キムコ AK550 長期インプレvol.03【ツーリング・快適性能編】

掲載日:2018年01月29日 トピックス    

車両協力/キムコジャパン  取材・写真・文/西野 鉄兵、『アウトライダー』編集部

1日の走行距離が延びるほどに真価を発揮する快適なスポーツスクーター

キムコ AK550 長期インプレvol.03【ツーリング・快適性能編】

どのバイクでも、ユーザーそれぞれの使い方がある。だから「このバイクにはこう乗るんだ!」なんて乱暴なことは言わない。だけど、もしこのバイクの購入を検討するなら「こんな使い方をする人にはうってつけです」ということはお伝えしたい。

■ツーリングを快適に楽しみたい。できるだけ遠くへ行ったり、1日で500km以上走ったり、数日で北海道や九州にも行きたい。

■街乗りもできて便利に普段使いもしたい。所有バイクは1台にしたい。

AK550としばらく生活して感じたのは、1日の走行距離が延びるほどに楽しくなるということだ。もちろん、通勤など街乗りもできるけど、スポーツツーリングバイクとして開発されたのだろう、という思いが日に日に強くなる。

キムコ AK550 長期インプレvol.03【ツーリング・快適性能編】

その理由として、ひとつは高速道路を走るのがすこぶる快適だということ。ホイールベースが長いビッグスクーターならではの直進安定性と充分過ぎるパワー、風を上手く流すロングスクリーン、快適なシートとポジション、心地良い鼓動感。

高速道路を走っているとまるでオープンカーに乗っているかのような楽さ。それでいて爽快感の高さはバイクならでは。

今回は部分ごとに、その快適性を細かく紐解き、ツーリングで役立つ装備を解説していこう。

ニュートラルなポジションと座り心地の良いシート

キムコ AK550 長期インプレvol.03【ツーリング・快適性能編】

ポジションがニュートラルだということがロングツーリングでは大きなサポートになる。AK550は足つき性こそやや不安があるものの、走り出してしまえば椅子に座ってハンドルに手を添えているようなもの。無理なく自然な体勢でいられるので、長距離走行が苦痛にならない。

キムコ AK550 長期インプレvol.03【ツーリング・快適性能編】

ハンドル形状はやや内向きで、肘は張ることもなければ大きく曲げる必要もない。ちなみにハンドルの切れ角が大きく、最大に振るとお腹に当たるかと思うほどグリップが近付く。低速での転回や取り回しの際は大助かりだ。

キムコ AK550 長期インプレvol.03【ツーリング・快適性能編】

座面は広々としている。バックレストは前後2カ所に調整することが可能だ。シート高は785mmあり、人間工学に基づいたデザイン。あらゆる身長のライダーが快適に乗れるよう考慮された設計だ。

見た目では分からない部分だが、座り心地は素晴らしいものだった。充分な厚みがあり、硬くはなく柔らか過ぎず。長距離走行を快適にしつつ、いざ走りを楽しむステージへ移ればその気になる。1日中走っていた日もあったが、お尻はまったく痛くならなかった。20代の頃はさほど気にならなかった座面からの疲労感は、最近では長いツーリングに出るのが嫌になることもある。その点でもシートは重要な装備と言えるだろう。

キムコ AK550 長期インプレvol.03【ツーリング・快適性能編】

座ってみると座面の広さがよく分かる。バックレストを前方にセットした状態でもまるで窮屈さはない。むしろもっと前に動かせてもいいくらい。ちなみに渋滞中など数秒に一度足をつかなくてはならないときは、走行時よりも5cmほど前に座っていた。そうすることで脚が降ろしやすくなる。

ロングスクリーンの効果は絶大、風がほとんど当たらない!

キムコ AK550 長期インプレvol.03【ツーリング・快適性能編】

実際に走行しているときはやや前かがみになるため、身長175cmの場合、顔面がスクリーンの中に入り込む格好となった。頭部はスクリーンから出ているが、気流によってヘルメットが揺さぶられることもなく、高速道路ではほとんど走行風を受けないので疲れにくい。

キムコ AK550 長期インプレvol.03【ツーリング・快適性能編】

ロングスクリーンは高さを2段階に変更できる。調整幅は40mm(今回はずっと高い状態に設定して撮影を行なった)。ワンタッチで調整できるタイプではないが、15分もあれば誰でも変更できるはずだ。

