中古バイク探しに安心の「品質評価」制度を学ぶ
中古のバイクを買う際に、誰もが不安に思うのが、「このバイク、ちゃんと整備されているのかな?」とか、「価格に見合った品質なのかな?」という点だろう。その点、自動車公正取引協議会の会員店で二輪品質評価者のいる店なら、ルールに基づく公正な基準で中古バイクの品質を査定・評価しているので安心だ。では加盟店ではどんな流れで査定・評価が行われているのだろう? 実際に店舗にお邪魔して、その様子を見せてもらった。
中古バイク探しには安心の
「品質評価」制度

今回訪れたのは、東京・板橋にあるホンダキャピタルオート。一般社団法人自動車公正取引協議会(以下、公取協)の会員店であり、二輪品質評価者在籍店だ。対応してくれたのは、自らも二輪品質評価者の資格を持つ、代表取締役の足立幸司さん。

 

「店頭で中古バイクとして販売されるマシンの仕入れは、大きく分けてオークションと下取りなどでお客さんから買い取ったものの2通りがあります。バイク店にしてみれば大事な商品を仕入れることになるわけで、まずはここで品質の悪いものは除外されるわけです」。

 

なるほど、魚屋さんがなるべく活きのいい魚を仕入れるのと同様、バイク店も品質のいいマシンを仕入れる方が、店にもお客さんにもいいはずだ。とはいえ、中古バイクのコンディションは一台一台違うもの。外から見ただけではわからないことも多いはず。

 

「そこで、二輪品質評価者によってそのマシンの現状を正確に把握する“品質査定”と、その結果に基づいた“品質評価”を行います」と足立さん。この査定と評価が行えるのは、公取協による講習会を受講し、定められた技術と知識を有する“二輪品質評価者”の資格を持った人のみ。これによって、加盟店ならどこでも、共通の基準によって中古バイクの評価が行われていることで、ユーザーにとっても安心と言えるのだ。

バイクの楽しみ方は十人十色だが、愛車がトラブル続きでは楽しむこともままならない。「品質評価」制度は、信頼できる愛車とめぐり合うために知っておきたい制度なのだ

公取協会員店で実施されている
中古車の点検・整備、そして査定と評価

では中古車として入庫したバイクは、どんな流れを経て店頭に並ぶのだろうか。その作業を実際に見せてもらうことにした。

 

「まずはそのマシンの現状を正しく知る“品質査定”作業ですね」と足立さん。マシンは必ずエンジンをかけ、音を聞いてメカノイズなどをチェック。エンジンに不具合があれば、この時点でプロにはだいたいわかるとか。次に外装や足回りのガタつきなど、外から見てわかる部分をチェック。その後、必要に応じてタンクやカウルなどを外してストリップ状態にして、フレームや電装系、キャブレターなど、外見からではわからない部分を見ていく。その際には、公取協の定める“品質評価(品質査定)基準表”にしたがってチェックを進めていくのだという。

 

評価項目は大きく分けて「エンジン」「足回り」「電気・保安」「車体」「外装」の5項目からなり、さらに計22の小項目に分類されている。それぞれの項目で「良好」か「要整備」に分かれ、良好の場合は整備済みなのかそのままでいい状態なのかが明記され、整備が必要な場合は調整が必要なのか、修理が必要なのか、分解や交換が必要なのか、に分かれる。

 

「店に入ってきた時には品質査定ということで、まずはどんな状態なのかをチェックして、表に記入します。お客様からの下取りや買取り車の場合は、これが買い取り価格の基となる品質査定書になります。お店に商品として出す場合には、ここから整備や修理を行い、その後この表を再チェックしたものが、品質評価書となるわけです」と足立さんは説明してくれた。

