腐食を防ぎ永遠の輝きを!史上“最鏡”のメッキカスタムに迫る
取材協力/メッキ工房NAKARAI  取材・文/櫻井伸樹  写真/河合宏介  構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
掲載日/2014年4月30日
パーツの換装やオリジナルペイントなどはカスタムの常套手段だが、パーツにメッキをかけるのもバイクの質感をあげる一つの方法。
ここではカスタムの手法としてのメッキ加工の魅力を、専門業者「メッキ工房ナカライ」を中心に掘り下げてみたい。

CONTENTS

新車以上の輝きと耐久性を
パーツに与える至極のカスタム

いつの時代もピカピカに輝いているバイクというのはオーナーの所有感を満たし、また他人の目を惹くもの。だから汚れたら洗車し、ケミカルで愛車を磨くオーナーは多いだろう。しかしいくら磨いても車体は時間と共に劣化し、新車時の輝きを維持するのはとても困難なこと。

 

鉄、アルミ、樹脂、ゴム……ご存知のようにバイクの車体にはあらゆる素材が使われており、これらの素材が適材適所で役目を果たしている。当然のことながら、各素材は時間と共に経年変化を起こす。鉄は錆び、アルミは腐食して粉を吹き、樹脂やゴムは紫外線で色が抜けてツヤがなくなるなど、耐用年数を越えると物はどんどん朽ちていく。

 

ところが一部のパーツに新車時以上の輝きを蘇らせ、ケミカルとは比較にならないほど長時間継続して光らせる方法が存在する。それが「メッキカスタム」というものだ。

 

そもそもメッキとは、どんなものか。これは金属や樹脂などの地素材の上にニッケル、クロームといった耐久性の高い金属で皮膜を形成する技術。その歴史は古く近代的な電気メッキですら明治時代にはすでに確立されていたという。

 

ご紹介する「メッキ工房NAKARAI」は、バイクや車のパーツに「極厚」で良質なメッキを施すことで有名な創業45年の老舗。ホイールやマフラーを始め、タンク、ハンドル、レバー、果てはカウルなどの樹脂にまでメッキをかけてしまうプロ中のプロである。

ノーマルでもゴージャスな仕様のブルバードゆえに、この距離から見るとあまり派手な印象は受けないが、それでもフロントフォークやホイールの輝きが違う。

車体の左側面のクランクケースまわりはノーマル。シャフトドライブと後輪ホイールの輝きかたが尋常ではないのがわかるだろうか。

前周りはフロントフォーク、ホイール、ブレーキキャリパーをメッキ加工。特に光るキャリパーは見慣れないせいか、妖艶な雰囲気を放っている。

クランクケース周辺はノーマルでもメッキ部分が多いが、中央の丸いパーツをナカライで加工。さらに質感が上がっている。

スイッチボックスやマスターシリンダーといった黒が当たり前のパーツがこれだけ輝いているとどこか不思議だが、質感がグッと上がっている。

本来は黒塗装だったラジエーターガードをメッキ加工することで、沈みがちな部分も浮き立つように見えてくるから不思議だ。フロントタイヤからの水跳ねが多い場所だけに、錆に強いのも魅力。

写真では少々わかり辛いが、ハンドルをマウントしているライザーのメッキの質感が素晴らしい。またタンクキャップのキーのフタにもメッキをかけ、周辺と一体化しているのもこだわりだ。

このシャフトドライブからリアホイールにかけての質感は圧倒的。メッキをかけただけで、ショーモデル並みのルックスだろう。同時に分厚いメッキが錆や傷からも駆動系を守るのだ。

