リモコン&アラームを装備した新世代のハードケース
    取材協力/ユーロダイレクト  取材・撮影・文/野岸“ねぎ”泰之 構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
    掲載日:2012年4月25日

ハードケースの新星『 COOCASE 』の魅力に迫る!

ツーリングユースを中心に、最近ではシティユースでもよく見かけるようになったハードケース。バイクにトランクスペースを生み出すという利便性のほか、防水、防犯面などでも有利なハードケース界に、注目の商品が登場した。それが『 COOCASE 』(クーケース)だ。リモコンロック&アラーム内蔵という、今までになかった機能を持つこの新世代ハードケースの実力はどれほどのものなのか。人気モデルである「 S48 ASTRA Spec-F II 」を例にとって、その魅力を徹底解剖してみよう。

便利なリモコンと
安心の内蔵アラーム

COOCASEシリーズの特徴であり魅力でもあるのが、リモコンロック『 iLOC 』システムを装備している点だ。クルマのリモコンロックを想像してもらえばわかりやすいが、別体式のリモコンスイッチをプッシュするだけで、ケースのトップカバーのロック/アンロックが可能なのだ。

 

このリモコン、使ってみるとその便利さは想像以上で、一度体験すると手放せない、と感じるぐらい重宝する。たとえば買い物をして荷物を持っていたとしても、従来ならキーを探してシリンダーに差し込み、回すという手間が必要だったものが、リモコンだとワンプッシュで済んでしまう。さらにリモコンが威力を発揮するのが、暖気中などエンジンがかかっている際の荷物の出し入れだ。バイクのメインキーとハードケースのキーをひとつの鍵束としてまとめていた場合、従来ならエンジンを一旦止めてキーの束を抜く必要があった。しかし、10m近く離れても操作が可能なこのリモコンなら、メインキーをオフにすることなく、ケースのロックと解除が可能なのだ。やってみるとわかるが、ちょっとした忘れ物を出し入れしたりするにも、これがかなり便利なのである。リモコンでロック/アンロックをした際には「ピッ」と電子音が鳴り、操作が確実に行われたことを知らせてくれる。まるでクルマのような音と動作は周囲から注目されることも多く、実用性と共に、オーナーとしての所有欲を満たしてくれるギミックでもある。

 

COOCASE独自の機能として、もうひとつ特徴的なのが、盗難防止用のアラームを内蔵している点だ。セットはリモコンのボタンを長押しするだけと簡単で、完了するとブレーキランプ兼用のLEDが点滅し、警戒中であることをアピール。振動や衝撃を感知すると、鋭いアラーム音が鳴り響くしくみだ。ちなみに、ケース内部に充電池を内蔵しており、無理やりケースを外して持ち去っても、アラーム音が鳴り続けるようになっている。センサーの感度は5段階に調節が可能で、ケースだけでなく、愛車の盗難防止装置としてももちろん有効。COOCASEなら、他のハードケースでは得られない「安心感」もついてくるというわけだ。

ASTRAの容量は48L。ハンドル幅より狭く、街中でのすり抜け時も不安はない

ASTRAの容量は48L。ハンドル幅より狭く、街中でのすり抜け時も不安はない

リモコンはスタイリッシュで高級感がある。ボタンはグローブをしたままでも押しやすい

リモコンはスタイリッシュで高級感がある。ボタンはグローブをしたままでも押しやすい

もちろんマニュアルキーも付属。リモコンを使わずにロック/アンロックが可能だ

もちろんマニュアルキーも付属。リモコンを使わずにロック/アンロックが可能だ

アラームをセットすると、LEDランプが点滅して警戒中であることを周囲に知らせる

アラームをセットすると、LEDランプが点滅して警戒中であることを周囲に知らせる

基本を押さえた造りと
豊富なカラーバリエーション

COOCASEの特徴はリモコンやアラームだけではない。当然のことながらハードケースとしての基本がしっかりしているのも、大きな魅力となっている。

 

ヒンジ部にはゆがみの少ない強化ヒンジを採用し、スムーズな開閉を実現。また、トップカバーをフルオープン状態でキープするサイドアームを装備。これは荷物の出し入れをする際に非常に便利で、一気にバタンと閉まることがないようラチェット構造になっているため、指を挟む心配もない。

鮮やかなカラーはCOOCASEの魅力のひとつ。街中はもちろんツーリング時にも映える

鮮やかなカラーはCOOCASEの魅力のひとつ。街中はもちろんツーリング時にも映える

ケース内部には、走行中の振動を軽減するウレタン製のインナーライナーを上下に装備。一般的なハードケースは下部のみにライナーを配するものが多いが、COOCASEは上部にもライナーを備え、荷物に優しい構造だ。さらにケースの合わせ目部分には、防水性と防塵性を高めるウレタン製のウェザーストリップを装備するなど、ライダーの気持ちをグッととらえる、細かい配慮が行き届いた造りになっている。

