ヤマハ トリシティ125
ヤマハ トリシティ125

ヤマハ トリシティ125 – 安定感とスポーティーな走りを両立

掲載日:2014年09月26日 試乗インプレ・レビュー    

取材・写真・文/野岸“ねぎ”泰之

ヤマハ トリシティ125の試乗インプレッション

ヤマハ トリシティ125の画像

3輪なのを忘れるほど!?
予想以上に小回りが利く

さて、ここからは実際に走ってみたインプレッションに移ろう。フラットフロアで乗り降りがしやすいのは嬉しいが、足元のスペースは昔ながらの原付ポジションとでも言ったらいいのか、足を前に出せるスペースがほとんどない。そのため、乗車姿勢は背筋を伸ばしてシャキッと乗る感じだ。

信号待ちでゼロからスタートすると、走り出しこそ他の125ccスクーターに遅れを取るものの、それも一瞬のことで、車体が進みはじめるとモリモリとパワーが出てきて、あっという間に法定速度に到達してしまう。排気量と車重を考えれば、オドロキに値する加速感といえるだろう。もちろん、バイパス道などでもクルマの流れは十分にリードするだけの実力を持っている。ブレーキ性能も秀逸で、特に左ブレーキレバーは前2枚・後1枚(つまりタイヤ分)の3枚のディスクによる連動ブレーキシステムが採用されていて制動力も操作性も高いと感じた。

ヤマハ トリシティ125の画像

走行フィールはとても安定していて、路面にハンドルが乱されることはほぼない。ちょっとした段差はもちろん、片輪が段差に乗り上げるような状況でもショックはうまく吸収され、気にならないほどだ。横風が強い状況などでも前輪の接地感は絶大で、走行ラインが乱れる心配もなかった。

ヤマハ トリシティ125の画像

そんなどっしりとした安定感を持ちながら、コーナーリングもかなり軽快にこなすのが驚きだ。交差点や中速コーナーなど、車体をバンクさせると、まるでレールの上に載っているかのように、思った通りのラインを曲がっていく。走行中はフロントが2輪であることをすっかり忘れてしまうぐらい、自然な乗り味を実現しているのだ。それでいて、一般的なスクーターよりも旋回中の安心感、安定感が高い。前輪部のLMW機構を含めて車体剛性の高さが感じられ、旋回中によれたりグラついたりする挙動も一切感じられなかった。

ヤマハ トリシティ125の画像

渋滞時のすり抜けは無理なんだろうな、と思っていたが、意外と細いスペースでも抜けられる印象だ。びっしりと停車する車の間をあみだくじのようにハンドルをこじって進むのは厳しいが、直進で車両の脇を抜けるなら、フルサイズスクーターと変わらないぐらいの機動性を持っている。3輪の安定性と2輪の軽快な運動性を高次元でバランスさせたトリシティは、初心者からベテランまで楽しく、気軽に乗りこなせる、新たな価値観を生み出したコミューターといえるだろう。

ヤマハ トリシティ125の詳細写真は次ページにて

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