HUSQVARNA SMS4

■SPECIFICATIONS

エンジン=水冷4ストローク単気筒OHC4バルブ

ボア&ストローク=52×58.62 mm

最大出力=11 kW / 9,000 rpm

最大トルク=12.1 Nm / 8,000 rpm

全長×全幅×全高=2,200 × 800 × 1,170mm

ホイールベース=1,465 mm

シート高=900 mm

車両総重量=117 kg

価格=498,000円

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車体もエンジンも本気モードな
本格的スーパーモタード

HUSQVARNA SMS4ハスクバーナのSMS4は、オフロードマシンTE125をベースとしたモタード。とにかくエキサイティングなエンジンが印象的なマシンで、パンチ力はクラス随一。感覚的な速さは相当なものがある。上から下まで実に良く回るのだが、特に中回転域からの押し出し感が強く、まるでビッグシングルのようなテイストが実に気持ち良い。また、ミッションのギヤ比の設定が、パワー特性と絶妙なマッチングを見せており、あらゆる回転域で加速力が高い。コーナー立ち上がりでの脱出速度で、ライバルの一歩前に出ることができるだろう。

 

車格はかなり大きめで、フルサイズと呼べる堂々としたもの。シート高も900mmと高く足着き性は良くないが、車重が軽いので取り回しに不便は感じないだろう。車格がフルサイズなら、ポジションもフルサイズ。125ccとしては大きな車体のおかげで、ライダーが大柄でも自然なライディングポジションをとることができる。これなら、ビッグバイクに乗り馴れている人でも、違和感なく乗り換えることができるはずだ。

 

車体が大きいせいでスタビリティも高いのだが、だからといって鈍重ということもなく、挙動はむしろ俊敏だ。切り返しが実に軽快にきまる。ただし、コーナリングには慣れが必要かもしれない。元々がオフロード車に小径ホイールを履かせたモタードマシンのため、前後のサスペンションが柔らかく、ストローク量も大きい。荷重のかけ方が甘いと、コーナリング中にピッチングを起こしてしまうのだ。コーナー進入時は、強力なブレーキを活かしてガッツリとフロントに荷重。コーナー脱出時は、しっかりスロットルを開きリヤをトラクションさせる。そうしたモタード乗りの基本を抑えた乗り方をすれば、持ち前の高いポテンシャルを引き出すことができる。

 

Φ52mm×L58.6mmのボア×ストロークを持つエンジンは、ロングストローク型だが高回転もストレスなく回る。最大トルクは12.1Nmと、今回のテスト車両中で最も大きな数値を誇っている。

ブレーキキャリパーは片押しピンスライドの2ピストンに、Φ260mmのディスクを組み合わせる。フロントブレーキのスペックは一般的なレベルだが、実際の制動力はかなり強力な部類に入る。

メーターはデジタル液晶パネルだけのシンプルなもの。タコメーターは装備せず、常時表示のスピードメーターと切り替え式の距離メーターと、インジケーターのみの表示となる。

SMS4の武器は、強力なエンジンとフルサイズの車体。ダウンサイジングされていないフレームと高性能な前後サスペンションは、ストリートでの高い運動性を実現し、本格的なモタード走行も可能にする。

aprilia RS4 125

■SPECIFICATIONS

エンジン=水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ

ボア&ストローク=58×47 mm

最大出力=11 kW / 10,500 rpm

最大トルク=10.9 Nm / 8,250 rpm

全長×全幅×全高=1,968 × 760 × 1,135mm

ホイールベース=1,353 mm

シート高=820 mm

車両総重量=145 kg

価格=449,000円

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走りのキレ味は抜群
アプリリア伝統の小排気量スポーツ

aprilia RS4 125アプリリアは、伝統的に小排気量スポーツを大切にしてきたメーカーで、このRS4 125も相当力の入った作り込みがなされている。フレームはアルミ製のペリメーターフレームを採用。フロントフォークは高剛性な倒立タイプだし、ブレーキキャリパーはラジアルマウントと、ビッグバイク顔負けの豪華なパーツを装備している。

 

跨がって、最初に感じるのはポジションが戦闘的なこと。ハンドルは低く、ステップ位置は高い。かなり本気の”攻める”ポジションなのだ。かなりコンパクトな乗車姿勢をとらされるが、ハンドル、シート、ステップの位置関係が良好なので、スポーツライディング時のライダーの自由度は高い。だが、ポジションが過激なことは間違いないので、街乗りなどでは乗り手の体格によって窮屈さを感じることもあるだろう。だが、スーパースポーツなのだからと割り切るべきところだ。

 

