【スズキ・スウィッシュ試乗記事】デザインと使い勝手を両立させた、新たな“通勤快速” 試乗インプレ・レビュー

【スズキ・スウィッシュ試乗記事】デザインと使い勝手を両立させた、新たな“通勤快速”

掲載日:2018年08月24日 試乗インプレ・レビュー    

取材・文・写真/野岸“ねぎ”泰之

【スズキ・スウィッシュ試乗記事】デザインと使い勝手を両立させた、新たなる“通勤快速”の画像

SUZUKI SWISH

目指すは“上質なスタンダード”
スズキが放つ新たなスクーターシリーズ

スズキが「上質なスタンダードスクーター」をコンセプトに新開発した125ccのスクーターが『SWISH(スウィッシュ)』だ。2018年の6月に販売を開始したこのニューモデルは、「軽快に」「スタイリッシュに」「便利に」をキーワードとしたモデル。10インチホイールの採用やLEDの灯火類、USBソケットの装備など、取り回しの良さと便利な機能を兼ね備えたモデルだ。スズキ渾身のニュースクーターの装備や走りの実力を早速チェックしてみよう。

スズキ スウィッシュの試乗インプレッション

スズキ スウィッシュ特徴

10インチホイール採用の新星は
次世代の通勤快速となるか!?

原付2種カテゴリーにおけるスズキのラインナップは、通勤快速と呼ばれた前後10インチホイールのアドレスV125Sが生産中止になって以来、前後14インチホイールを採用して荒れた路面での走破性と経済性を両立させたたアドレス110と、フロント12インチ/リア10インチホイールを持ちゆったり快適な走りを目指したアドレス125の2つとなっていた。そこに前後10インチホイールを採用した“上質なスタンダードスクーター”を目指したスウィッシュが新たに加わったわけだ。

スズキ スウィッシュの試乗インプレッション

「SWISH(スウィッシュ)」とは英語の擬態語で、日本語にすると“ヒュッ”とか“シュッ”という感じを表すとのこと。そんな名前を与えられたこのモデルは、原付2種スクーターの主な用途である都市部での通勤、通学における使い勝手の良さを求めてコンパクトな車体と前後10インチホイールを採用し、取り回しの良さを実現したという。もしかするとスウィッシュは、新たな通勤快速としての役割を与えられているのではないだろうか?

スズキ スウィッシュの試乗インプレッション

GSX-Rシリーズにも似たフェイスは
高い運動性能の証し!?

エッジを利かせつつ流れるようなボディデザインは、都市によく似合うスタイリッシュなものだ。特に縦型2灯のLEDヘッドランプを中心に大きく配置されたフロントのライトユニットは、GSX-Rシリーズを思わせるスポーティでキレのある表情を持っている。車体サイズ自体はコンパクトなのだが、10インチながら100mmと幅広のタイヤや33mm径という太めのインナーチューブを持つフロントフォーク、リアのツインショックなどを装備しているためか、堂々とした迫力のある外観となっている。

スズキ スウィッシュの試乗インプレッション

スズキ スウィッシュの試乗インプレッション

メーターはフル液晶の多機能タイプで、シンプルなアナログタイプを採用したアドレス110やアドレス125よりも高級感がある。フロントインナーラックの上に設けられたアクセサリーソケットはUSBタイプを採用したほか、リアキャリアを標準装備とし、シート下トランクスペースもフルフェイスヘルメットが収納可能で28Lの容量を確保するなど、ユーティリティ面においても使い勝手の良さが考えられている。

スズキ スウィッシュの試乗インプレッション

スウィッシュのシート高は760mmで、このクラスでは標準的なもの。ホイール径が小さく、車体もコンパクトなこともあり取り回しはかなり楽だ。乗車姿勢をとるとハンドル位置は少し低めながら、ポジションは自然なものだと感じた。フロアボードが広く足を投げ出せるスペースも設けられていることと、シートが大きめでお尻の位置を前後に動かす余裕があることから、状況に応じたさまざまなライディングポジションをとることができる。

スズキ スウィッシュ 試乗インプレッション

パンチ力はそれなりだけど実は速い!
クセになる不思議な加速感

スズキ スウィッシュの試乗インプレッション

パワーユニットはは高い燃費性能と力強さを両立させたSEP(スズキ・エコ・パフォーマンス)エンジンで、最高出力は6.9kW(9.4PS)/7,000rpm、最大トルクは10N・m(1.0kgf・m)/6,000rpmを発生する。この値はアドレス125と全く同じだが、吸排気系の見直しとCVT設定の最適化により、アドレス125よりも優れた加速性能を実現しているとのことだ。

スズキ スウィッシュの試乗インプレッション

信号待ちからアクセル全開でスタートすると、ガツンとした加速感は感じられず、少々拍子抜けする。ところがメーター上のスピードの上がり方を見てみると、かなり速いのだ。それを踏まえ、あらためて信号ダッシュ時の加速を分析してみると、周囲の同クラスよりも頭一つリードする場面が多かった。

安定感がありつつも軽快
10インチホイール・マジックか!?

