かくなる体験でしたよ。

気温30℃を越える炎天下で出発を待つカブの一団です。この日は参加者に配られたコーラ(500ml)を一気飲みする人続出。ともかく暑かった。

午後6時半、鈴鹿市内の公道を800台(カブは120台)のバイクがパレードしながらサーキットへ向かいます。沿道からの声援が熱いです。さすが18年の歴史を重ねたパレード。

ほんの数時間前に4耐の決勝レースが終わったばかり。カブで走っています。コース上にはタイヤの削りカスがたくさん残っていました。

日没直後の午後7時頃、鈴鹿サーキットのグランドスタンド前です。暮れていくサーキットが美しいこと!

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