カブ生活

第十四回「わーっ!羽が!?」

掲載日:2013年01月30日 原付漫遊記松本よしえのゆるカブdays    

え・文・写真/松本よしえ

カブで初キャンプに出かけて以来、ファニーな羽つき旅カブ路線にどっぷりハマりつつあります。その後も近場へキャンプに出かけ、先日は東京のど真ん中でキャンプをしてきました。

都内でキャンプというとビックリされることも多いのですが、東京湾に面した 江東区立若洲公園 には立派なキャンプエリアがあるのです。こちらは炊事場やトイレ、大きな東屋などの設備が整っていて、キャンプ初心者の方にもオススメ。芝生のサイトからは昨年開通した “東京ゲートブリッジ” を臨み、日没後はライトアップされた橋が闇に浮かびます。当然ながら大人気のキャンプ場で行楽期ともなれば激込み必至! 壮絶な場所取り合戦の場としても知られるのですが、真冬は静かで平和なキャンプ場に変身します。さすがに厳寒期にキャンプをしようという好事家(!?)は少ないのでしょうね。わたしがキャンプしたときは外国人のご家族や、いかにもアウトドアマニアな人々が、ほどよい間隔でテントを設営しているだけ。年末年始の時期だったこともあり、忘年会や新年会代わりに集まってキャンプをする向きもお見かけしました。

人気キャンプ場が真冬はガラガラ。都内に限らず、みなさんのお近くにもそんな可能性のキャンプ場があるのでは? ぜひ一度チェックしてみてはいかがでしょう。近場だと走る距離は短くなりますが、カブにキャンプ道具を積んで出かけるという行為だけでも遠足気分で心が浮き立ちます。時間に追われることもなく、ゆっくりと火を熾して焚き火の温もりに癒され、夜空を見上げて一夜を過ごすのはとても贅沢ですよ。焚き火といえば、若洲キャンプ場には予約制の野外炉もあって、キャンプファイヤーを楽しむこともできるのです。

さて、その焚き火キャンプの翌日のこと。この機会に昨年開通した“東京ゲートブリッジ”を羽カブで渡ってきました。この橋は江東区の若洲と大田区の城南島を結ぶ東京港臨海道路に掛かる橋で、全長は2,618メートル(海上区間は1,618メートル)。橋の形は恐竜が向かい合う形に見えることから“恐竜橋”とも呼ばれています。じつはわたし、この橋が無料だって知りませんでした。改めて地図を見たら、新木場あたりから羽田空港へ向かうにはすごく便利そうなルートではないですか。

で、実際に走ってみると平日だったこともあり、通行量はガラガラ。90ccのカブでもストレスなく走れます。ただし海からの横風が強いのなんのって! 一車線くらい平気で流され、羽カブの羽がビリビリと震え始めました。なんだかミツバチみたいでカワイイイ! あまり深く考えることもなく喜んで走り続けたら、橋を下りた辺りで異変が。なんと突然、羽が消えました。その瞬間はいまもスローモーションの映像を見るように覚えています。右側の羽がパキッと乾いた音を立てて頭上の空へ。最初はなにが起きたのか理解できませんでした。それでも路肩に素早くカブを寄せ、羽の元へと必死にダッシュしました。安全には気を配りつつも、緊急時ですから人の目なんて気にしてはいられません。おかげで羽はなんとか無事に回収できたのですが、根元からぽっきりと折れた姿は無残。どうやらレッグカウルを切り抜いただけの状態じゃ、羽の強度が足らなかったのです。

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『 たき火の詩 』(太田 潤/OtaWorks)

若洲キャンプ場は東京のど真ん中にあるキャンプ場です。橋脚の根元に見える緑地のところがキャンプサイト。若洲公園側から橋を歩いて渡ることもできます。夜、キャンプ場から望む橋はライトアップされて美しいです。

“東京ゲートブリッジ”を走行するとき(50cc以下の原付は通行不可)は風にご注意を! 強風に煽られて一車線くらい軽~く流されます。橋は羽田を発着する航空機の飛行ルート上にあるため、頭上をひっきりなしにジェット機が飛んでいきます。(写真撮影提供・○さん)

羽は強風と走行風に弄ばれ、無残な姿になりました。取り付け強度アップが今後の課題か。まずは無事に回収できてホッとしました。

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