このロングスクリーンの恩恵は、雨が降ったときに強く感じた。ヘルメットのシールドを開けて走ってみたところ、少しかがむだけである程度の速度が出ていれば顔に雨粒が当たらなかったのだ。下半身も走行中はほとんど濡れない。濡れたのは肩から指先にかけてくらい。後付けでナックルガードを装備すれば、より完璧なツーリングバイクに仕上がりそうだ。

サスペンションが路面のわずかなギャップを吸収してくれる

キムコ AK550 長期インプレvol.03【ツーリング・快適性能編】

高性能な前後サスペンションは、ロングツーリングでも疲労軽減に大きく貢献している。路面のギャップはほとんどサスペンションだけで対処してくれる。これは乗っていて思ったことだが、優秀な窓口対応のようだ。ライダーは上司、サスペンションは窓口対応係で、小さな面倒事は上に伝えるまでもなく、勝手に処理してくれる感じだ。その印象を持ってから少し長い距離を走ると、前後のサスペンションたちを撫でてあげたくなった。

キムコ AK550 長期インプレvol.03【ツーリング・快適性能編】

加減速時にギクシャクした印象もなかった。その理由のひとつとしてベルトドライブも一役買っているのだろう。太いベルトは後方部がむき出しになっていて、やる気満々なバイクであることを主張している。

チェーンに比べると滑らかに力の伝達を行なうベルトドライブは、日々のメンテナンスも少なく、交換時期が来たら取り替えるだけだ。ベルトの交換は、使用頻度にもよるが10,000kmの走行を目安にするのがオススメ。AK550はこれを忘れないよう、ベルト交換からの走行距離メーターが備わっている。ちなみにオイル交換用の表示もあり、ついつい忘れがちなことをいつでも確認することができるのだ。

心地よいエキゾーストサウンドもライダーの気持ちを高める

キムコ AK550 長期インプレvol.03【ツーリング・快適性能編】

AK550に搭載された水冷並列2気筒DOHC4バルブエンジンは、270度クランクを採用している。小刻みな鼓動感がライダーをその気にさせるとはこれまでもお伝えしたとおり。それに加え2in1エキゾーストチャンバーから発せられる豪快なエキゾーストノートも、乗り手の気持ちを高めてくれる。

騒音規制は問題なくパスしているものの、印象としては結構大きな音なので、バイクに乗らない人にとっては耳障りと感じる人もいるだろう。夜中に自宅へ帰ったり住宅街を走るときなどは、走行モードを穏やかな「レイン」にして、アクセル開度をなるべく一定に保つことを心がけたい。

冬場のツーリングでありがたいグリップヒーター

キムコ AK550 長期インプレvol.03【ツーリング・快適性能編】

今回、真冬にこのバイクと生活することになり、とてもありがたかったのは標準装備のグリップヒーターの存在だ。オン/オフ/温度調節はすべて左レバーに備わる赤いスイッチで行なう。温度レベルがメーターに表示されるのも嬉しい。

スイッチを入れてから効きはじめまでも早く、最強レベルにすると熱過ぎると思うこともたびたびあった。グリップヒーターを装備したバイクには、それに対応した手のひら側が薄手のグローブを使うと良いだろう。

キムコ AK550 長期インプレvol.03【ツーリング・快適性能編】

ロングツーリングでの快適性能は、リッタークラスのツアラーモデルにも引けをとらないと思う。燃費もまずまずの数値だった。走行モード「フルパワー」で、高速道路走行では約28km/L、信号が少ない一般道を走行したときは約23km/L。街乗りでは約20km/Lを下回ることもあったがレインモードで穏やかな走りを心がけたら約25km/Lまで向上した。燃費だけで言えば、ツーリングでもレインモードにするともう少し伸びそうだ。

AK550に乗っていれば、日本が狭く感じるバイクだということは間違いないだろう。1泊2日ツーリングをした後の疲労感はほとんどなく、毎週末だってアグレッシブな旅が楽しめそうだと思えた。

次は最終回、キャンプツーリングや夜間走行でのインプレをお伝えしたい。

試乗ライダー プロフィール
西野鉄兵
ツーリングマガジン『アウトライダー』編集部デスク。ビッグスクーターブームの2002年からバイクに乗り出し、初めて所有した250ccはホンダ・フュージョン タイプX。学生時代にはこのバイクで毎日往復100kmの距離を通い、長い休みには全国各地を走り回ってきたツーリング好き。

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