ボロチェーンでも「塗る」と「塗らない」では大違い!! チェーンルーブの威力
掲載日/2018年04月06日
取材協力/パパコーポレーション 
記事提供元/モト・メンテナンス編集部
※この記事は雑誌『モトメンテナンス』133号(2017年8月16日発売)に掲載された内容を再編集したものです。記事の内容は雑誌掲載当時のものです。
ボロチェーンでも「塗る」と「塗らない」では大違い!! チェーンルーブの威力

数多くのリピーターに愛され続け、様々な実績を積んできたスーパーゾイル。エンジンオイル用添加剤として誕生したスーパーゾイルは、その高性能さが評判になり、他の潤滑シーンでも高い評価を得ている。金属同士が高回転で擦れ合うドライブチェーンは、常時良い条件で潤滑しておきたい代表的パーツである。このドライブチェーンの潤滑でも、スーパーゾイルは威力を発揮する!!

充実体感 スーパーゾイルの法則

バイクにとって大切なエンジンは、確かな潤滑性能を得て、はじめて本来の性能を発揮することができる。この潤滑性能やオイルコンディションを高める添加剤として、数多くのユーザーに支持されているのがスーパーゾイルだ。

擦れ合う金属表面には摩擦熱が発生するが、この摩擦熱がエンジンオイルの性能を低下させる大きな要因と言われている。スーパーゾイルは、この摩擦熱に反応し、金属表面にミクロン単位の金属化合物を形成。その作用によって、摺動摩擦抵抗を低減し、結果として摩擦熱の発生を抑制する。つまり、エンジンオイルのライフアップにも貢献するケミカルなのだ。

そんな高性能添加剤は、エンジン内部に限らず、様々な場面で金属摺動部に大きな影響を及ぼすことができる。車体部品に関して言えば「ドライブチェーン」がまさにそのパーツと言えるだろう。

仮に、ドライブチェーンを持たないシャフトドライブモデルなら、デファレンシャルギアユニットを専用オイルで潤滑している。そんな極圧ギア部分への潤滑にもスーパーゾイルは威力を発揮。このデフギアオイルには、4サイクル用スーパーゾイルを添加することができる。

ドライブチェーンは露出しているので(ビジネスモデルではフルカバード化されているモデルが多い)、天候や路面から受ける影響が想像以上に大きい。チェーングリスをしっかり塗布していても、雨天の連続走行によっては、グリスが洗い流されてしまうことが多い。ツーリング先で雨に降られたら、帰宅後のバイク掃除時に必ずチェーングリスを塗布しなくてはいけないが、こだわりのライダーの中には雨が上がった直後に「携帯用チェーングリスをスプレーする!!」といったお話もある。

ボロチェーンでも「塗る」と「塗らない」では大違い!! チェーンルーブの威力

SUPER ZOIL CHAIN LUBE
220ml◎2,000円(税抜)
乗りっぱなしでチェーンがギトギトに汚れているような場合は、チェーンケースやドライブスプロケットカバーも取り外し、ドライブチェーンをクリーンナップしてから作業しよう。軽合金スプロケットの減りが早く困っていたメーカー系チームが利用したところ、減りやすかった軽合金スプロケットのライフが飛躍的に向上。日々信頼性を高めているのがスーパーゾイルチェーンルーブなのだ。

『スーパーゾイルチェーンルーブ』は、シールチェーンにも対応した高性能チェーングリスをベースに、スーパーゾイル成分を添加。チェーングリスの中には、走行による遠心力でグリスが飛び散りやすい商品もあるが、同商品は飛び散りが少なく、リピーターも増えている。

ドライブチェーンを含め、ローラーチェーンの場合は、ピンと接するブッシュがローラーの内側にあり、その両サイドを内側、外側のプレートで連結しチェーンを構成している。ブッシュやローラーは極圧下で激しく擦れ合うため、その潤滑次第でチェーンの耐久性が大きく左右されてしまうのだ。シールチェーンは、特異な断面形状を持ったオイルシールやOリングで、ピン・ブッシュ・ローラー部分に封入されたグリスをシールドしているのが特徴だが、雨水や砂利などが外部から侵入できないような働きもしている。チェーングリスには、オイルシールを侵さない性能を持ち合わせなくてはいけないが、スーパーゾイルチェーンルーブなら、どのタイプのドライブチェーンにも利用できるので安心だ。

