ベスパ プリマベーラ 125ABS 試乗インプレ・レビュー

ベスパ プリマベーラ 125ABS
ベスパ プリマベーラ 125ABS

ベスパ プリマベーラ 125ABS

掲載日:2016年12月08日 記事カテゴリ 試乗インプレ・レビュー   

取材・文/佐川 健太郎  写真・動画/山家 健一  衣装協力/HYOD

半世紀にわたるスモールボディの歴史を背負う
ベスパのベストセラーモデルの最新版

航空機製造の技術を応用したスチールモノコックボディや片持ち式のフロントサスペンション、エンジンと駆動部が一体となったユニットスイング方式などを採用した、現在につながるベスパの原型モデルが誕生したのが1946年。その後、時代の要請を受けてコンパクトな通称「スモールボディ」が63年に登場。オートマチック化されたET4などを経て、2013年にセンセーショナルなデビューを果たした最上級モデル「Vespa 946のデザイン要素をふんだんに取り入れつつ、現代的な解釈で蘇ったのが「プリマベーラ125」である。

イタリア語で「春」を意味するネーミングを冠した「Primavera」の初期型は1968年に発表され、ベスパの歴史上で最も成功したモデルとも言われている。

動画『やさしいバイク解説:ベスパ プリマベーラ 125ABS』はコチラ

ベスパ プリマベーラ 125ABS 特徴

新型エンジンでよりパワフルに
12インチにABS装備で足回りも強化

ベスパ プリマベーラ 125ABSの試乗インプレッション

ベスパのツーリングモデルであるGTSシリーズと比べると、「プリマベーラ125ABS」はひと回り小さなボディサイズにエレガントな雰囲気を纏った、お洒落なコミュートモデルである。2016年型の最新モデルでは、空冷4ストローク単気筒SOHC 3バルブ125ccのレイアウトはそのままに、最新型の「i-get」エンジンに刷新されて最高出力は1psアップの10.6psに向上。トランスミッションやスターターモーター、排気系のリニューアルによって燃費と静粛性も改善されている。

ベスパ プリマベーラ 125ABSの試乗インプレッション

足回りも見直され、前後輪が従来の11インチから12インチに大径化。フロント側にはABSが装備された。また、シート下にヘルメットなどを収納できる16.6リットルのラゲッジスペースを確保。また、新たに電動式のシートオープナーボタンや、グローブボックス内にはUSB電源ポートも装備。モバイル端末や電熱グッズにも対応しており、利便性が高まった。他にもユーティリティも含めて各部がアップグレードされている。

ベスパ プリマベーラ 125ABSの試乗インプレッション

プリマベーラはイタリア語で「春」を意味するらしいが、なんと美しい響きだろう。それがスクーターの王道であるベスパの製品であることに特別な価値を感じてしまう。ミーハーかもしれないが、ブランドの力とはそういうものだ。柔らかな曲線で構成されたボディは、どこから見ても隙のないデザインとなっており、イタリアに本拠地を構えるベスパならでは。陽光に輝く濃紺のボディとタンカラーのシートの組み合わせが醸し出す上品さに大人の色気を感じる。

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ベスパ プリマベーラ 125ABS 試乗インプレッション

ルックスだけにとどまらない
グレード感のある走りも魅力

ベスパ プリマベーラ 125ABSの試乗インプレッション

前述したように抜群のルックスに関しては文句のつけようもない。それだけでも十分な感じだが、肝心な走りもかなりいい。2016年型ではエンジンが新設計となり、パワーとトルクがアップしている。数値としては僅かではあるが、このクラスでの1psは大きい。特にスタートダッシュでの加速では鋭さが増した感じで、125ccながら信号待ちからのゼロ発進でもクルマの流れを十分リードできる、トルクアップの効果を感じられる部分だ。加えて燃費や静寂性、クリーン排気など環境面における性能向上についても好感が持てる。

ベスパ プリマベーラ 125ABSの試乗インプレッション

ハンドリングも従来の11インチモデルと比べると落ち着きが出て、荒れた路面や滑りやすい路面での安心感が増している。小径ホイールの場合、コーナリング中にギャップなどがあると切れ込んだり、接地感が薄くなったりして不安なものだが、そういったことに過敏にならなくても済むようになった。

