“男カワサキ”だけど女子にもモテモテ!?
ニンジャ1000のパニアケース付きは、過激だけど優しいんです!
掲載日/2018年9月21日
取材協力/カワサキモータースジャパン
モデル/常深史織
写真/山内潤也
文/田宮 徹
構成/バイクブロス・マガジンズ
最高出力141馬力というフルパワースペックのまま、2017年モデルで日本国内販売も開始されたカワサキのニンジャ1000。じつはこのバイク、イカついスタイルとは裏腹にイージーライドできる要素をたくさん備えています。今回はそんなニンジャ1000の魅力を、可憐なバイク女子が実走検証していきます!

パニアケースの装着でもっと広がる!!
スポーツツアラー ニンジャ1000の魅力

ニンジャ1000が持つ本当の性格を暴くために選ばれたライダーは、モデルやレポーターなどでマルチに活躍する常深史織さん。まだ23歳で身長160cmというスペックだけ見ると、バイクとの関わりなんてまったくなさそうに思えますが、じつは彼女、16歳で普通二輪免許を取得してニンジャ250を乗り回し、現在は大型二輪免許も所持しているバイク女子なのです。そんな史織さんの、ニンジャ1000に対する第一印象は?

「やっぱり、自分のニンジャ250と比べてだいぶ大きく感じますね。今回は純正アクセサリーのパニアケースが装着されているから、かなりの迫力ボディです。これをちゃんと操れていたら、それだけでカッコよく見えちゃいそう。あと、やっぱり“ニンジャ”はシャープな目つきの2眼ヘッドライトが特徴だと思うんですけど、それがこの1000にも受け継がれていてうれしいです!」

なんて、早速ニンジャ1000にまたがった史織さん。ニンジャ1000のシート高は815mmに設定されていて、排気量1,043cc水冷並列4気筒DOHC4バルブエンジンをアルミ製フレームに搭載した車体は、パニアケースを装着していないストック状態で車両重量235kgとなっています。

同じスポーツツアラーに属する、ニンジャH2 SX(シート高820mm/車両重量256kg)やニンジャZX-14R(シート高800mm/車両重量269kg)と比べて、車重は抑えられていますが、身長160cmの華奢な史織さんが乗るには、かなりの巨漢です……。

「さすがに私の場合、両足で支えようとするとつま先が辛うじて接地する状態なので、両足で支えるのは厳しいですね。でもそこは割り切って、少しお尻をシートの中心からずらして片足でしっかり支えるようにすれば、私でも停車していられます」

試乗時のリアサスペンションは、プリロード設定が標準仕様のまま。体重が軽い史織さんに合わせてプリロードを緩めれば、もう少し足着き性もよくなるはずです。

「でもバイクは、やっぱり走っているときの性能や扱いやすさが一番大切ですから。その点ではニンジャ1000に驚かされました。私は手がとても小さいので、レバー類はもっとも近い位置に調整したのですが、クラッチレバーがすごく近くてしかも軽く、スッと走りだすことができました」

ニンジャ1000のクラッチレバーは、6段階の位置調整が可能。アシスト&スリッパークラッチを標準装備しているので、レバー操作に必要な力も少なめです。さらに、グリップも細めの仕様となっているので、手が小さいライダーや厚手のウインターグローブを装着した状態でも操作しやすいのです。

加えてエンジンは、ピークパワーが141馬力もあるのに、2,000回転くらいでも問題なく常用できるくらい低中回転域トルクがモリモリ。史織さんが、いきなり乗ってパッとスムーズに走りだせたのも納得です。

「動きだしてしまえば、重さが気になることはまったくありません。むしろ、頼もしい安定感で余裕のあるツーリングが楽しめます。本当はスゴい速く走れるバイクのはずだけど、ちゃんと私のペースにも合わせてくれるというのが、コワモテだけどフレンドリーな感じで、なんかカッコいいですよね!?」

ニンジャ1000は、ライダーが意図した走りを実現しながら安全性を高めるため、じつはその裏で極めて繊細な電子制御が働いています。その核となるのがIMU(慣性計測装置)というもの。これは、車体の前後/左右/上下の角度と加速度を計測する装置で、得られたデータはさまざまな電子デバイスの制御に活用されます。

KTRC(カワサキトラクションコントロール)は、3モード+オフに任意設定可能で、IMUからのフィードバックによってさらに緻密な制御が実現されています。そしてKIBS(カワサキインテリジェントアンチロックブレーキシステム)も同様にIMUからの情報が制御に生かされていて、コーナリング中にブレーキングしても車体が急激に起き上がらないコーナーブレーキコントロール機能を実現しています。

さらに、エンジンパワーモードはフルパワーに加えて約70%の出力になるローパワーを選択可能。今回、試乗コースには砂が浮いた滑りやすいシーサイドラインが含まれていましたが、そんな場所でも史織さんが余裕でニンジャ1000を操れたのは、電子制御の恩恵も大きいのです!

「それにしても、私にとってニンジャというブランドは、どちらかと言えばスポーツに近い存在だったので、こういうツアラー寄りのニンジャもあるんだ、って驚きました。でもこのニンジャ1000も、アクセサリーのパニアケースを取り外すだけで、すぐにスポーツ仕様になりますよね。“一粒で二度おいしい”って、このこと? まったく世代が違う流行語ですが……」

「ちょっとしたツーリングでも女子は荷物が多くなりがちで、お泊りツーリングともなれば、化粧品にタオルに民宿泊ならドライヤーに……なんてことになりかねません。でもこの大きなパニアケースがあれば、“どうやって持っていくんだ問題”は一発クリア。逆に既婚男性なら、パニアケースにお土産を詰め込んで帰ることで、奥様のご機嫌取りもバッチリでしょうから、そう考えるとパニアケースは魔法の箱ですね!」

ニンジャ1000にオプション設定されているパニアケースは、左右セットで9万7,200円。装着には別途でバッグフィッティングキット(2,239円)が必要となり、ボディ同色のパニアケースカバー(左右セットで1万6,200円)やパニアケースストライプ(同5,184円)、メインキーと同じカギでロック操作ができるようになるワンキーシステム(4,588円)は別売となっています。

でも、ニンジャ1000はメーカー希望小売価格が127万4,400円と、4気筒エンジンを搭載したこの時代のフルカウルスポーツとしては比較的ありがたい価格設定なので、新車購入時に思い切ってパニアケースも入手しちゃいたいところです。ちなみにこのパニアケース、標準的なサイズのフルフェイスヘルメットも収まる大容量です(片側最大28L)! ※表示価格はすべて税込

「カワサキって、なんかもうそれだけで硬派なイメージで、カッコよく見えちゃうと思うんです。ニンジャ1000も、ダークな場所がよく似合います。でも乗ると気難しさはなくて、私にだって操れます。クールに決めているのに、じつは電子制御にも助けられてライダーは楽にコントロールしている。これって、なんかお得じゃないですか?」