ホンダ グロム 試乗インプレ・レビュー

ホンダ グロム
ホンダ グロム

ホンダ グロム

掲載日:2013年07月30日 記事カテゴリ 試乗インプレ・レビュー

取材・写真・文/河合宏介

コンパクトな車体に本格的な装備
気軽に楽しめるマニュアルバイク

CBR125RやズーマーXなど、グローバルモデル(世界戦略モデル)を生産するタイの現地法人A.P.ホンダから、新型のスポーツモデル「グロム」が6月に日本上陸を果たした。この車両は世界に先駆けて「MSX125」というネーミングで、2013年1月にタイで発売されたモデルだ。日本では3月の大阪・東京の各モーターサイクルショーで市販予定車として披露されたので、記憶に残っている人も多いのではないだろうか?

 

グロムの特徴は、ちょっとした軒先やワンボックス車にも簡単に収まってしまいそうなコンパクトな車体サイズながら、新設計のスチール製モノバックボーンフレーム、12インチアルミホイール、前・後ディスクブレーキ、倒立タイプのフロントフォークなど、大型スポーツモデルと同様の充実した本格的な装備にある。

 

また、パワーユニットには、タイの「Wave125i」などに搭載されて、扱いやすさと燃費の良さ、そして耐久性で定評のある、空冷4ストローク125cc単気筒エンジンを採用。これに4速のマニュアルミッションを組み合わせているため、クラッチ、ギアチェンジ、スロットル、ブレーキといった一連の操作は一般的なマニュアルバイクと同様となる。マシンを操るライディングの楽しさを多くの人に知って欲しい。そんなメッセージが聞こえてきそうなモデルだ。なにより、スーパースポーツに準じたCBR125Rとは異なり、グロムはいつもの市街地で楽しめる気軽さが魅力だ。

ホンダ グロム 特徴

ホンダ グロム 写真 ホンダ グロム 写真 ホンダ グロム


ボリューム感のある車体構成
遊び心と高級感が融合したディティール

アジア圏の経済成長と共に、実用一辺倒だったバイクへの地元ニーズに変化があるという。グロムは、そんな変化をとらえて作られたプレイバイクだ。大きな特徴は、コンパクトだけれど、力強くボリューム感のある車体だろう。そのフロントフェイスにある「コンバインドプロジェクターヘッドライト」は、2個のバルブで配光する一般的な構造ではなく、1個のバルブで、ローとハイビームの2つの光をつくり出すグロム専用品だ。そこからφ31mmという大径の倒立フロントフォークが伸び、ワイドなアルミホイールを支えている。そのスポークを細くY字型にすることで、ワイドリムでありながら重量が増えないように考慮してある。実際に運転しても、足まわりの重さや反応の鈍さは感じられなかった。

 

車体はコンパクトだけれど、細部までこだわって造られていることが伝わってくる仕上がりで好感が持てる。例えば、燃料タンクのキャップの造りは、まるでワンランク上のスーパースポーツのように贅沢な造りだ。それは見た目だけではなく精度も良く、カチリと小気味良い音をたてて閉まってくれる。また、トップブリッジやステップには、アルミが使われているので高級感がある。そしてクラッチは軽く、ギアに引っかかりはなく、ニュートラルも出しやすい。

 

パーツをひとつずつ詳細に見ると、骨太で本格的な感じを受ける。しかし、それをカバーするかのように、張り出したシュラウドとタンクカバーが、愛嬌のある親しみやすさをつくりだしている。つまり、全体として戦闘的なスタイリングではないので、運転していても眺めていても楽しめるバイクだと思う。

 

ホンダ グロム 写真

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ホンダ グロム 試乗インプレッション

小さくて軽い車体なので取り回しがラク
思い通りに運転できるマニュアルバイク

実際にまたがってみると、身長163cmのテスターでも、両足がかかとまでべったりと着く。小柄な人でも安心して乗ることができるだろう。それでいて、ミニバイクにありがちな窮屈感はない。排気音は静かだが、音質は125ccならではといった太さが楽しめる。そのマフラーのプロテクターは、内側に金属、外側に樹脂という2層にして排気熱を低減する構造になっている。これにより、パッセンジャーに快適な居住性を提供して、積極的にタンデムができる仕様になっている。こんな小さなバイクに二人乗りする姿は、想像するだけでもほほえましい光景だと思う。

 

デジタルメーターの視認性は良く、右手の動きに合わせて健気に動くタコメーターは可愛いい感じがする。低中速のトルクが太い特性なのでスタートしやすく、初心者でもエンストの確率は低いと思う。走り出すと、およそ5,000回転から上が力強く、スムーズな加速をして、3速で80キロをオーバーする性能を持つ。その性能に合わせ、前・後輪ブレーキには、制動力に優れたディスクブレーキが採用されている。ホイールベースが短く小径ホイールなので、真っすぐ走るよりも、右に左にヒラヒラと曲がることが楽しい。アクションもしやすそうな印象だ。ちょっとだけ気になったことは、シートのスポンジが固めで表皮が滑りやすく、強めのブレーキをかけると尻が前に動いてしまうことだろうか。

 

「グロム」は、車体が小さいだけで、フルサイズのバイクと同じ装備をしている。コンパクトで軽い車体なので、クラッチ操作に慣れない人でも走り出す時の緊張が少なく、止まるのも面倒に感じないだろう。その機動性を活かして、裏道の散歩や郊外へのツーリングなどに気軽に出かけて欲しい。大型バイクを所有するベテランのセカンドバイクや、はじめてのマニュアルバイクとして、またはリターンライダーにもおススメできる1台だと思う。

 

ホンダ グロム 写真

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Specifications – HONDA GROM

ホンダ グロム 写真

価格(消費税込み) = 30万9,750円

シンプルな空冷4ストロークエンジンを積んだ、扱いやすい125ccのストリートバイクが新登場。4速ミッション、前・後ディスクブレーキ、セルモーター、倒立フォークなど、コンパクトな車体サイズながら本格的な装備を搭載している。

■エンジン形式 = 空冷4ストロークOHC単気筒

■総排気量 = 124cc

■最高出力 = 7.2kW(9.8PS)/7,000rpm

■最大トルク = 11N・m(1.1kgf-m)/5,250rpm

■トランスミッション = 常時噛合式4段リターン

■始動方式 = セルフ式

■点火方式 = フルトランジスタ式バッテリー点火

■サイズ = 全長1,760×全幅755×全高1,010mm

■シート高 = 750mm

■軸間距離 = 1,200mm

■車両重量 = 102kg

■燃料供給装置形式 = 電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)

■消費燃費率 = 63.2km/L

■燃料タンク容量 = 5.5L

■乗車定員 = 2名

■Fタイヤサイズ = 120/70-12

■Rタイヤサイズ = 130/70-12

■Fブレーキ形式 = 油圧式ディスク

■Rブレーキ形式 = 油圧式ディスク

■F懸架方式 = テレスコピック

■R懸架方式 = スイングアーム


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