ホンダ ベンリィ
ホンダ ベンリィ

ホンダ ベンリィ – フルモデルチェンジを受けて新登場

掲載日:2011年10月25日 試乗インプレ・レビュー    

半世紀もの歴史を刻んできたベンリィ
フルモデルチェンジを受けて新登場

『ベンリィ』の誕生は、1953年登場の「ベンリィJ型」にまでさかのぼる。それは戦後復興の夢を積んだホンダの名車「ドリーム」の設計思想を受け継ぎながら、曲線を多用したスポーティなデザインと、明るいカラーリングで人気を集めたモデルだった。ベンリィはその後、ロードモデルやオフロードモデル、スクランブラーや実用車など、多彩な兄弟車がリリースされることでロングセラーモデルとなっていった。

そのベンリィが2011年秋にフルモデルチェンジされた。これまでのバイク然としたスタイルとは異なり、スクータータイプとして生まれ変わったのだ。デリバリーという実用にターゲットを絞り、それに特化したスタイルを少々残念に感じているファンもいるかもしれないが、外観は変わっても「扱いやすく、そして安全で便利な機能を搭載する」というベンリィの遺伝子は失われてはいない。その実力をレポートしよう。

ホンダ ベンリィの特徴

ホンダ ベンリィの画像

実用本位の無骨なスタイリングながら
扱いやすく使いやすく親しみある存在に

新型ベンリィは、配達業務をそつなくこなすことを前提とした実用車だ。そのスタイリングは無骨だが、行き交う人の多くが「働くバイク」と認識してくれるためか、混雑する繁華街へ入り込んでも邪魔者扱いされること無く人や車の流れに溶け込むような感覚を受けた。まるで透明バイクに乗っているかのようで、歩行者や他車を威圧することのない優しいスタイリングだというのが最初の印象だ。

ホンダ ベンリィの画像

実用車らしい装備といえるのが最大30kgまで積めるフルフラットのリアキャリアだ。リアホイールを10インチと小さくし、地上高620mmという低床設計にすることで荷物の積み下ろしをサポート。キャリア部には前後左右にグリップと荷がけフックがあり、固定用のロープを通す場所に苦労することもない。シートは着座面も広く快適。それでいて身長163cmのテスターでも、両足がかかとまで地面につくほど足付き性がいい。ステップフロアも広めで足の位置の自由度も高い。シートを持ち上げると定番のメットインスペースはなく、燃料給油口があるだけだ。タンクは10リットルという大容量を確保し、給油の手間を省いているが、できたらシート下には雨具が入るくらいのスペースが欲しいと感じた。なお、ヘルメットの保管には、リアキャリアの左側にカギ付きのヘルメットホルダーが用意されている。

ホンダ ベンリィの画像

リアブレーキには、ブレーキロック機能があるのも実用車らしいところ。重い荷物を積んで坂道で停車する際に欠かせない装備といえる。停めると言えば、ベンリィにはセンタースタンドとサイドスタンドの両方が併設されている。そのサイドスタンドの接地面は大きく、不整地でも安定していた。

ホンダ ベンリィの試乗インプレッションは次ページにて

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