【プジョー・ジャンゴ125試乗記事】 魅力はデザインだけじゃない! 走りも乗り味も満足の1台

掲載日:2018年06月21日 試乗インプレ・レビュー    

取材・文/野岸“ねぎ”泰之  写真/野岸“ねぎ”泰之、バイクブロス・マガジンズ

プジョー ジャンゴ125エバージョン ABS 試乗インプレッション

しなやかで快適な乗り心地
これはまさに“猫足”だ

ジャンゴのシート高は770mmで、PCXよりもわずか6mm高いだけだが、シート自体が幅広で、ボディサイドも丸みを帯びた形状のため、足つきは良い方ではない。しかし、いざ走り出すとその快適さに驚かされる。まず、厚めのシートのクッションは適度な弾力とやわらかさがあって絶妙な味付け。厚めで幅広なのはタンデムシートも同様なので、後ろに乗るパッセンジャーも快適なタンデムランが楽しめるはずだ。

プジョー ジャンゴ125 エバージョン ABSの試乗インプレッション

そして、サスペンションもしなやかで、路面のギャップを乗り越えた時にバタつく感じが一切なく、フワリとあしらってくれるため、乗り手は優雅な気分のままでいられるのだ。それでいて、適度なスピードでコーナーに進入した際にはしっかりと踏ん張って路面をとらえてくれる安心感がある。

プジョー ジャンゴ125 エバージョン ABSの試乗インプレッション

前後のディスクブレーキはコントローラブルで制動力に不満はないし、フロントブレーキにはABSも装備しているので、雨天やパニックブレーキの際の不安も少ない。4輪の世界ではよくプジョーの足周りは、しなやかなコーナリング性能と快適な乗り心地を両立させた“猫足”と呼ばれるが、スクーター、それもスポーツモデルではないジャンゴでもその片鱗を感じられる造りとなっているのはさすがだ。この乗り味は、国産スクーターとは明らかに方向性の違いを感じる。

プジョー ジャンゴ125 エバージョン ABSの試乗インプレッション

後ろから迫る「差し馬」タイプ
この加速はあなどれない

さて、気になる加速感はどうだろう。信号ダッシュなど、ゼロからの加速では、当初ちょっとだけもたつく感じはある。ところが40km/hを超えたあたりから、気が付くとやけにスピードの乗りが良く、あっという間に法定速度を超えてしまい、その後も伸び続けるという実力を持っている。

競走馬でいえば、レース後半からゴール前で猛然とダッシュをかます「まくりの得意な差し馬タイプ」なのだ。そして特筆すべきは、そのエンジンの回り方だ。あくまでシルキーでスムーズ。無理して頑張っている感じがしない。アクセルを全開にしても、エレガントさを失わないのである。

プジョー ジャンゴ125 エバージョン ABSの試乗インプレッション

ドカンとした加速感はJbubu125duos、全域でスムーズかつトルクフルな加速はPCXなど国産勢に分があるが、外観デザインとマッチした優雅な加速と走りという、1つの世界観をトータルで実現しているのは、他のスクーターにはない、このマシンならではの魅力といえる。

ちなみにジャンゴには今回取り上げた「エバージョン」のほか、ワントーンカラーの「ヘリテイジ」、スポーティなスタイルの「S」、ポップなカラーリングの「ID」、リアボックス装備の「アリュール」など、同じボディでテイストの違うシリーズが用意されているので、好みのタイプを探してみるのもいい。また、本国では150ccのラインナップもあることから、将来的にはそちらの日本導入も期待したいところだ。

プジョー ジャンゴ125 エバージョン ABSの試乗インプレッション

実用性と走行性能を高い次元でバランスさせ、うっとりと見入ってしまうようなおしゃれなデザインを併せ持つジャンゴ125エバージョンは、スーツ姿での街乗りから休日のツーリングまで似合う懐の深さがある。オーナーになれば所有する喜びを存分に実感でき、365日楽しめるマシンとなるだろう。

ジャンゴ125エバージョン ABSの詳細写真は次のページにて

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