第3回 もしも…ヤマハ マジェスティSに乗れたなら?【高速走行編】

掲載日:2014年12月12日 長期インプレヤマハ マジェスティS    

文・写真/野岸“ねぎ”泰之  取材協力/ヤマハ発動機株式会社

ヤマハ マジェスティSの画像

マジェスティSは排気量155ccの水冷4ストローク単気筒エンジンを搭載し、最高出力は11kw(15PS)となっています。一般道での実力は前回お伝えしたように、十分“速い”と実感できるものでした。では、高速道路ではどうなんでしょうか? 「排気量の上では高速を走れるけれど、実際走るとどこまで使えるの?」というポイントは、誰もが気になるところでしょう。そこで今回は、主に首都高速と東名高速道路での走りをチェック。その走行フィールや使い勝手をレポートします。

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パワフルな加速は
短い合流部でも安心

まずは首都高速を走った印象です。すでに何度も乗っているんですが、毎回思うのは“マジェスティSは出足が良くてとても安心”ということです。首都高に限らず、都市高速は料金所の先の加速・合流レーンが短いことが多く、一気にスピードを乗せて本線の流れに合わせて合流する必要があります。そこでモタモタしていると本線を走る車両にブレーキを踏ませたりして迷惑になるばかりか、危険でもありますよね。マジェスティSはアクセルを開けるとグイッと力強く加速してあっという間(体感的には1秒ぐらい?)に60km/hに達し、その後もパワーに余裕があるため、合流時の不安は全くありません。

首都高には路面の継ぎ目や小さな段差がけっこうあります。サスペンションが硬めなのか、乗り越える時にカタン、カタンと振動は体やハンドルに伝わってきますが、衝撃自体はよく吸収していて、直線はもちろんコーナーであってもハンドリングや挙動が乱れることはなく、安心して走っていられます。

運悪く渋滞に巻き込まれてしまった際には、車の間を縫うように走ることも、首都高をはじめとした都市高速ではありがちですよね。そんな場合でも、パワフルでグッと加速するエンジンと前後に採用されたディスクブレーキのおかげで、とてもメリハリのある運転ができるため、思い通りのラインでマシンを走らせることができ、安心感は高いといえます。

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100km/h巡航は楽勝!?
追い越し加速にも余裕あり

続いて東名高速を走った際の印象をお伝えします。よく走る区間は横浜町田~東京IC間で、制限速度は主に100km/h、3車線となっていて、きつめのカーブやアップダウンはほとんどありません。

本線に合流する加速車線は首都高速に比べて長いため、マジェスティSの加速性能ならばアクセルを開け続けるだけで、本線に到達するころには楽に80km/hを越え、余裕を持って合流することができます。その後100km/hに達するのもあっという間なので、155ccという排気量を意識することなく、高速道路に入っていけます。100km/h時の回転数はおよそ7500rpmで、レッドゾーンが9500rpmなのを考えるとまだ余裕がありますね。ちなみにレッドゾーン付近まで回すと制限速度のおよそ25%ほどのプラスとなり、大型トラックや遅めの車の集団を抜かす際にも、余裕を持って対応できます。追い越しの際の印象では、ライバルといえるホンダのPCX150よりも、加速感も最高速も上回っている感じです。ただ、調子に乗ってアクセルを開け続けていると、燃料計の針の動きがやけに早い気がしますので……やはり限界付近ではなく、回転数に余裕のある範囲で巡航するのがエンジンにもお財布にも優しいといえるでしょう。

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防風効果は予想外に優秀
装備面ではハザードがほしい!!

首都高や東名高速をだいぶ走り込んで思ったのは「マジェスティSのボディデザインは意外と防風効果が高いのでは?」ということです。別体式のスクリーンを持たず、ライトの上が切れ上がったフロント形状ですが、僕の背格好とちょうど合うのか、変な巻き込み風もなく、整流された風がヘルメットの上を抜けていく感じです。もちろんフルカウルの大型バイクのような“守られている感”はなく、胸などそれなりに風は当たるんですが、フロントの視界が大きく開けている割に、不快な風の当たり方が少ない気がします。さらなる防風効果を求めるなら、台湾ヤマハ純正のほか、サードパーティから多くのスクリーンが発売されているので、追加で装着すれば快適度がアップするでしょう。ちなみに足の部分もボディがスリムな割には風が当たらず、PCX150よりも寒くない印象でした。

惜しいのは、ハザードスイッチを装備していないところです。高速道路では前方が渋滞していたら、たとえバイクであってもハザードで後続車に減速をアピールしたいですよね。もちろん一般道でも路側に寄せる際など、あったほうが何かと便利で安心です。今後改良の機会があるなら、ぜひ採用してほしい装備のひとつです。

ヤマハ マジェスティSのチェックポイント!

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ヘッドライトの上下を切り替えるディマースイッチにはパッシング機能も組み込まれています。さらにハザードスイッチがあれば完璧ですね。

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ジャンクションが多く、車線変更やそれに伴う加減速を頻繁に行う必要のある首都高速ですが、マジェスティSの機動力があれば不安なく走れます。

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乗るとスリムなイメージですが、高速道路のパーキングに停めてみると、けっこうボリュームのある車体デザインですね。高速でもそれほど違和感がないボディサイズかもしれません。

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