GPz900R(A2~A6) /デビュー後5年で確立された900ニンジャの「色気」

掲載日:2017年04月26日 雑誌掲載記事ピックアップ    

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部  画像提供/ロードライダー編集部

GPz900R(A2~A6)  /デビュー後5年で確立された900ニンジャの「色気」
GPz900R(A2/ライムグリーン×ポーラホライト)/1985年型から北米仕様、欧州仕様に続いてオーストラリア仕様が追加された。またライムグリーンカラーが南アフリカ仕様に設定されている。

毎年のカラー変更で5年間継続販売
カワサキの旗艦はリッタークラスの派生モデルへ

1984年にデビューしたGPz900Rにより最速の座を手に入れたカワサキは、その後、ライバルたちから更なるリードを獲得するべくGPZ1000RXやZX-10といったリッタークラスのNinjaシリーズを次々と派生させていった。

こうしたメーカー間の出力競争・最高速競争を横目に、GPz900Rは世界最速マシンとして開発された優れた基本性能とセンセーショナルなデビューにより得た名声によって、ストリートビッグバイクの定番モデルという立ち位置を確立。限定的なアップデートのみ施されながら、デビューから5年間に渡ってカラー変更による継続販売が続けられた。そして、この5年間で登場したグラフィックこそが、その後もニンジャ900らしいデザインとして人気を集めるグラフィックパターンとなっていく。

1985年のA2ではライムグリーンのモデルが登場。これは、78~83年のカワサキのGPライダーであるコーク・バリントンの出身国である南アフリカ仕様として設定された。その翌年の86年には車体に書かれている「GPZ」の「Z」が大文字に変更されている(なおエンジン側面の型式表示は「GPz」のまま)。さらに、88年には黒/赤、89年には黒/金といった、その後も多くのライダーが900ニンジャをイメージする代表的なカラーグラフィックが発表された。

デビューモデルであるGPz900RのA1から最終型のA16まで続くニンジャ900の歴史の中で、89年発売のA6までがフロント16インチモデルの「前期型」に分類される。そしてこの前期型は、ニンジャ900に華やかなイメージをもたらしたモデル群でもあったのだ。

GPz900R(A2~A6)  /デビュー後5年で確立された900ニンジャの「色気」

1986年GPZ900R(A3)/A3では車体に書かれるGPZの「Z」が大文字となり、ヘッド周りのオイルライン径とクランクケーススタッド径拡大を行った。欧州仕様ではスイングアーム前半の補強状プレートがなくなった。

GPz900R(A2~A6)  /デビュー後5年で確立された900ニンジャの「色気」

1987年GPZ900R(A4)/前年の新旗艦GPZ100RX登場によって北米仕様はA3で終了するが、他仕様はA4でも継続。変更はカラーとパターンで、A3で変更されたフォークボトム(黒→銀)/フロントキャリパー(グレー→銀)の色も継続。

GPz900R(A2~A6)  /デビュー後5年で確立された900ニンジャの「色気」

1988年GPZ900R(A5)/A5では小改良が行われた。フロントの280mm径ディスクがGPZ1000RXと共用となってホール数50→80個、肉抜きも増やす。カムチェーンテンショナー/チェーンガイドの材質等も変えられた。

GPz900R(A2~A6)  /デビュー後5年で確立された900ニンジャの「色気」

1989年GPZ900R(A6)/いわゆる前期型=フロントの16インチの最終型となるA6。CVK34キャブレター自体は継続されるが燃料の霧化特性の向上と安定化のために、冷却水をキャブ周辺に回す方式のキャブヒーターを採用した。

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