取材協力/ランドマスター・ジャパン  記事提供/モト・メンテナンス編集部
※この記事は雑誌『モト・メンテナンス』134号(2017年10月16日発売)に掲載された内容を再編集したものです。
記事の内容は雑誌掲載当時のものです。
掲載日/2017年11月21日

オービトロン製品の要旨
1. 摩擦や振動によって車体各部に発生する静電気に注目
2. 静電気による電子のアンバランスが性能低下の要因
3. 電子を自然発生する鉱物により電子的中和を実現

回転、摺動部に発生してフリクションや不快感の原因となる静電気に注目
オービトロンの電子でアンバランスを中和する

バイクのメンテを行うサンメカなら、フリクション軽減の効果を理解できるはず。チェーンやクラッチケーブルへの給油でタイヤが軽く回り、レバー操作が軽くなるのは実感できる一例である。

こうした機械的なものとは別に、電気的な要素が原因となるフリクションもある。目に見えない電気の中で悪影響を与えるのが静電気だ。部品同士がこすれあいながら往復、回転する部分はもちろん、液体や空気が流れる際にどこかに擦れれば、その部分でも静電気は発生する。オイルやグリスによる潤滑部分は、それらが劣化したり流れ落ちることで機械的な抵抗が大きくなってフリクションを感じることができる。だが静電気による影響はほとんどのサンメカが意識したことすらなく、したがって認知できないフリクションロスであった。だがその存在は、トヨタ自動車が発表したアルミテープによる静電気の放電理論によって、大々的に知られることとなった。

車体各部に発生する静電気を取り除く手段として、ランドマスター・ジャパンが開発したのがオービトロンシリーズである。フリクションロスの原因となる静電気はエンジン内部、ミッション、サスペンション、回転するタイヤなど、すべての稼働部で常に生み出されており、その際に発生するプラスの電子が過剰になることで電気的なアンバランスが生じて、さまざまなフリクションを生むことになる。例えば燃焼室内では混合気が不均一になることで燃焼が不安定になり、インテークやエキゾーストの経路でもスムーズな空気の流れが阻害される。

オービトロンはこうした電子的なアンバランスを解消して静電気を中和、減少させることを目的に開発されたデバイスである。天然鉱石が自然に発生する放射線により電子を発生するが、レアアースやレアメタル、その他の天然鉱石を活用した触媒技術を利用することで、人体や環境に影響のないごく微弱な放射線によって、多量の電子を取り出すことができる。天然鉱石は外部からの入力がなくても自らエネルギーを発生するため、効果が長期間にわたって持続するのが特徴。

バッテリーのマイナス端子に接続するパワーモジュールは、オービトロン製品を代表するアイテムだ。マイナス端子につなぐだけでは電気的に回路が成立しないのでは? と疑問を感じるかも知れない。だが先に述べたようにオービトロンは電子を発生する装置であり、静電気によってプラスに帯電した部分にマイナスの電子を供給して、プラスマイナスゼロで静電気を中和するためには、マイナス端子にだけ接続すれば良いのだ。

静電気を中和してフリクションロスが減少することで、エンジンのレスポンスは良くなり、トルク感がアップし、過度なエンジンブレーキが減少する。パワーモジュールにはコアの構造やサイズや数量、触媒の違いによって12ものバリエーションがあり、多量のエネルギーを発生する製品を選べば、静電気の中和、減少効果はエンジンだけでなくシャシーやサスペンションにまで及ぶ。

ブローバイホースやインテークパイプなどに巻き付けて静電気を減少させるバンドタイプのパワーエミッターや、タイヤのエアバルブのネジ部に塗布することで回転時の空気摩擦や路面との接触で発生する静電気を中和するFFSグリスプレミアムは、オービトロン効果を応用した派生商品であり、それぞれが電気的なアンバランスを補正してフリクションロス軽減効果を発揮する。

静電気による不具合が知られるようになった現在、無視できない余剰電子の存在がある。静電気によって発生した電子を逆の電荷の電子で打ち消すオービトロンは、過不足のない中和作用によってバイクや車が持つ本来のポテンシャルを最良の状態で引き出してくれるはずだ。

『パワーモジュール』
バッテリーマイナス端子につないで静電気を中和する

電子の力で静電気を中和!? 天然鉱石が発する電子を活用して車体が快適に

電子を供給するコアの構造や面積や枚数によって、パワーモジュールには効果や特性が異なる製品が用意されている。パワーモジュールM8GLiは、コア構造の見直しや新触媒の採用で従来品を上回る性能を実現したニューモデル。素材の調達が限定されるため、時期限定の注文生産品となる。価格は10万8,000円(税込)。

電子の力で静電気を中和!? 天然鉱石が発する電子を活用して車体が快適に
電子の力で静電気を中和!? 天然鉱石が発する電子を活用して車体が快適に

パワーモジュールの取り付け方は、本体のコードをバッテリーのマイナスターミナルにつなぐだけ。本体はフレームなどの金属部分から離して固定し、金属部分を避けられない場合は付属のゴムシートなどで絶縁して取り付ける。

『パワーエミッター1』
取り付け場所は自由。巻けばすぐさま効果を発揮

電子の力で静電気を中和!? 天然鉱石が発する電子を活用して車体が快適に

オービトロンパワーエミッター1は、耐食性に優れた金属にオービトロンを塗布した静電気中和除去アイテム。バンドの両端にはタイラップなどを通せる金具が付き全長は約320mm。価格は1万9,440円(税込)。さらに効果が強いパワーエミッター2(2万7,000円・税込)、パワーエミッター3(3万7,800円・税込)もある。

電子の力で静電気を中和!? 天然鉱石が発する電子を活用して車体が快適に
電子の力で静電気を中和!? 天然鉱石が発する電子を活用して車体が快適に

ブローバイホースやラジエターホース、油圧ホースや燃料ホースなどに巻き付けることで、本体から発生する電子が車体各部の静電気を中和して、スムーズなエンジン回転や余計なエンジンブレーキを緩和してくれる。ギクシャク感が減って滑らかな印象になる。

『FFSグリスプレミアム』
エアバルブに塗れば空気抵抗減少&足周りがしなやかに

電子の力で静電気を中和!? 天然鉱石が発する電子を活用して車体が快適に

FFSグリスプレミアムシリーズには3タイプあって、写真のGスペックは物理的強度に優れ熱伝導性、導電性も優秀な最先端素材のグラフェンを配合。5g入りで価格は1万2,960円(税込)。FFSは「フリクションフリーシステム」の略称。

電子の力で静電気を中和!? 天然鉱石が発する電子を活用して車体が快適に
電子の力で静電気を中和!? 天然鉱石が発する電子を活用して車体が快適に

エアバルブのネジ部に塗ると空気抵抗を分散するという。おそらくタイヤと路面の摩擦やホイールが空気を切り裂く際の摩擦による静電気を中和することでフリクションを下げるのだろう。塗布することでステアリングレスポンスが向上して軽快感が増したように感じた。