エンジンはハッキリと高回転型。回転がピークに近づくに従ってパワーも出てくるし、レスポンスも向上する。低回転が使えないわけではないのだが、回していないとスムーズさに欠けるし、振動も気になる。とにかく、高回転を使ってこそ速く、また楽しいエンジンなのだ。このRS4 125には、兄弟車として同じピアッジオグループに属するデルビのGPR125が存在する。この2台は共有する部品も少なくないのだが、エンジンに関してはほぼ新設計。ヘッド周りも違えば、シリンダーとピストンも違う。吸気もキャブレターからインジェクションへと変更され、エンジンの主要部品で共通なのはカムシャフトくらいだ。ミッションもクロスレシオ化された専用品。このミッションがなかなかの出来で、高回転型のエンジン特性にピッタリ。頻繁にギヤチェンジしながら、ピーク領域をキープして走るのは、小排気量スポーツバイクの醍醐味を味合わせてくれる。

 

水冷単気筒エンジンはDOHC4バルブのハイメカニズムを誇る。RS4 125のために、ほぼ新設計と呼べる改変が施された力作だ。インジェクションは軽量なワンボディタイプを採用している。

フロントブレーキには、ラジアルマウントのAJP製4ピストンキャリパーを装備。ブレーキディスクは信頼性の高いリジッド式で、ローター径はΦ300mmと大径なものを採用している。

大きく視認性に優れた液晶パネルは、スピードと水温を常時表示。その他には、オド、トリップ、記録された最高速度が切り替え表示可能。アナログ式のタコメーターは13,000回転フルスケール。

オプションとしてクイックシフターが用意される。このクイックシフターは単純に点火カットを行うだけでなく、点火時期調整など高度な処理を行っている。スポーツランでは大きな武器になるため、ぜひ装着したい。

KTM DUKE125

■SPECIFICATIONS

エンジン=水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ

ボア&ストローク=58×47.2 mm

最大出力=11 .3kW / 10,500 rpm

最大トルク=12 Nm / 8,000 rpm

全長×全幅×全高=2,029 × 836 × 1,267mm

ホイールベース=1350±15mm

シート高=810 mm

車両総重量=118 kg

価格=449,400円

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自由自在のコーナリングパフォーマンス
スポーツするのが楽しい、極上ネイキッド

KTM DUKE125KTMはオーストリアのメーカーだが、このDUKE125はインドの工場で生産されている。母国での生産ではないため品質に不安を感じるかもしれないが、その心配は無用だ。装着されているパーツの高級感もあり、各部の仕上げも質感が高い。走りはもちろんすべての面で1クラス、いや3~4クラスは上の仕上がりをみせている。

 

車格は大きからず、小さからず。ネイキッドスタイルで上体が起きていることもあり、ポジションは自然なもの。マシンに跨がると、自然にハンドルに手が届く。ただし、リラックスした上半身の感覚に合わせて足を置こうとすると、ステップが思ったより後ろにあることが気になるかもしれない。だが、走り出してしまえば、その違和感は吹き飛ぶ。思い切り攻められるので、簡単にステップを擦ってしまい、むしろステップ位置がもっと後ろで高くてもいいと思うほどだ。このDUKE125は、それほど運動性が高い。

 

車体からはしっかりとした剛性感が感じられ、まるで重量車のような落ち着きがある。それでいて車重は軽量な125ccクラスだから、コーナーでは安心して振り回せるのだ。どんなコーナーでも“曲がれる”確信がもてる、不安感と無縁で自由自在なコーナリング性能は何ものにも代え難い。シャシーの完成度はとにかく素晴らしいものだが、なかでも特筆すべきはサスペンション。専用開発されたWP製の前後ショックユニットは、ダンピングが効いていてスムーズかつしっとりと動く。サスペンションのクオリティは、明らかにアタマひとつ抜けている。

 

エンジンはフラットなトルク特性が素晴らしい。高回転のパンチや、押し出し感は強くないのだが、回転上昇がスムーズでトルクもしっかりと出ているので、車速の乗りは速い。ドラマチックではないが、実質的に速いエンジン特性だ。

 

新開発の専用設計エンジンの最高出力は、もちろん規制上限値の15PSを確保。最大トルクも、クラス最高レベルの12Nmを発揮する強心臓。12.6:1の圧縮比は、ライバル達と比べて高めの設定だ。

フロントブレーキには高性能なラジアルマウント式の4ピストンキャリパーを装備。Φ280mmのリジッドディスクと組み合わせて、十分なストッピングパワーと、高いコントロール性を両立している。

メーターは液晶パネルのみだが、バーグラフ式のタコメーターを装備。他に、スピード、距離、残燃料、水温、時計が同時表示可能。画面大きいので多様な情報が表示でき、視認性にも優れている。

DUKE125の高いコーナリング性能を支えているのが、前後ともにオランダのサスペンションメーカーWP製のショックユニット。WPのショックユニットは、モトGPの軽量車クラスでも圧倒的な装着率を誇っている。