【TRICITY 125 ABS試乗記事】エンジンと車体、すべてが新しくなった3輪コミューター 試乗インプレ・レビュー

【TRICITY 125 ABS試乗記事】エンジンと車体、すべてが新しくなった3輪コミューター

掲載日:2018年03月06日 試乗インプレ・レビュー    

取材・文・写真/野岸“ねぎ”泰之

【Tricity 125 ABS試乗記事】エンジンと車体、すべてが新しくなった3輪コミューターの画像

YAMAHA TRICITY 125 ABS

人気の新感覚シティコミューターが
大幅に進化して新登場

「転ばないバイク」を目指しフロント2輪リア1輪という斬新なスタイルで2014年に登場し、人気を博してきたのがヤマハのトリシティ125。このたび、エンジンやフレーム、サスペンションなどが変更され、装備も大幅に見直されてバージョンアップを果たした2018モデルが登場した。前モデルとの変更点をチェックしながら、走りや装備をチェックしていこう。

ヤマハ トリシティ125ABSの試乗インプレッション

動画『トリシティ125のエンジンサウンドをチェック!』はコチラ

ヤマハ トリシティ125ABS特徴

エンジンとフレームを一新
装備もより豪華に

トリシティ125は、ヤマハがLMW(リーニング・マルチ・ホイール:車輪と車体がリーンして旋回する3輪以上の乗り物)と呼ぶテクノロジーを投入して2014年に誕生した、フロント2輪、リア1輪という新しいスタイルのバイク。2018年モデルでは、車体周りや装備に大幅な変更が加えられている。

まず、エンジンには高効率燃焼、高い冷却性、ロス低減を掲げ、走りと環境性能を両立させた水冷4ストロークSOHC4バルブ124ccの“BLUE CORE(ブルーコア)”エンジンを搭載。吸気バルブを低中速と高速で切り替えて作動させる可変バルブ機構VVA(Variable Valve Actuation)を採用したこともあり、最高出力は8.1kW(11PS)から9.0kW(12PS)へ、最大トルクも10N・m(1.0kgf・m)から12N・m(1.2kgf・m)へとアップ。燃費も35.8km/Lから46.2km/L(60km/h定地)へと大幅に向上している。

ヤマハ トリシティ125ABSの試乗インプレッション
ヤマハ トリシティ125ABSの試乗インプレッション

エンジンが変更されたことによりフレームも新設計。それに伴ってフットスペースも拡大された。シート高も15mm下がった765mmとなった。また、リアショックにはツインチューブ式を採用、リアタイヤも110mm幅から130mm幅へと拡大し、乗り心地と安定性のアップを図っている。

装備面では、ヘッドライトにLEDが採用されたのをはじめ、DC12Vアクセサリーソケット付きの小物入れや、シート下収納にLED照明やヘルメットホルダーが追加されるなど、細かい使い勝手まで配慮された変更がなされている。トータルで見ても、モデルチェンジに近い大幅なブラッシュアップといえるだろう。

ヤマハ トリシティ125ABSの試乗インプレッション

ヤマハ トリシティ125ABSの試乗インプレッション

ヤマハ トリシティ125ABS 試乗インプレッション

見た目とは裏腹に
一層キビキビとした走りに生まれ変わった

車両の目の前に立つと原付2種とはいえ、やはり2輪と違って少し大きいな、と感じる。特にフロントのボリューム感は独特だ。今回試乗したABS付きモデルは車両重量が164kg(ABSなしは159kg)あるため、押し歩きなどの取り回しではさすがに重く感じる。ただ、前輪が傾くので押し歩きでも小回りは意外と利く印象だ。

ヤマハ トリシティ125ABSの試乗インプレッション

走り出すと、取り回しで重かった印象はどこへやら。車両重量は前モデルよりも重くなっているのだが、最高出力、トルクともに向上していることもあってか、発進時やそのあとの加速は、前モデルよりもキビキビとした印象。もちろん同じヤマハのNMAXやシグナスX SRといった俊足モデルには及ばないものの、法定速度の60km/hプラスアルファの速度域までもたつく感じはほとんどなく、力強く一気に加速していく。

ヤマハ トリシティ125ABSの試乗インプレッション

フロント2輪の違和感はまったくない

コーナーリングはとにかくスムーズ。狭い十字路など、低速で曲がる場合にはフロントの重さが気になる場合もあるが、幹線道路の交差点やバイパス状道路の中速コーナーなどは、前輪が2つある3輪バイクだということをほとんど意識せずに走ることができる。今回後輪の幅がワイドになったことで、さらに安定感が増している。

ヤマハ トリシティ125ABSの試乗インプレッション

荒れた路面を走ると、普通のスクーターのように「トントン」とではなく「ドンドン」と重そうに越えていく感覚はあるものの、フロントフォークの挙動は安定していて不安感は全くない。フロントの片輪だけが歩道の段差に乗り上げたような場合でも同様で、ほとんど違和感なく乗りこなせてしまう。3輪のため低速時の安定性は抜群で、フラつきの心配もない。そして、合計3枚のディスクを装備しているため、制動力も強力だ。

ヤマハ トリシティ125ABSの試乗インプレッション

意外にも小回りが利く、
新時代の都市型コミューター

渋滞した道路での小回りも、見かけのイメージとは違ってかなり利く。もちろん一般的な125ccクラスのスクーターには及ばないものの、すり抜けなどは意外と気を遣わずに行える印象で、同じ3輪でもホンダのジャイロのようなリア2輪のタイプよりも軽快に走り抜けられる。