専門業者しかできない
極厚メッキの魅力

今回は、そんなメッキの専門店ナカライが、ユーザーのオーダーで手がけたメッキカスタムを実際に拝見させてもらうことになった。撮影当日、豪快な排気音と共に登場したのはスズキが誇るマッシブクルーザー M109Rブルバード。一見するとノーマルに近い佇まいだが、マシンに近寄ってみるとあきらかに各パーツの質感が高い。目立つ所では前後ホイール、フォークのアウターチューブ、ブレーキキャリパー、シャフトドライブといった大物から、ハンドルライザー、左右レバー、ラジエーターガード、ガソリンタンクのキャップ、サイドスタンドなど本来はあまり目立たないようなパーツまでもが眩い輝きを放ち、個性を主張している。そのどこかモチっとした柔らかい艶やかさは、あきらかにノーマルパーツと違う。ナカライの代表・半井雅輝氏によると、この光沢感こそが、ナカライメッキの真骨頂と言う。

 

普通のメッキの場合、地素材を覆う金属の厚さはおよそ30ミクロンほど。ところがナカライが施すメッキは、その16倍超の500ミクロンもの厚みを持たせて施行するという。このケタ違いの皮膜がパーツの耐久性を飛躍的に上げると共に、エッジを柔らかくしノーマルでは出せない重厚な雰囲気をマシンに与えているのだ。

 

01前周りはフロントフォーク、ホイール、ブレーキキャリパーをメッキ加工。特に光るキャリパーは見慣れないせいか、妖艶な雰囲気を放っている。

02本来は黒塗装だったラジエーターガードをメッキ加工することで、沈みがちな部分も浮き立つように見えてくるから不思議だ。フロントタイヤからの水跳ねが多い場所だけに、錆に強いのも魅力。

03クランクケース周辺はノーマルでもメッキ部分が多いが、中央の丸いパーツをナカライで加工。さらに質感が上がっている。

04写真では少々わかり辛いが、ハンドルをマウントしているライザーのメッキの質感が素晴らしい。またタンクキャップのキーのフタにもメッキをかけ、周辺と一体化しているのもこだわりだ。

05スイッチボックスやマスターシリンダーといった黒が当たり前のパーツがこれだけ輝いているとどこか不思議だが、質感がグッと上がっている。

06このシャフトドライブからリアホイールにかけての質感は圧倒的。メッキをかけただけで、ショーモデル並みのルックスだろう。同時に分厚いメッキが錆や傷からも駆動系を守るのだ。

OWNER’s VOICE

清水 貴芳さん

SUZUKI BOULEVARD-M109R

「所有することがこんなにも楽しい。
どこに置いても目立つのが最高です!」

ブルバードが大好きでこの車両で2台目と語るオーナーの清水さん。前モデルは全体をブラックで統一する渋い仕様だったが、今回はとにかく派手に光らせようとショップと相談しながらこのメッキカスタムを進め、2年かけて完成。「どこに置いても重厚な輝きを放つナカライの仕上げには本当に満足です」とのこと。しかしあくまでも色のあるパーツを無理やりメッキ化しているわけではないので、金襴豪華ないやらしさはなく、黒は黒で、金属のみが輝いているセンスのいいカスタムだ。

PICKUP PRODUCTS

金属からプラスチックまで
こだわりのメッキ職人集団

ナカライではバイクや車のパーツを中心にメッキを行なっているが、こだわりはその仕上がり。メッキにも「蒸着」や「銀鏡」など、脆弱で長く保たない仕上げもあるが、ナカライが施行するのは銅、ニッケル、クロームと3種類の金属を化学反応によって被覆させる極厚で美しいクロームメッキである。しかも金属はもちろん、樹脂パーツに被覆させることも可能。同社のHPにはシートとライト以外のほとんどをメッキしたド派手なカスタムまであり、そのバリエーションの多さに驚かされる。また樹脂パーツは表面が完全に金属化するため、ノーマルよりも圧倒的に耐久性があがるのも魅力だ。基本的にオーダーする場合は各パーツをバイクから取り外し、ナカライへ送って加工してもらう手順となる。

 

