カブ生活

第二十三回「新年初のり」

掲載日:2014年01月10日 原付漫遊記松本よしえのゆるカブdays    

え・文・写真/松本よしえ

あけましておめでとうございます。2014年はどんなカブ生活にしましょうか。今年も“ゆるカブ”をよろしくお願いいたします。

2014年もすっかり明けて、みなさんはどんなお正月を過ごされましたか。わたしは地元の東京でしっぽりと家族団らん。おかげさまで美味しい正月料理は満喫できたのだけど、友人から届くメールや年賀状には初詣ツーリングや年越しキャンプ旅の話題が満載で、バイクの虫がムズムズ。走りたーい! で、こんなときはカブでひとっ走りしてきます。

カブのいいところは気張らず出かけられるところでしょうか。冬用のジャケットを羽織って即、出発です。お正月の都内は道もガラガラ。見上げる青空の色は澄んでいるし、気持ちいいのなんのって! 調子にのってもう少し先まで走ろうとついつい足を延ばしたら、萱葺き屋根の蕎麦屋(写真1枚目)に出合いました。ここ、都内からは約20キロほどの距離なのです。帰宅後に調べたら、埼玉県朝霞市では有名な蕎麦屋らしい。カブのおかげで新年早々にうれしい発見をしました。

ところで発見といえば、年末に写真を整理していて自分のツーリングを振り返ってみたら、昨年は事前にネットで情報を調べたり、なんとなく効率優先の走り方に偏っているのに気づきました。それが悪いわけじゃあないけれど、今回みたいに風まかせでフラフラと走るのは久しぶり。ちょうど新年を迎えたこともあり、今年はもっと自分の勘を頼りに走ったり、まっさらな気持ちでなにか発見をしよう。公言するにはあまりに小さいことですが、気持ちを新たにしました。

さて、肝心のお店の営業は翌日から。蕎麦にはありつけませんでしたが、自分にとって有意義な視点を見つけて心はポカポカと暖かくなりました。その後、店からほど近い荒川の河川敷に足を延ばすと、昔ながらの馬頭観音にも出合い、ちょっとしたプチ旅情を味わうことに。夕暮れどき、荒川の土手から雲間に沈む夕陽を眺めました。冷たい風が雲を払い、思いがけず富士山のシルエットが大きく浮かび上がりました。そのあまりの美しさに目を離せないでいたら、いつのまにか辺りは真っ暗に。街灯もなく、カブのライトだけでは心細いのなんのって。迷いながらようやく河川敷を脱出し、街の灯りにたどり着いたときはホッとしました~っ!!

県道79号沿いにある立派な萱葺き屋根にご注目。蕎麦は次の機会までお預けですが、カブが似合う店構えです。「かつみや」埼玉県朝霞市埼玉県朝霞市上内間木796-6

広い河川敷にポツリとある馬頭観音。頭上に3面の顔があって、なかなか険しいお顔です。正月の鏡餅が備えられておりました。

オレンジ色の夕陽に浮かぶ富士山のシルエット。土手からスマホやカメラを構える人多し。電線が少々お邪魔ですがご容赦ください。秋ヶ瀬の可動堰近くの土手です。撮影のときは自転車や歩行者に気を付けて。

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