ヤマハ トリシティ125ABSの試乗インプレッション

3輪がもたらす安定感と安心感はそのままに、パワフルで低燃費のエンジンとゴージャスな装備をプラスしたトリシティ125は、新時代の都市型コミューターとしての価値と利便性をさらに高めた魅力的な1台といえるだろう。

ヤマハ トリシティ125ABSの試乗インプレッション

詳細写真

フロント2輪がリーン(傾く)する、独特の機構を採用したLMW(リーニング・マルチ・ホイール)。前輪タイヤサイズは90/80-14M/C 43Pのチューブレス。それぞれの車輪が2本のフロントフォークに支えられ、シングルディスクブレーキを装備している。

フロント2輪を傾けて曲がるLMW(リーニング・マルチ・ホイール)機構は、「パラレログラムリンク」と、「片持ちテレスコピックサスペンション」によって成り立っている。リーン機能とサスペンション機能はそれぞれ独立しており、それによって余裕あるバンク角とハンドルの切れ角を確保しているのだ。

後輪サイズは130/70-13M/C 57Pのチューブレス。前モデルより20mm広い130mm幅のタイヤを採用することによって、走行安定性や路面への食いつきがより向上した。ブレーキは後輪もディスクで、左レバーを握るとリア&フロントがバランスよく利く「ユニファイドブレーキシステム」を採用。

前モデルではポジションランプのみLEDだったが、2018モデルではヘッドライトにもLEDを採用。ロービームでは上3灯、ハイビームではそれに加えて下2灯の計5灯が点灯する。夜間の明るさはもちろん、昼間の被視認性も高まった。

速度計が大きく配され、見やすく配慮されたデジタルメーター。時計や燃料計、外気温計、ツイントリップなども表示できる多機能タイプで、2018モデルにはECOランプが追加されている。

インナーパネルの右側にはフタ付きの小物入れを装備。内部にはスマホなどの充電に便利なDC12Vジャックを内蔵している。容量と形状から、スマホを収納するのは難しい。センター部には格納式のコンビニフックも装備している。

シートはステッチが施され、高級感がある。前モデルよりもシート高は15mm低くなり、765mmを実現。適度に付けられた段により、乗車時のホールド感も良好だ。タンデムシートの面積もそこそこ確保。グラブバーは車体と一体化したデザインでスタイリッシュなもの。

シート下のトランク容量は約23.5L。容量は前モデルよりも少し増え、LED照明を装備するなど使い勝手が向上している。深く、フラットな形状のため、帽体が大きめのヘルメットでも収納しやすい(モデルによって入らないものもあるので要確認)。写真はSHOEIのJ-FORCE4で、周囲にはグローブやウエスなどが入るぐらいの余裕がある。

シートヒンジ付近には新たにピン状のヘルメットホルダーを装備。左右2ヵ所にあるのでタンデムでも便利。利便性が大幅に向上した。

新エンジン搭載とそれに伴う新設計フレームの恩恵で、フットボードのスペースは前モデルよりも広くなった。もともとフラットなため乗り降りはしやすかったが、つま先やかかと周辺に余裕ができたことで、よリ自由度が高まった。

ラジエーターは車体右側に配置され、エンジン部分のコンパクト化に貢献している。走行風はシュラウドによって効果的に導かれる仕組みだ。その前方にはタンデムステップを備えている。折り畳んだ際には車体と一体化するスタイリッシュなデザイン。(写真は折り畳んだ状態)

リアサスペンションにはトリシティ155と同様のツインチューブ式ショックアブソーバーを新たに採用。乗り心地がさらに良くなっている。

テール&ブレーキランプにはLEDを採用。ウインカーは一般的なバルブタイプとなっている。車体と一体化したデザインはスッキリとまとまっており、クリアレンズを使用していることもあって、とてもスタイリッシュだ。

トリシティ125ABSのエンジンサウンドをチェック!

SPECIFICATIONS – YAMAHA TRICITY 125 ABS

ヤマハ トリシティ125ABS 写真

価格(消費税込み) = 43万2,000円
※表示価格は2018年3月現在

フロント2輪リア1輪という斬新なスタイルと抜群の安定性で人気となったヤマハのトリシティ125の2018モデル。ブルーコアエンジンの搭載や新設計フレーム、LEDヘッドライトの採用など、大幅な変更を受けて生まれ変わった。

■エンジン型式 =空冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ

■総排気量 =124cc

■ボア×ストローク =52.0×58.7mm

■最高出力 =9.0kw(12PS)/7,500rpm

■最大トルク =12N・m1.2kgf-m)/7,250rpm

■燃料供給 =フューエルインジェクション

■トランスミッション =Vベルト式無段変速/オートマチック

■サイズ =全長1,980×全幅750×全高1,210mm

■ホイールベース =1,350mm

■シート高 =765mm

■車両重量 =164kg

■燃料タンク容量 =7.2リットル

■Fタイヤサイズ =90/80-14M/C 43P(チューブレス)

■Rタイヤサイズ =130/70-13M/C 57P(チューブレス)

■ブレーキ形式(F/R) =油圧式シングルディスクブレーキ/油圧式シングルディスクブレーキ ABS付き

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