  • エアインテークを始め、この距離で見ても後からメッキをかけた部分は光沢感が違うのがはっきりとわかる。

  • V-MAXの顔とも言えるダミーのエアインテークだが、年式の古いものだと腐食していることが多い。そんな場合でもナカライでメッキをかければ見違えるような輝きを取り戻す。

  • クランクケース周りのカバー類も再メッキ化により、なんでも写ってしまうほどの輝き。社外品にメッキをかけるのも発想として面白いカスタムだ。

  • こんなちょっとしたパーツにメッキをかけると車体全体の上品さが増し、また駆動系に近い部分は雨などにより劣化が激しいので耐久性アップにもつながるのだ。

  • ダミーエアインテーク、吸気ファンネル、クランクケース周りなどを再メッキすることにより、発売から年数が経っているモデルでも古さを感じにくくなるのが魅力だ。

YAMAHA
V-MAX

OWNER’s VOICE

森田 尚義さん

「古いバイクをアンチエイジングして
共に過ごしたい」

2010年に中古でV-MAXを購入した森田さんは、メッキ部分の劣化が気になりフロントフォークやエアインテーク、エンジン周辺など4年かけてあらゆるパーツをメッキカスタム。ナカライのメッキはノーマルパーツのメッキよりも分厚く、輝きも違うと実感しているという。また古いバイクでもメッキで武装することで古さを感じさせず、所有感も上がり、傷がつきにくくメンテナンスが楽な点もお気に入り。今後も人間同様メッキでバイクをアンチエイジングしながら愛車との時間を末永く楽しんでいきたいと語る。

ナカライが開発したメッキケミカルの決定版!

メッキング 100ml 5,980円
サビトリキング 140g 1,980円

メッキを熟知するナカライが開発したケミカルが、このメッキングとサビトリキング。メッキングは目には見えないメッキ表面の微孔をケミカルが埋めることで、より強固に表面を保護、さらなる輝きを与え、劣化を防ぐ保護剤だ。一方のサビトリキングはクロームメッキ専用の錆び取り剤。通常の錆び取り剤は強力で、こすりすぎてメッキを傷つけたり、はがしてしまったりするが、この製品はそういった心配がなく、クロームメッキを守り、錆を効果的に除去してくれるメッキに優しい錆取り剤だ。

メッキングとサビトリキング

大きさ・状態で異なる施工価格

正式価格は直接お問い合わせを

メッキ施行価格はパーツの状態(新品・中古など)や素材、大きさなどでそれぞれ異なるため、ここで紹介しているのは、あくまで参考価格となる。自分のバイクのパーツが、いくらになるのかを知りたい場合は、ナカライのお問い合わせフォームから見積り依頼をしてみよう。(注意/電話での見積り依頼はトラブル防止のため対応不可なので要注意!)

※表示している価格は税別です。あくまで目安になります。

ジェネレーターカバー/1万9,000円~
クランクケースカバー/1万8,000円~
フロントフォーク 1本/1万9,000円~
ホイール 1本/原付2万9,000円~、ミドルバイク7万円~
フロントフェンダー/1万9,000円~
リアフェンダー/1万9,000円~
サイドスタンド/1万円~
スイングアーム/2万9,000円~
アルミフレーム(例・GSX-R1000)/24万円 ~

NAKARAI お問い合わせフォーム

BRAND INFORMATION

メッキ工房 NAKARAI

住所/東京都大田区上池台 3-7-2-C
定休/土、日、祝
営業/10:00〜18:00
TEL/03-3727-5111
FAX/03-3727-5112

バイクに限らず、クルマ・ボート・トラックなど、さまざまなジャンルをメッキの輝きで照らしだしているメッキ加工・塗装のプロフェッショナル集団。他とは違う輝きをかもしだすその仕事ぶりは、各界著名人も魅了されるほどだ。まさに「最鏡」の輝きをもたらす工房といえるだろう。(「最鏡」はNAKARAIの登録商標です)