 

また、メタリックオレンジやメタリックブルーをはじめとする、鮮やかなカラーバリエーションを揃えているのも、COOCASEならではの特色といえる。従来のハードケースは黒やシルバーが中心で、派手目な色といってもせいぜい赤ぐらいだったことを思うと、マシンに合わせたカラーコーディネートの幅も広がった。豊富なサイズ展開や、リーズナブルなベーシックグレードも用意されていることも合わせて、それぞれの好みに応じたチョイスが可能なのはうれしい限りだ。

 

ケースの上下ともにウレタンのインナーライニングを配し、荷物の傷つきを防止

ケースの上下ともにウレタンのインナーライニングを配し、荷物の傷つきを防止

トップカバーを全開のままに保持できるサイドアームは、指の挟みこみ防止にも役立つ

トップカバーを全開のままに保持できるサイドアームは、指の挟みこみ防止にも役立つ

容量48LのASTRAには、フルフェイスヘルメットが2つ入る。余裕の収納力といえる

容量48LのASTRAには、フルフェイスヘルメットが2つ入る。余裕の収納力といえる

マシンからの電源供給で
多くの機能を実現

COOCASEはバイクの車体から電源を取る構造になっている。ベースプレートの端子接点から供給される電源によって、アラームの内蔵電池を充電するほか、多くのメリットを生み出している。

 

まず挙げられるのは、マシンのブレーキランプに連動した、LEDストップランプを装備していること。通常のブレーキランプに加えてハイマウントのストップランプを有することになり、後続車からの視認性が向上し、追突事故の防止に大きな効果を発揮する。また、トップカバーにはLEDランプを装備。ケース内の照明として、夜間の荷物の出し入れ時にはとてもありがたい機能だ。さらに、ケース下部のユニットには電源供給ソケットを装備し、DC12Vの電源を取り出すことができる。近い将来、携帯電話やスマートフォンなどに対応した各種アダプターのオプションも発売が予定されており、風雨や埃を気にすることなく、デジタルグッズの充電が手軽に行えることになる。

 

従来のハードケースの概念を覆す数々の新機能とクオリティの高さ、その両方をクリアしながら手ごろな価格を実現したCOOCASEは、まさにライダーにとって理想のハードケースといえるだろう。新しい時代の幕開けを予感させるこのケース、今後は路上で見かける機会が多くなるに違いない。

ブレーキランプと連動可能なLEDストップランプは、夜見ると相当明るく視認性が高い

ブレーキランプと連動可能なLEDストップランプは、夜見ると相当明るく視認性が高い

トップカバーのユニットに設置されたLEDランプ。ちょっとした便利装備がうれしい

トップカバーのユニットに設置されたLEDランプ。ちょっとした便利装備がうれしい

 

電源ユニットからは、DC12Vを取り出せる仕様。将来に向けての拡張性も十分だ

電源ユニットからは、DC12Vを取り出せる仕様。将来に向けての拡張性も十分だ

ベースプレートの後端に電源端子を配置。ケースのツメを合わせて押し込めば、プレートとケースは簡単、確実にセットされる

ベースプレートの後端に電源端子を配置。ケースのツメを合わせて押し込めば、プレートとケースは簡単、確実にセットされる

ケースを使わない時は、ベースプレートの端子に付属のゴムカバーをかぶせておく

ケースを使わない時は、ベースプレートの端子に付属のゴムカバーをかぶせておく

取り付けはとっても簡単!

COOCASEは純正、または市販のキャリアが付く車両なら使用が可能。取り付けは、付属のウェーブプレートを使ってベースプレートをロックナットで固定するだけ。付属のプレートで対応できない場合は、オプションでアタッチメントも用意されている。電源の配線も、常時電源とアース線に加え、ブレーキランプの+線から取るだけと非常に簡単だ。

付属品一覧。ベースプレートはネジ止めが終わったら化粧カバーをかぶせるしくみだ

付属品一覧。ベースプレートはネジ止めが終わったら化粧カバーをかぶせるしくみだ

ベースプレートは格子状になっており、キャリアに固定する際の位置関係を調整しやすい

ベースプレートは格子状になっており、キャリアに固定する際の位置関係を調整しやすい

電源コードをスマートに這わせるため、格子には切欠きが設けてある。なかなか芸が細かい

電源コードをスマートに這わせるため、格子には切欠きが設けてある。なかなか芸が細かい

電源コードは常時電源のプラスと、車体アースのマイナス、ブレーキランプから取る黄色の3本のみだ

電源コードは常時電源のプラスと、車体アースのマイナス、ブレーキランプから取る黄色の3本のみだ