第5回 もしも…ヤマハ マジェスティSに乗れたなら?【ツーリング編】

掲載日:2015年02月02日 長期インプレヤマハ マジェスティS    

文・写真/野岸“ねぎ”泰之  取材協力/ヤマハ発動機株式会社

ヤマハ マジェスティSの画像

マジェスティSは155ccのスクーターですから、あらためて説明するまでもありませんが、高速道路に乗ることができます。ということは、通勤・通学の足としてだけでなく、ツーリングマシンとしてもきっと便利なはずです。では実際のところはどうなのか? 今回は誰もが気になるそんな疑問を検証するべく、日帰りではありますが、マジェスティSでツーリングに行ってきました。果たしてその実力や使い勝手はどんなものでしょうか?

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混雑する都市部からの脱出……
高速に乗れるありがたみを実感!!

今回目指したのは、神奈川県の三浦半島。そのなかでも突端部の、マグロで有名な三崎の周辺を巡ろうと思います。東名高速の横浜町田インター近くにある自宅からアプローチするには、国道16号線のバイパスである保土ヶ谷バイパスと、横浜横須賀道路という有料道路が便利です。この2本の道路はともに自動車専用道路となっていて、125cc以下のバイクだと通行できません。

都市部で暮らすライダーにとって、ツーリングの際に、“混雑した街中から抜け出し、走って気持ちのいいエリアにいかに早く到達できるか”は、常に悩ましい問題です。マジェスティSは155ccの軽二輪で、高速道路や自動車専用道路を走ることができるので、125ccクラスのマシンに比べれば、圧倒的に有利といえるでしょう。実際、自宅から三浦半島の奥部、久里浜付近に到達するまでに、下道だと2時間はたっぷりかかるのに比べ、自動車専用道路経由なら1時間もかかりません。時間を有効に使いたい日帰りツーリングだと、特にその恩恵は大きいですね。

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高速の渋滞も苦にならず
流れに乗れば快適に走れる

保土ヶ谷バイパスは本来快適な無料の自動車専用道路ですが、朝夕を中心にかなり渋滞の多い、ライダー泣かせの道です。大型トラックが延々と連なる渋滞路は大型バイクだとかなり苦労しますが、スリムなマジェスティSだと気負うことなく車をかわしてグングン先に進むことができます。このストレスの少なさは、ふだん大型バイクでツーリングに出かけることの多い“ミッション野郎”の僕にとっては新鮮で、「こんなに楽なのか!」と嬉しい瞬間でもありました。

横浜横須賀道路に入ると交通量は激減し、一般的な高速道路に近い雰囲気の、走りやすい道になります。横浜から三浦半島を縦断するように伸びるこの道は、ほとんどの区間で制限速度が80km/hのため、普通に走るのは楽勝です。ただ、思ったよりも細かいアップダウンがあり、ほとんど大型トラックがいなくて乗用車やライトバンなどが多いため、流れの速いグループが出現しますが、それについて行くのはちょっと厳しいですね。高速走行ではギャップでの突き上げやきつめのコーナーなどでもハンドリングは安定しており、安心して走ることができました。

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狭い道にも安心して入れる機動力と
便利な装備でツーリングも快適

三浦半島といえば海、快適なシーサイドランを思い描く人も多いと思います。確かに西側の国道134号線は鎌倉、湘南へとつながるなだらかな海岸線の道です。ところが、半島の南端部に当たる三浦市の三崎とその周囲は、複雑に入り組んだ海岸線と丘陵地帯になっていて、意外と細くてアップダウンのきつい道が多いんです。

こんな時にも、マジェスティSは頼もしい走りをしてくれます。丘に広がる野菜畑の中の、ちょっと高低差のキツい曲がりくねった細い道でも、アクセルをグッと開ければ瞬時にパワーとトルクが出るエンジンのおかげで、ふらつくことなく安定して走れるんです。また、穴場の海岸へと通じる、まるで隠れ家への秘密のルートのようなデコボコして常に濡れた路面の急坂など、ちょっとドキドキするような場面でも、メリハリの効いたブレーキとよくねばるサスペンションのおかげで、挙動が乱れることなく安心して走ることができました。

また、ツーリング先でも便利な装備だな、と再認識したのはコンビニフックとフロントポケットの存在です。たとえば飲み物や軽食をコンビニで買って、ちょっと走って海岸などきれいな景色のところで休憩したい、なんて場合。わざわざシートの下に荷物を入れなくても、ポケットにポン、フックにヒョイと荷物を引っかけて走れるのは、かなり便利で実用的だと感じました。トータルで考えると、高速に乗れて目的地に素早くアクセスできて、現地ではスポーティな走りで身軽に動き回れる……まさに原付と中型のいい部分を融合させた感じで、「マジェスティSはツーリングマシンとしてもけっこう優秀だな」と、三崎名物のマグロ丼を頬張りながら思ったのでした。

ヤマハ マジェスティSのチェックポイント!

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三浦半島には海水浴に適した砂浜もありますが、こんな荒々しい岩場の海岸もあります。アプローチルートは細くて荒れていても、マジェスティSならほぼ不安はありません。

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きれいな写真を撮りたくてちょっと脇道に入ったら細い農道だった、なんて場合でもあわてずに済むのが、マジェスティSのいいところです。

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シートヒンジの脇にあるツノ、これがあると、トランクスペースに荷物が入っていてもヘルメットを引っかけてロックできるので、とても便利なのです。ちゃんと2本あるのも嬉しいですね。

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朝出て午後早めに帰ってきたという約136kmのショートトリップ。給油したら3.99L、今回のツーリングでの燃費は約34.1km/Lでした。

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