カブ生活

第二十四回「カブの食玩が!」

掲載日:2014年02月14日 原付漫遊記松本よしえのゆるカブdays    

え・文・写真/松本よしえ

先日の東京は45年ぶりの大雪。春まであと一息ですが、凍えそうなほど寒い日はカブの模型で遊ぶのはいかがでしょう。

まずは写真をご覧くださいませ。この模型、じつは食玩(玩具菓子)です。つまりチューインガムのおまけという前提の1/24スケールの模型なのです。2006年の1月に発売され、主にコンビニなどで扱われていました。14×10×4.5センチの紙箱に車体と人体フィギュア、それに解説の紙が一枚、粒ガムと一緒に入っておりました。その解説書によると、1966年(昭和41年)スーパーカブC50。新聞配達や蕎麦屋の出前など、カブが大活躍していた時代と重なります。先日、東京に降った大雪は45年ぶりだったそうですから、48年前に登場したこのカブも雪の中を頑張って走っていたはず。昭和の風景を懐かしいと感じる人にとっては、がっつりとハマれるカブでしょう。

じつはこの模型、すっかりと存在を忘れておりまして、年末に押入れを片付けていたときに発掘したものです。買った当時はカブに乗るとは想像もしませんでした。開封するまで中身はわからない箱入りの食玩でカブを2台も引き当てているのですから、やはりご縁があったのでしょう。ちなみに外箱を見ると、「立体モデルで甦るあの時代の風景」とありまして、1960年から1970年にかけてのバイクの模型と人体フィギュアがセットになっています。カブ以外はロードパル(ホンダ)とラビット(富士重工業)が2種類ずつ、ぜんぶで6種類が箱の写真に写っておりました。

それしても、この模型はよくできているのです。わたしのコンデジ写真ではわかりにくいのですが、ホイールは前後ともちゃんとスムーズに回るし、ライトやウインカーはクリアパーツをはめ込んであります。シートの後ろや車体のデカールは6~7ミリしかないのにくっきり。車体だけを飾っても充分に鑑賞に堪えるような出来具合で、それに人体フィギュアが加わえると魅力が倍増します。捻り鉢巻の男性はノーヘルで、集金鞄を提げたお兄さんの足元は雪駄。このカブが発売された時代の雰囲気がよく出ているのではないでしょうか。シャツのシワまでしっかり再現したこだわり具合も立派。解説の紙を見ると、青色のカブは蕎麦屋の出前中のお兄さんです。緑色のカブは解説書の所在が不明なので想像ですが、男性が締めている前掛けに「三河屋酒店」のロゴがあり、酒屋の配達カブだとわかります。どちらの人体フィギュアもハンドルに手がしっかり掛かるようになっていて、唯一惜しいのはステップに足が載らないことくらい。

ところで、改めて見直して驚いたのは緑色のカブでした。荷台の木箱に猫が2匹! どうでしょう。ニャーニャー鳴いている声がいまにも聞こえてきそうです。もしかして捨てられちゃうのか。いえいえ、新しい飼い主の元へ貰われていくのだと思いたい…。そんなドキドキ感を味わいながら、猫たちの行く末に思いを馳せました。一方で木箱は鮮魚用のトロ箱みたいだし、長靴を履いているから前掛けのロゴを無視すれば魚屋のご主人にも見えるなぁ…など、突っ込みどころもあって昭和の世界へと楽しくタイムトリップできました。こんな食玩、熱烈に再版希望。カブを楽しむ世界は奥が深いですねぇ。

「1966 HONDA SUPER CUB C50」 エフトイズ・コンフェクトから2006年に発売された食玩。正しくは「玩具菓子」というのですね。緑色のカブの荷台で鳴いている猫が気になってしようがないです!

青色のカブのお兄さんは胸元に「蔵乃家」のロゴが入ったシャツを着ています。2台のカブは人体フィギュアを載せ代えることもできます。

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