施工依頼が増えているシートへのロゴ入れ 色合わせも含めた「こだわり」にも対応 特集記事&最新情報

施工依頼が増えているシートへのロゴ入れ 色合わせも含めた「こだわり」にも対応

掲載日:2017年01月15日 記事カテゴリ 特集記事&最新情報    

文・写真/田口勝己  取材協力/モデルクリエイトマキシ

フルレストアに際して、前後シートが張り替えられた富士重工のラビットS601スーパーフロー。運転席が黒でタンデムシートが濃青のお洒落な表皮を採用していた。このシートロゴはなかなかお目に掛かれない。

バイクを美しく仕上げるためには、外装パーツの見栄えが何よりも重要である。特に、トータルコンディションを左右するシートには「こだわり」を持ちたいものだ。ちょっとした破れや縫製のホツレが気になってしまい、表皮を張り替えてしまう例があると思うが、最近では、工場出荷時のオリジナル状況を保つために、敢えて張り替えを行わず、補修や修繕でシートを再生する例が増えている。このコーナーでも、そんな再生方法をリポートし好評を得てきた。

しかし、直しきれないものも当然にある。そんなときには、専門業者へ張り替え依頼するが、どうにも気になってしまうのが「メーカーロゴ」だろう。張り替え業者の中には、このメーカーロゴを入れてくれるところと、入れないところがあるが、こだわりのロゴ入れをしたいのならプロに委ねるのが正解である。このコーナーで様々なテクニックをご披露下さるモデルクリエイトマキシの板橋さんへも、シートのロゴ入れオーダーは比較的多いそうだ。なかには自身でロゴ入れするサンメカのために、マスキングシートだけを「作ってほしい」というリクエストも数多いそうだ。そんなロゴ入れ作業に関する注意点を伺うと「まずは純正シートをしっかり洗浄して、ロゴ色が白なのか?それとも銀色なのかをはっきり見極めたいですね。白かと思ったら銀色だったとか、本当は銀色なのに輝きが引けたときのグレーでロゴ入れしてしまったなんてお話もあります。オーナーさんが納得していれば良いのですが……」。さらに「ロゴ入れ前にしっかり脱脂洗浄して、塗料の食い付きや染み込みが良くなるように段取りしないとだめです。後々剥がれてしまい、結局はロゴ入れオーダーして下さるユーザーさんもいます。2度手間はもったいないです」とマキシさん。

今回は、富士重工のラビットS601スーパーフロー用タンデムシートへのロゴ入れ依頼があったので、そのタイミングでマキシ工房へ参上。作業の様子を撮影させて頂いた。このラビットは運転席が黒表皮なのに対し、タンデムシートは車体色に合わせた青色なのが特徴のモデル。しかし、似た色のシート表皮が無かったことから黒色表皮で張り替えられ納品されたそうだ。そこでマシンオーナーから依頼があり、表皮色の変更とロゴ入れを実践することになったのだ。

「シートの場合はハンドバッグや皮ジャンや皮ツナギの再生と違って常に擦れていますので、何年か使っているうちに色が薄くなってしまいます。耐候性を高める策としては表面にクリアのトップコートを施す方法もあります。ですが今回はタンデムシートなので、調色した染めQで仕上げました。ナノ粒子の塗膜が表皮に染み込むのでナチュラルな仕上がりになります」とマキシさん。

今回のラビット用シートを例にすると、色変え+データ製作+ロゴ入れで施工費用は税別2万2,000円(クリアのトップコートは+3,000円)。写真解説にあるスーパーカブ用タンデムシートのロゴ入れだと、データ製作7,000円+ロゴ入れ3,000円で合計1万円。マスキングシートのみはデータ製作7,000円+マスキングシートが800円からとなる(大きさによって異なる)。費用はすべて税別で、送料も別途必要だ。こだわりのロゴ入れを目指したいなら、プロのテクニックを頼りにしたいものだ。まずは相談してみることをお勧めしたい。

新車時から50数年。眠り続けていた車両なので当然ながらシートコンディションも良くなかった。サンプルの純正シート表皮をマイペットと歯ブラシでゴシゴシやったら、本来の青地が出てきた!!

タンデムシートエンドにはRABBITのロゴが入るが、ロゴもクリーニングしたら下からなんと輝きが出てきた!! 白色ロゴではなく「銀色ロゴ」が純正仕様のようだ。こんな部分もしっかり再生。

モデルクリエイトマキシは「染めQ」で知られる染めQテクノロジー社の技術ショップであり、缶スプレーではなく各種ネタ色を常備し、ユーザーニーズに応じて調色サービスを展開している。今回もラビット純正シート色を再現した。

調色を繰り返し色味の絞り込みができたら、シートボトムにマスキングの紙を張り込んで裏側のフチからペイントを開始する。当然ながら張り替え済シート表面はしっかり脱脂乾燥させておく。脱脂状況が悪いと染めQが染み込まない。

完成したタンデムシートと見本となった純正表皮。僅かな切れやほつれで表皮自体がパリパリになっていなければ、破れた部分を補修再生することもできるマキシさん。誌面展開した実績もあります。

純正表皮のブルーを再現。クリーニングできれいになった部分を参考に、新品表皮ならおそらくこんな感じだろうと経験則を加味し調色を実施。「当時の富士重工は変わった色が好きなんです」とマキシさん。

実際の作業手順をご紹介

ボロボロ寸前の純正シートロゴ部分を複合機でスキャニング。「ボロ部品でもデータがあれば、可能な限り忠実に再現するように努力してます」とはマキシ板橋さん。

イラストレータソフトを立ち上げてスキャンデータや画像データを取り込み、ひと文字ずつ新規で起していく。似たフォントを探してベースにして、そのフォントを加工する。

ひと文字ずつ起し終えたら、そのままカッティングプロッターでマスキングテープを作るのではなく、純正シートロゴの文字間隔を実測してそのデータを反映し文字並びを整える。

カッティングプロッターで切り抜いたら、ステッカー作りとは逆の文字エリアを剥がしてマスキングテープにする。このテープはシート表皮の凸凹にも比較的追従しやすいのが特徴だ。

富士重工純正色を模して塗ったシート表皮エンドにマスキングシートを貼り込み、周辺は養生テープを使って銀色染めQが飛び散らないようにする。吹きつけは数回に分けて行った。

マスキングテープを剥がすとこんな感じの仕上がりに!! 全体に塗った青色そめQの食い付きが悪いとマスキングテープ剥がしと同時に青色が剥がれてしまうものだが、さすがに大丈夫だった。

70年代の楕円シートロゴ

70年代後半から80年代初頭に採用された楕円枠付きHONDAロゴを再現。スーパーカブの脱着式タンデムシートには楕円枠が無いので、枠ありシート車にタンデムシートを取り付けると今イチカッコ悪い。これでいい感じになった!!

モデルクリエイトマキシ主宰
板橋儀典さん
富士重工の矢島工場内には歴代スバルやラビットの展示館、ビジターセンターがある。展示されているラビットやハリケーンなど、二輪車のレストア作業にも携わったマキシ板橋さん。「スバルは変わった色が好きですよね~。ビジターセンターのラビットも、変わった色で塗りましたね」とお話し下さった。





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