カブ生活

第四十三回「カフェカブその2」

掲載日:2015年12月17日 原付漫遊記松本よしえのゆるカブdays    

え・文・写真/松本よしえ

今回で5度目の参加となった『カフェカブミーティングin青山』。二日間に分けて開催されたこともあり、ゆったりと楽しめましたよ。

2015年の『カフェカブミーティングin青山』は初の二日間開催(重複参加はなし)。両日で458台ものカブが集まりました。これだけたくさんのカブが一同に会する機会は貴重です。なにしろ自分の価値観では量れないカスタムの数々がずらりと目の前に並ぶのです。わたしは5度目の参加で、「今年こそ、じっくりとカブを見て歩くぞ~」と意気込んで臨んだものの、けっきょくは圧倒されてカブだらけの海に溺れてしまいました。相変わらず情けない姿を晒しております。

それでも広場に並ぶカブを眺めつつ一周、二周と歩き回っていたら、今回はホイールの存在が気になりましたよ。わたしの羽カブ90はノーマルのままでスポークホイールですが、キャストホイールを履いたカブをちらほら見かけます。ちなみにキャストはダイキャスト(鋳造)のことです。剛性が高くて変形しづらい特長の反面、重くなってしまう欠点が挙げられます。タイヤはチューブレスなのでパンク修理が簡単にできますが実用カブにはオーバースペックともいえます。つまり高速で走るスポーツ走行や、カスタムで重くなってしまう車両に見合うホイールの選択なのでしょうね。そういえば今年のバイクフォーラムでお披露目された2015東京モーターショー出展のコンセプトカブはキャストホイールでした。キャストの素材はどんどん軽量化しているし、キャスト=重いと判断するのは時代遅れになっていくのかな。

さて、今回は屋内に「カブ号F型」が展示されていました。自転車に補助エンジンと燃料タンクを搭載したものです。ホンダからスーパーカブが発売されたのは1958年ですが、「カブ」という名がこの世に初めて登場したのは1952年発売のF型から。当時は補助エンジンがついた自転車が大流行していて巷に溢れていました。見た目は黒やシルバーといった実用一辺倒だったそうですが、「白いタンクに赤いエンジン」のF型はスタイリッシュです。展示には当時の写真も一緒に飾られていて、日劇のダンシング・チームの女性達がカブ号F型で銀座をパレードしたという記念写真がありました。これはさぞ人目を引いたド派手な宣伝だったにちがいありません。実用自転車についたエンジンの音を聞いてみたいですねぇ。ああ、ぜひ一度でいいから乗ってみたいです。

25日(日)の参加車両でキャストホイールを履いたカブです。サスペンションやディスクブレーキ、ハンドルなどなどカスタム尽くし。スポーティに美しくまとまっていますねぇ。めちゃくちゃ速そうです。本気で走ってフルブレーキしたらどうなるの?

24日(土)の参加車両です。極太のバギータイヤで目立ちました。70年代のレジャーバイク(スズキのバンバンとか)を彷彿とさせます。砂浜を走ったら気持ちいいだろうなぁ。この扁平タイヤだとアスファルトを走るほうがたいへんかも。

会場に展示された「ホンダ カブ F型」1952年製です。業務用自転車に補助エンジンと燃料タンクがついています。後ろに写っている箱にエンジンとタンクを詰めて出荷していました。藁のムシロで梱包するのが当たり前の時代に段ボール箱を採用したのは画期的だったそうです(「Honda原点ライブラリー」より)。

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