ヤマハ EC-03
ヤマハ EC-03

ヤマハ EC-03 – ヤマハが提案する未来の2輪

掲載日:2010年09月09日 試乗インプレ・レビュー    

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部

ヤマハ EC-03の特徴

ヤマハ EC-03の画像

非力さを補って余りあるメリット
ニーズが合致するユーザーには最高の存在

EC-03は目的が限られた2輪車だ。コンセプトは都市部半径5キロメートル圏内の移動に適した“スマート・ミニマムコミューター”。都市部といってもさまざまで、動力性能的に厳しい場所も存在するのが少々気になるが、それを除けばあらゆる条件を“ミニマム”で満たしているというのは事実だ。

基本構成は先代PassolおよびPassol-Lを踏襲しているようだが、改良点は各部に及ぶ。43kmと満充電状態からの航続距離が激的に伸びているわけでもないが、出力は1.4kw(1.9PS)/2550rpmにまで向上。ガソリンエンジンの原付1種には及ばないものの、徒歩や自転車よりも安楽な移動手段としての目標は十分に達成されていると言えよう。これは、三洋電機が開発した高エネルギー密度の新開発50Vリチウムイオンバッテリーや、超扁平面対向型ブラシレスDC モーター、超小型コントローラー、遊星減速機、ブレーキなどを後輪ハブ一体とした超薄型ヤマハ・インテグレイテッド・パワー・ユニット(YIPU)などにより実現したものである。

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また、EC-03で走り出すと非力ながらもそのスムーズな走りっぷりに驚かされるが、これはバッテリー、コントローラー、充電器、メーターの4系統を結ぶ通信システムYMCS(ヤマハ・ミューチュアル・コミュニケーション・システム)によってもたらされている。各系統はシステムにより情報を共有し、スタンバイ、走行、充電中など、さまざまな状態に応じて車両は最適な状態に総合的に制御されるという。当然のことながらスロットルグリップにワイヤーはなく、電子式コントローラーにより滑らかな走りと軽い操作感を得ている。このEC-03では車体から直接充電用の電源コードが伸びるプラグイン充電方式を採用。アース付きのコンセントを利用しなくてはならないのがやや面倒ではあるが、バッテリーを取り外す必要もなく利便性が向上したばかりか、電気で動く乗り物としての雰囲気もより強くなった。満充電に要する充電時間は約6時間で、平均的な電気代は約18円だという。長期の使用によるバッテリーやタイヤなどの消耗部品の交換コストを勘案しても経済性は非常に高いと言えるだろう。

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ヤマハ EC-03の詳細写真は次ページにて

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