グループツーリングでの会話はもちろん、スマホとつないで通話や音楽を楽しんだり、ナビの音声を聞いたりと、今やバイクライフに欠かせない存在となったインカム。数あるブランドの中でもライダーの厚い信頼を得ているのがセルラーラインのインターフォンだ。今回紹介するモデル「ツアー」は、最新ラインナップであるピープルシリーズの中でも最高のスペックを誇るモデル。にもかかわらず、操作が簡単で、誰にでも気軽に扱えるのが大きな特徴だ。
インカム同士のペアリングというと面倒、というイメージを持っている人がいるかもしれない。ところがこのモデルは電源を切った状態でインカムを並べ一台のボタンを長押しするだけで自動的にペアリングが完了する。また、スマホやBMW純正の「NAVIGATOR Ⅴ」やユピテル社製のナビとも簡単に接続でき、動作確認済みとなっている。音楽やナビの音声を聞くのも簡単、というわけだ。
BMW純正ナビとつながる/BMWの純正ナビ「NAVIGATORⅤ」をはじめ、ユピテル社のナビともペアリング&動作確認済み。ソングシェアリング機能により、タンデムしている人もナビの音声を聞くことが可能なため、より便利で安全なライディングを楽しめる。
外観はやや大きめの印象。しかしこの大きさがまた絶妙なのだ。本体表側には電話、音楽、FMラジオ、インターコム通話という機能別に振り分けられたボタンがあり、それぞれ使いたい機能が一発で選択できるようになっている。ボタン自体が大きいので機能のアイコンがわかりやすいのはもちろん、ヘルメットをかぶり、厚手のグローブをして操作をしても、×印状のガイドで仕切られているため、指がどのボタンを押しているかがとてもわかりやすく、迷わない設計となっている。また、本体上下には音量+-ボタンやUP/DOWNの選択ボタンがあるが、こちらも大きく押しやすいのが便利。
大きく押しやすいボタン/本体のボタンはインカム通話や電話、FMラジオ、音楽など機能別に分かれているため、使いたい機能を一発で呼び出すことが可能。×印型のガイドがあるので手袋をしていてもわかりやすい。
通話に関しても高性能だ。通信距離は最大で1,500mと圧倒的。交通量や建物などの影響で多少短くなることはあっても、これだけパワフルならば実用上は全く問題ないレベル。マイクは風切り音を拾いにくく作られており、本体には風切り音の除去機能が付いている。また走行状況に応じて自動的に音量を調節してくれる機能が付いているため、シティランから高速道路まで、快適に通話ができる。通話品質に関しても、従来モデルより自然な音声となっているため、耳からくる疲労もグッと少なくなるはずだ。アプリ(iOS又はAndroid OS)も最近リリースになり、より便利になった。
これだけ高性能なのに、連続通話、音楽再生時間は最大20時間という省電力、そしてバッテリーが切れても1時間の充電で80%まで回復するという急速充電機能もあるから、早朝から夜まで走り回る日帰りツーリングはもちろん、泊りがけのツーリングでも余裕をもって使える。インターフォンの「ツアー」は、バイクライフの楽しみを簡単に、より広げてくれるツールとして見逃せないアイテムといえるだろう。
ちょっと大きめで武骨な雰囲気を持つインターフォンの「ツアー」。しかし、本体はもちろん、各種の付属品も使い勝手がよく、通話品質も高い。もちろん機能も盛りだくさんだ。以下で細かいディテールを見てみよう。