ベスパ プリマベーラ 125ABSの試乗インプレッション

ABSが装備されてフロントブレーキを思い切りかけられるようになったが、その意味でもインチアップによる安定感は心強い。ABS作動時のキックバックもほとんどなく、自然なフィーリングなのでビギナーでも扱いやすいと思う。

ベスパ プリマベーラ 125ABSの試乗インプレッション

コンパクトで軽い車体は小回りが利いて街乗りではとても使い勝手がよく、近所の買い物から通勤・通学にも重宝しそうだし、原付二種でタンデムも可能なので彼女との一時を楽しんだり、子供の送り迎えもできそうだ。あるいは休日に普段着のまま、ふらっと街のカフェまで出かけたいときなど、きっと最高のパートナーになってくれるに違いない。

ベスパ プリマベーラ 125ABSの試乗インプレッション

お気に入りの本を片手に熱い珈琲をすすりながら、窓越しに佇むプリマベーラを愛でる。そんなシーンを夢想させてくれる甘美なスクーターである。

詳細写真

クラシック・ベスパを彷彿させる丸目一灯のヘッドライトや独特のフロントシールド形状はベスパの長い歴史と伝統を感じさせる部分だ。

上から下へと太くなっていく「ネクタイ」と呼ばれるステアリングコラムカバーも昔からの伝統。フロントシールド左右に埋め込まれたウインカーには現代的なLEDタイプのポジションライトを装備する。

今でこそスクーターのエンジン+駆動系のスタンダードとなっているユニットスイング方式も元々はベスパが考案したもの。新型では新たに「i-Get」エンジンが採用され、エンジンマウントの設計変更やダンパーの見直しなどにより振動が軽減、快適性も向上している。

航空機技術からの転用と言われる片持ち式フロントフォークもベスパの初期モデルからの伝統。シングルディスク内側にはABSセンサーが見える。

フロントホイールを右サイドから見ると片持ち式であることがよく分かる。高級感漂うアルミホイールは新型になって12インチサイズとなりデザインも変更された。

ステッチと面構成で立体的に仕上げられたシート。前後一体タイプのシンプルな構造だが座り心地は良く、ホールド性にも優れる。タンカラーがお洒落だ。

ハーフタイプのヘルメットが収納可能な16.6リットル容量のシート下スペース。素材は樹脂製でボディとは独立した構造になっている。

シート下スペースは手で持ち上げるだけで取り外すことができる。その真下にはエンジンと一体化したスイングユニットがあり、これを取り囲むようにスチールモノコック構造のボディがある。

柔らかな膨らみを持った「チーク」と呼ばれるボディ側面部のデザインがベスパの伝統。ダイナミックな形状はプラスチックを使用しない「スモールボディ」の特徴でもある。リアセクションも左右ウインカーは埋め込みタイプ。グラブバーのデザインも繊細で美しい。

乗り降りしやすい低いステップフロアもフレームを持たないベスパならでは。バッテリーをボディのセンタートンネル内に配置することで走行安定性を向上する工夫も。

フロントシールドにはグローブボックスを内蔵。右側はヒューズボックス、左側には小さいながら収納スペースがあり、USB電源ポートが設置されている。

アナログ式スピードメーターの下側に、オドメーター・トリップ・燃料・時計を表示する液晶画面を設けたユニークなデザインのインストルメントパネル。このデザインも伝統と革新を融合したものだ。

ベスパ プリマベーラ 125ABS 動画でチェック!

SPECIFICATIONS – VESPA Primavera 125ABS

ベスパ プリマベーラ 125ABS 写真

価格(消費税込み) = 45万9,000円
※表示価格は2016年12月現在

イタリアのスクーターブランド「ベスパ」が誇る最上級モデル、「Vespa 946」のデザインエッセンスを随所に継承した「スモールボディ」モデル。

■エンジン型式 = 空冷4ストローク単気筒 SOHC 3バルブ

■総排気量 = 124.5cc

■ボア×ストローク = 52×58.6mm

■最高出力 = 10.6ps(7.9kw)/7,700rpm

■最大トルク = 10.4Nm / 6,000rpm

■トランスミッション = 自動無段階変速(CVT)

■サイズ = 全長1,852mm×全幅680mm

■車両重量 = -

■シート高 = 790mm

■ホイールベース = 1,334mm

■タンク容量 = 9リットル

■Fタイヤサイズ = 110/70-12

■Rタイヤサイズ = 120/70-12

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