前後ホイールは10インチで、いまどきのモデルに比べると小さい。そのため、低速時やギャップに突っ込んだ際など車体の挙動が不安定になるのではと心配していたが、それは全くの杞憂だった。実際に走らせてみると、むしろコンパクトな車体の割に落ち着いたハンドリングだな、という印象だ。

だからといってキビキビ感がないわけではなく、渋滞路で車の間を縫うような場面では車体の取り回しが軽快でヒョイヒョイと走れてしまい、気分的にもかなり楽だ。それでいて高架が続く幹線道路などスピードが乗るシーンでは、10インチホイールとは思えない安定感もあるのだ。通勤、通学時の“戦闘力”はかなり高く、これならば次世代の“通勤快速”と言ってもいいだろう。

スズキ スウィッシュの試乗インプレッション

スズキがスウィッシュで目指したのは軽快かつ安定した走りとのことだが、乗ってみると「こういうことか!」と納得できるのだ。この乗り味をを実現できたのは、幅広のタイヤによる接地感の確保、太いインナーチューブを持つフロントフォークの剛性の高さ、燃料タンクをフロアボード下に設置したことによる低重心、複筒式オイルダンパーを持つ2本のリアサス、高剛性のフレーム、最適に調整されたキャスター角など、開発陣がこだわりと苦労をもって仕上げたからであろう。

スズキ スウィッシュの試乗インプレッション

アドレス110やアドレス125に比べると定価は10万円程度高いので、リーズナブルなスズキ車が好きだというファンには悩ましいかもしれない。しかし、上質なスタンダードと言いつつ“新世代の通勤快速”としての実力をも兼ね備えているスウィッシュは、必ずや路上に旋風を巻き起こすであろう“気になる1台”なことは確かだ。

詳細写真

ヘッドライト&ポジションランプはLED、ウインカーはバルブタイプだ。2段式のヘッドライトはGSX-Rを彷彿とさせる。

メーターはフル液晶で、速度のほかタコメーターや時計、燃料計、トリップメーターなどを備えた多機能タイプ。ウインカーリレーはほぼ無音だが、直射日光下でウインカーインジケーターが見えにくいのが残念だ。写真は暗所で撮影したもの。

左側のハンドルスイッチにあるヘッドライトの上下切り替えボタンには、パッシング機能が付いている。右側にはハザードスイッチが備えられている。

レッグシールドの内側には5V1AのUSBアクセサリーソケットを装備。インナーラックのすぐ上なのでスマホの充電の際など使い勝手はいいが、出力が2Aあればもっと良かった。

メインキーの操作で給油口とシートのロック解除ができる。イタズラ防止のシャッター機能と直結始動抑止回路を備えている。

フロントインナーラックは500mlペットボトルを2本収納できるほか、ちょっとしたスペースがある。

給油口はレッグシールド左側の比較的高い位置にある。ロックの解除はメインキーをひねるだけなので、マシンを降りずに座ったままでの給油も可能だ。

レッグシールド内側中央には折りたたみ式のかばんホルダーを装備。荒れた路面での荷物の落下を防ぐストッパー機能付きだ。

125ccクラスにしては大きめでゆったりとしたシート。クッションは適度なコシがあり座り心地はいい。

シート下トランクスペースの容量は28Lで、商品にもよるがフルフェイスヘルメットが収納可能だ。後方にはまだ余裕があり、レインウェアやグローブなども入る。

シートヒンジの両脇にはピン状のヘルメットホルダーが備えられている。アゴ紐のD環がしっかりと掛かる形状で、金属製のため安心感がある。

シート前端の下部にはU字ロックホルダーを装備する。サイズや形状が限られるが、ロックをスッキリと持ち運べるのは便利だ。

フロアボードはフラットで広く、足を投げ出せるスペースもあって自由度は高い。後方がカットされた形状で、足つき性が良くなる工夫がされている。

リアキャリアは標準で装備される。グラブバーを兼ねているため、剛性感のあるがっしりとした造りとなっている。

ワンタッチで出し入れができるタンデムステップ。アルミ製で中抜きされた形状は軽量かつ靴底の泥などが溜まりにくい。

サイドスタンドを標準で装備している。ちょっとした停車などに便利で、これがあるとないとでは大違いなのだ。

エンジンは空冷4サイクル単気筒SOHC2バルブの124cc。力強い加速と優れた燃費性能を両立したSEP(SUZUKI Eco Performance)エンジンを採用している。

多角断面のマフラーカバーやヒートガードの形状はボディと一体感のあるシャープなデザインだ。ボルトの質感も高い。

リアショックは2本タイプ。複筒式オイルダンパーを採用し優れた減衰力を持つ。3段階のイニシャル調整が可能で、路面の荒れにしっかり追従しながらしっとりとした乗り心地を実現している。リアブレーキはドラム式だ。

フロントブレーキは200mm径のディスクで、キャリパーは2ポットを採用している。タイヤサイズは前後共通で100/90-10 56J、銘柄はMAXXISのM6029だ。

10インチのアルミキャストホイールを採用。スポーティな5本スポークで、剛性感、質感ともに高い。

ホイールのエアバルブにはL字型のものを採用し、スタンドでの空気圧調整も容易だ。キャップは虫回しを兼ねているようにも見える。

リアコンビネーションランプはエッジの立ったデザインだ。テールランプは導光タイプのLEDで、ブレーキを掛けると中央に並んだLEDが点灯する。ウインカーはバルブタイプだが昼間でもよく目立つ。

<足つきチェック>テスターは身長170cmで足短め、体重72kg。スウィッシュのシート高は760mm。シート前端に座って足を下ろすとフロアボードがカットされた部分に足がくるので、べったりと足がつく。そのまま走り出すと前過ぎて不自然なポジションになるため、お尻を後ろにずらす必要がある。

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