SYM T1
SYM T1

SYM T1 – 日常の足として気軽に乗れるネイキッド

掲載日:2012年06月12日 試乗インプレ・レビュー    

取材・写真・文/河合 宏介

ビギナーからベテランまで技量に応じて
日常の足として気軽に乗れるネイキッド

SYMは台湾に本拠地を置くバイクメーカーであり、台湾市場はもとより、ヨーロッパ各国やアメリカにまで事業展開しているグローバルメーカーでもある。必要充分な性能を優れたコストパフォーマンスで提案していることから、日本国内でも広く受け入れられている注目メーカーでもある。

そんなSYMが2012年5月に新たに発表したのが125ccネイキッドモデルの「T1」だ。既に発売されている250ccネイキッドバイク「T2」の弟分にあたるモデルとなる。イマドキのマニュアルモデルというと、スーパースポーツ系を連想するかもしれないが、このT1は、それとは異なる乗り物だ。過激な加速や強烈なストッピングパワー、懐の深い足回りといった性能は与えられてはいない。が、初心者からベテランまで、ライダーの技量に応じて走ってくれる、いわゆるスタンダードな125ccネイキッドバイクなのである。

SYM T1の画像

なお、試乗車にはサイドスタンドが装着されていなかったが、販売車両にはサイドスタンドとセンタースタンドの両方が装備されるという。カラーは、ホワイト・ブラック・イエローの3色がラインアップされる予定だ。

SYM T1の特徴

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曲線と直線が融合したデザインと
自然なライポジに誘う車体バランス

正面から見ると、エッジの効いたデザインのヘッドライトやメーターバイザーが目立ってシャープな印象だが、横から見ると燃料タンクやシュラウドなど軟らかいラインを帯びたパーツが目に入ってくる。そんな曲線があるためか、全体的に優しい雰囲気が漂っているのが印象的だ。ホイールのデザインは凝っていて、例えるならば5本スポークの曲線サイクロン型とでもいえるデザイン。中心のハブから出た2本のスポークは外に向かって狭まり、外側のリムとは1本でつながっている。センタースタンドも装備しており、車両の長期保管やチェーンのメンテナンスなどでの実用面での恩恵が期待できる。ほかにも、ステーが長く横幅のあるバックミラーなども実用性に長けていて、後方視界を肩でさえぎられることもなく見やすい仕上がりだ。

SYM T1の画像

カーボン調のメーターパネルには、アナログ式のタコメーターが大きく配置されている。その脇に燃料計があり、スピ?ドメーターは控えめなサイズのデジタル式。それらを囲むように、ニュートラルや方向指示器、ヘッドライトのHi/Loを知らせるランプがある。いずれも日中でも認識性は良いものだった。テールライト周辺は、ヘッドライト周りと共通のシャープなデザイン。ナンバープレートとウインカーは、ステーでフレームから飛び出すように配置されていることで、テール周辺をスッキリとまとめている。ボディサイズは125ccバイクとしてみると少し大きいと感じるが、実は台湾では150ccモデルも同フレームで販売されているとのことで、それだけしっかりした造りのフレームでもあるわけだ。

SYM T1の試乗インプレッション

SYM T1の画像

マイルドだが決して遅くはない
接地感の高いストリートバイク

シート高は790mm。テスター(身長163cm)がシートに座ると、両足のかかとまでペタリと接地する。ハンドルグリップは細く感じるが、運転姿勢はとても自然な位置。かといって、大柄な人には窮屈かというと違うのである。メタボ体型の原付RIDE編集担当が乗ってみても、身体のどこかを無理に小さく折りたたんで運転している様子は感じられない。小柄な人から大柄な人まで、女性から男性まで、ライダーを選ばない守備範囲の広さを感じた。

SYM T1の画像

スタートの瞬間にトルクの細さを感じるかもしれないが、125ccという排気量を考えれば、むしろ粘りがある回り方をするエンジンともいえる。実際、クラッチミートに気を遣うのは走り始めの一瞬で、その後の加速では、マイルドだがスムーズに回転は上がっていくのである。回転が上がるといっても「開けろ!」とせかされるような印象はない。ミッションの設定もよく、5,000回転から8,000回転くらいまでの実用回転数をしっかり使える仕様となっていた。

SYM T1の画像

走り始めてしばらくすると、かなりの安定性の高さを感じながら走っていることに気付く。速度が増せば増すほど、車体が路面に押し付けられるような感じなのである。直線でもコーナリング中でも接地感は良好。素直なハンドリングとあいまって、次のコーナーが待ち遠しくなるマシンだと感じた。もちろん、ブレーキのフィーリングもしっかりしたもので、減速操作に不安はナシ。なお、都市部を100キロほど走行して燃費はリッター約40キロという結果だった。

SYM T1の画像

T1に乗って思い出したことがある。原付カテゴリーでも、かつてはこうしたスタンダードなマニュアルモデルが数多くリリースされていたことだ。ビジネスシーンだけでなく週末のツーリングマシンとしても愛用され、初心者ライダーにバイクの楽しさや安全に走るスキルを与え、ベテランライダーの要望には優れた経済性と熟成された性能で応えていた在りし日の「ワンツーファイブ」。決してハイスペックではないけれども、しっかりとした走行性能と値ごろ感のある価格帯(実売で車両代が25万円前後)で登場したT1は、もしかしたら、未来のライダーを育ててくれる名コーチになるかもしれないと感じた。

SYM T1の詳細写真

SYM T1の画像

フロント周りはシャープなデザイン。しかしヘッドライトの光が散ってしまうので、夜間の走行には少し不安を感じた。

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認識性の良いタコメーターは、夜間には青白いバックライトで照らされる。モードスイッチを押すと時計・積算・距離・電圧を表示する。

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フロントはステンレスメッシュのブレーキホースを採用。5本スポークのチューブレスホイールに、110/70-17サイズのタイヤを履く。

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ハンドル左側には、ヘッドライトのHi/Lo切り替え、パッシング、プッシュキャンセル式のウインカー、ホーンボタンがある。

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ハンドルの右側には、キルスイッチとヘッドライトのON/OFF切り替え、そしてセルモーターのボタンがある。

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アルミ製のブラケットでフレームと接続されるステップ。ミッションは5速リターン式だ。

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シートは滑りにくくホールド感は良いが、スポンジが硬めなので30分くらいで休憩が欲しくなった。

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空冷4ストロークエンジンは素直で扱いやすい。オイルレベル窓や点火プラグは、エンジン側面にあるので点検も容易だ。

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インジェクションの吸気で、10.8psを発生させるエンジン。とても小さくスリムな印象。

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テールランプはLED。ウインカーは、クリアレンズにオレンジバルブを装着している。

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EURO3をクリアしたマフラーなので、音量は低く抑えられているが、音質は太くていい感じ。

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5本スポークのチューブレスホイールと、130/70-17サイズのリアタイヤを装着している。チェーンは428サイズ。

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