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摩耗しても優れたグリップ性能を維持するミシュランの『ROAD5』とは?

  • 取材協力、写真提供/ミシュラン  文/青木タカオ  構成/バイクブロス・マガジンズ
  • 掲載日/2018年2月28日

ドライ、ウェットに関わらず安定したハイグリップ性能で、ツーリングユーザーから高く支持されている『PILOT ROAD(パイロッドロード)4』の後継となるNEWラジアルタイヤ『ROAD(ロード)5』が、2018年2月に新発売された。さらに直進安定性やハンドリングが優れるだけでなく、摩耗が進んだ状態での性能低下を抑制。濡れた路面にもめっぽう強い、スポーツツーリングタイヤだ。

摩耗してからも安定したウェットグリップ性能を発揮
ツーリングライダーはこんなタイヤを待っていた!

トップブランドのものなら、新品時での性能は高いのが当たり前となっていると言っていい現代のモーターサイクル用タイヤ。ユーザーとして気になるのは、摩耗時での性能だろう。

ミシュランの新作ラジアルタイヤ『ロード5』は、開発テストにて約5,600km走行後の摩耗した状態でウェット路面での制動距離を計測したところ、なんと新品のパイロットロード4とほぼ同等の距離で停止できてしまった。

この驚異的ともいえるウェットグリップ性能を実現する新技術が『XST Evo(エックスサイプテクノロジー エボ)』だ。タイヤは構造上、摩耗が進むにつれて排水性能が低下してしまうが、タイヤが減るほどに溝の幅が広くなるという新しいサイプ断面を開発し、排水性能の維持を可能にしている。

XST(エックスサイプテクノロジー)は、パイロットロード3から採用されてきたミシュラン独自の技術だが、サイプ断面を逆フラスコ形状にした“Evo”へと進化したことでこれを実現。ツーリングユースが求めていた、摩耗してからも安定した高いグリップ性能を獲得するに至った。

もちろんウェットグリップ性能だけではなく、ドライ路面でのスポーツ性能やクルージング性能も向上している。これはトレッドセンターを柔軟にし、高い直進安定性を確保しつつ、サイドウォールやトレッドショルダーは剛性を高め、旋回時の安定性を高めた『ACT+(アダプティブ ケーシング テクノロジー プラス)』を新採用したことによる。オールウェザー、全方位に進化したのだ。

ユーザーが欲しかった路面状況に左右されない安定した性能を実現

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スポーツ指向が強いパワーRSのようなトレッドパターンを持つロード5。一見すると、サイプを含めた溝の量は先代のパイロットロード4より減っていて、スポーツ性を重視し、日常域での扱いやすさや耐摩耗性を犠牲にしたのかと思いきや……。

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じつは運動性能を高めつつ、扱いやすさや耐摩耗性も向上。それはサイプ断面をフラスコを逆さにしたような形状としたことで、摩耗が進んでもサイプは拡大。つまり使い込んでもウェット路面での排水性能が落ちず、ロングライフはもちろん濡れた路面にもいつまでも強いタイヤとなったのだ。

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パワーRSから継承し進化した『ACT+(アダプティブケーシングテクノロジープラス)』は、柔軟性に優れるシングルプライ構造をトレッドセンターに、高剛性が獲得できるクロスプライ構造をサイドウォールに採用し、直進安定性と旋回性を高次元で両立する。

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スポーツツーリング系タイヤではトップクラスの運動性能を持つロード5。冷間時やウェット路面でも充分なグリップ力を発揮し、さまざまな条件下でしっかりとした接地感が得られる。ロングライフで、トータルバランスに優れるラジアルタイヤと言えよう。サイズはオフィシャルサイトで確かめていただきたい。

ミシュラン

ワールドグランプリのトップカテゴリーで、350回以上の勝利と26回のチャンピオンを獲得してきたミシュラン。1889年の創業以来、人やモノのモビリティの発展に貢献することを自らの使命とし、自転車のための脱着可能な空気入りタイヤやラジアルタイヤの発明など、2輪車や自動車業界におけるあらゆるステージで活躍してきた。