品質評価書はバイクのカルテ
お客様と店をつなぐツールでもある

品質評価書は、そのバイクが今どういう状態にあるのかを示す、いわばカルテみたいなものと言えるでしょう。実際の品質評価(品質査定)基準表ではバイクの状態を細かく記入してあるのですが、プライスカードの限られたスペースで表示している品質評価書ではすべてのことを記載できていません。ですから、このプライスカードに書かれた評価書をきっかけにして、「どこまでが保証範囲なの」とか「支払い総額(乗り出し価格)には何が含まれるのか」「『現状』って書いてあるけど、タイヤは交換してもらえるのか」など、疑問に思ったことは気兼ねなくスタッフに質問していただければと思います。それによって、納車時に「タイヤが新品になると思っていたのに!」といったトラブルなどを事前に回避できるのです。そういう意味では「品質評価書」は、お客さまと我々をつなぐコミュニケーションツールでもあると感じています。(談)

足立幸司さん

有限会社ホンダキャピタルオート代表取締役

定められたルールにのっとった
的確な現状の表示と評価で安心

品質評価基準表のサンプルを見てもらえばわかるとおり、バイクの各部が的確に分類され、それに対する評価も、簡潔で分かりやすいものとなっている。

 

「この表に書き込める、つまり品質査定や品質評価を実施できるのは、公取協の二輪品質評価者講習会に出席して、定められたバイクのチェック方法や評価方法を習得し、資格を取得した者だけなんですよ。その資格も、3年に一度講習を受けないと失効してしまうので、我々販売店としても、“一度資格を取ったから大丈夫”というものではないんです。常に評価スキルを維持するために努力しているんですよ」と足立さんは言う。

 

品質査定、品質評価ともに、それぞれの評価項目の状態により、客観的に点数を算出する仕組みで、それによって総合評価を行い、下取り価格や販売価格の算出根拠となっている。なるほど、これなら下取りのお客さんにも納得してもらえるし、バイクを買い求めるお客さんにもわかりやすい。

 

こうして公平・公正に品質を査定、評価されたバイクには、店頭に並べられる際に“品質評価書”が掲示される。多くの店舗の場合、プライスカードと一体になったものが一般的で、エンジン、足回り、電気・保安、車体、外装という5つの項目について、良好なのか整備が必要なのか、必要な場合はどの場所なのかに加え、特記事項として“タイヤ交換済み”とか“フェンダーレス”といった、個別の注意事項やカスタマイズ箇所が記載されている。これを見れば、このマシンがどういう状態にあるのかが、わかりやすくハッキリと表示されているのだ。もし、見てわからない項目や疑問点があった場合には、気軽にお店の人に尋ねてみるといいだろう。丁寧に教えてくれるはずだ。

いいバイク選びは、いいショップ選びから
公取協のWEBでは会員店の検索も可能

中古バイクを買い求める人にとっては、そのマシンの状態を正確に、わかりやすく教えてくれる存在なのが、品質評価書だ。販売店にとっても、お客さんにそのバイクの現状を伝えるツールであるとともに、安心で信頼できる店の証しでもある。

 

公取協では現在、加盟店に向けて品質評価書の普及活動を進めている。また、より着実にルールを守り、努力を重ねている店をわかりやすく表示する仕組みも検討中だという。

 

失敗しないバイク選びは、まずいいショップを選ぶことから始まる。バイクを買おうかな、と思い立ったら、まずはWEBで公取協の会員店を検索することから始めてみてはいかがだろう。

こちらの「二輪品質評価者在籍店」「自動車公正取引協議会会員店」のステッカーが、いいショップ探しの目印となる。なお、公取協の サイトから店舗検索 も可能だ

取材協力店

有限会社ホンダキャピタルオート

住所/東京都板橋区高島平1-84-1
TEL/03-3550-0570
営業時間/9:00~19:00
定休日/火曜日
WEB/http://www.hondacapital.co.jp/

戦後まもなく、都内で自転車メーカーとして創業。その後自転車店を経てバイク販売店となった老舗。店頭には毎朝スタッフが一台ずつていねいに点検し、磨き上げたバイクがズラリと並ぶ。ホンダをはじめ、他の国産メーカーやトライク、レンタルバイクなども扱い、幅広いバイクの楽しみを提供している。

失敗しないバイク選び 中古バイクの品質をチェック
バイク選びは「お店選び」から

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