思わぬところに落とし穴!?スパークプラグが吹っ飛び最悪の2015年末

掲載日:2017年02月04日 特集記事&最新情報    

写真・文/モトメンテナンス編集部

エンジン始動時の電気的トラブルシューティング「入門編」

思わぬところに落とし穴!?
スパークプラグが吹っ飛び最悪の2015年末

トラブル内容が明確で、部品交換するだけで修復可能な状況であれば、メンテナンス初心者にとっても比較的容易なのが電気部品の交換作業かも知れない。ここでは昨年末に実際にあった忌々しきトラブルの解決リポートに触れましょう。

 

「電気は見えないからね~」の合い言葉が今なお飛び交っているサンデーメカニックシーン。電気の流れは目視できないが、テスターを使って配線を辿れば導通確認はできるし、コードだって色分けされているから難しいこともない。各モデルの電装回路図がゴチャゴチャしていて見にくいのが「電気は面倒」と言われる理由なのかも知れない。「分かりやすくなるように」と、各メーカーが独自の見せ方で回路図を作っていた時代もあったが、その個性が逆にハードルとなっていたケースも過去にはあった。充電系、点火系、制御系(補器類)の回路をセパレートに解説した簡略回路が各項に記載されているが、この簡略回路がわかりやすいので、電装回路図の近所に再度掲載されれば、サービスマニュアルの実用度はこれまで以上に良くなるような気がしている。いかがでしょう?

この正月休みの前半、仕事納めをした翌日に過去最悪なクルマトラブルが発生した。愛車は初年度登録が平成11年のグランドハイエース。アルファードが登場する以前はトヨタ最強かつ最高峰のミニバンだった。この中古のグランポ号はハズレらしく、購入直後にはインテグレーションリレーなる補器類をコントロールする電装パーツがパンク。様々な機器が作動しなくなり、継続車検を取得できないレベルに陥ってしまった。このあたりの修理や部品交換は、僕には難しいし、正直、やる気になれない。バイク仲間の「自動車の電気屋さん」にリレーユニットASSY交換していただくことになり、数時間後には復旧。そんなハズレ車だが、今度は走行中に突然、スパークプラグが吹っ飛んでしまった。

おそらくプラグが緩んで排気漏れしていたのだろうが、それに絶えきれずドーン!! バンバンバンッと大型トラックの改造車以上の大騒音。プラグのネジ山修理には往生したが、取り敢えず走るようにするための電気部品探しが少々大変だった。でも、電気部品は「理屈がわかれば流用できる」というのが僕の持論。それを自ら実証してみようと考えた。まぁ、正月休みに入ったばかりなのでトヨタ純正部品が納品されるには何日も必要だろうしね……。

応急処置で使えそうな部品が無いものか? 部品箱の中を探していたときに見つけたのがASウオタニ製ハイパワーコイルのマルチエンジン用。ボルト1本とタイラップのグルグル巻きでコイルを暫定的に固定し、純正カプラに刺さっていた2本の配線の一次側と信号側をテスターで確認後にギボシ結線。ハイテンコードは友人が持っていたストレートキャップの永井電子製ウルトラコードを頂戴し、いざエンジンスタート!! どうだ!?

驚きましたね~、何事も無かったかのような絶好調!! 電気部品の実装なんて、こんなものなのかも知れませんね。エンジン車載状態でのプラグ穴の修理詳細は、フェイスブックをご覧下さい。きっと楽しめると思いますよ~♪(田口勝己)

エアークリーナーやインレットパイプを取り外し患部にアクセスしやすい状態にしてからスパークプラグのネジ山を修理。クルマ買い換え覚悟で作業した。詳細はモトメンテFacebookを見てね!!

緩んだスパークプラグが吹っ飛んだ影響で純正ダイレクトイグニッションコイルがズタズタ!! コイル本体は生きていたので反対側のシリンダー分は火花が飛んでいた。しかしネジ山が……。

ASウオタニ製マルチコイルをダイレクトイグニッション代わりに取り付け、永井電子のウルトラコードとプラグキャップを流用。キャップ部に樹脂パイプを追加して押し込めるように。

本来、トヨタ純正コイルはこんなカタチだったが、それが上のようにズタズタに。正月休みが明けてから納品されたので、1週間はウオタニコイルで走行&大活躍。絶好調でした!!

◎モトメンテナンス編集長
田口勝己 Katsumi TAGUCH
電気部品の働きと基本回路を覚えたことで、今回のような緊急時でもタダでは起き上がらない!? 部品探しに2日、修理に1日で、何とか年末大晦日にグランポ号を復活させた。来春の車検時までには次の候補車を決めたいですが先立つものが……。2輪と4輪の価値観がまったく違う1962年生まれ。

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