今回は、泥汚れが酷いドライブチェーンを洗浄した後に、エアーブローを行い、スーパーゾイルチェーンルーブを吹付けようと段取りを進めたが、あまりにもチェーンの汚れが酷く、取り外さないとキレイに洗浄できなかったので、この機会に新品ドライブチェーンへと交換した。

実作業手順は、チェーン交換した後にスーパーゾイルチェーンルーブを少量だけスプレーし、10kmほど試運転した。この試運転でドライブチェーンを温めた後にチェーンルブを吹付ければ、各リンクプレートやローラーへ万遍なくグリスを行き渡らせることができる。チェーンの汚れが酷いときには、汚れを洗浄した後にエアーブローでゴミを飛ばし、その後、前述したような方法でスーパーゾイルチェーンルーブを塗布すれば、現状最善のメンテナンスを行うことができる。小排気量車ならジョイントクリップを外して、チェーンを単品にしてから洗浄するのがベストだろう。

走り去るバイクから聴こえてくるのがマフラー音ではなく、キコキコ、キキッといったチェーンノイズでは寂しいものだ。そんな状況にならないためにも、ドライブチェーンのメンテナンスは、常日頃から実践したいものである。

ボロチェーンでも「塗る」と「塗らない」では大違い!! チェーンルーブの威力

粘土質のドロとグリスでドライブチェーンの汚れがあまりにも激しかったので、チェーンクリーナーを吹付けてからワイヤーブラシでゴシゴシ研き、ウエスで拭き取ったが、今イチだったので……。

ボロチェーンでも「塗る」と「塗らない」では大違い!! チェーンルーブの威力

ストックしていたドイブチェーンと交換することにした。取り外したドライブチェーンを再利用したいときには、チェーンに合致したカシメ式ジョイントを部品商で事前に購入しておこう。

ボロチェーンでも「塗る」と「塗らない」では大違い!! チェーンルーブの威力

ドライブスプロケットカバーの内側は粘土質のドロで埋もれていた。縦型ブラシを利用しながら洗浄スプレーを塗布し、ゴシゴシやっていたらこの通り……。汚れ落としする際には新聞紙を敷こう。

ボロチェーンでも「塗る」と「塗らない」では大違い!! チェーンルーブの威力

ディスクグラインダーでヒトコマ分だけピンの頭を削り落すことで、チェーンカットを余裕で行うことができる。新品チェーンをセットしたら、チェーンカシメツールでジョイントピンを規定通りにカシメる。

ボロチェーンでも「塗る」と「塗らない」では大違い!! チェーンルーブの威力

新品チェーンとはいえ取り付け後にはチェーンルーブを必ず吹付けなくてはいけない。スズキGS1000の標準チェーンは630サイズの96リンク。DID製のカシメジョイント式チェーンをストックしていた。

ボロチェーンでも「塗る」と「塗らない」では大違い!! チェーンルーブの威力

実は当初、汚れたチェーンを洗って再利用しようと思ったが、あまりにも汚れが酷く取り外したチェーンの裏側を見たらこの通り。こんなチェーンは単品洗浄しないかぎり汚れが落ちない。

ボロチェーンでも「塗る」と「塗らない」では大違い!! チェーンルーブの威力

メインスタンドやメンテナンススタンドでこのようにダンボール紙を敷き、チェーン裏にダンボールを立ててスプレーしよう。サイドスタンドだけのモデルでは、こうはできない。

ボロチェーンでも「塗る」と「塗らない」では大違い!! チェーンルーブの威力

ドライブチェーンを取り外した段階でカバー内側全体をクリーンナップ。ご覧の通り実に気持ち良い!! ドライブチェーンのメンテナンス時には、必ずクリーニングしたい。