第2回 もしも…ヤマハ マジェスティSに乗れたなら?【一般道編】

掲載日:2014年11月28日 長期インプレヤマハ マジェスティS    

文・写真/野岸“ねぎ”泰之  取材協力/ヤマハ発動機株式会社

ヤマハ マジェスティSの画像

マジェスティSがうちに来て3週間近くが経ちました。まだそれほど距離は乗っていませんが、日常的な買い物から仕事の打ち合わせや取材時の足など、便利に使わせてもらっています。たまに高速道路も使いますが、主な走行フィールドとなるのは神奈川~東京都内の一般道です。今回は、日ごろから走り回っている一般道でのインプレッションを中心にレポートします。

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とにかく元気なエンジン
走るのが楽しい!!

マジェスティSに乗り出して、最初に感じたのは「ん、こいつは元気がいいぞ!」ということです。水冷4ストローク、SOHC、4バルブ、155ccの単気筒エンジンは11kw(15PS)のパワーを誇ります。信号待ちからのスタートでグイッとアクセルを開けると、タコメーターの針が即座にピイィンと6000回転以上に跳ね上がり、グワッと車体を前に押し出してくれます。そのままアクセルを開け続けると、デジタルのスピードメーターは読めないほどチカチカと数字の更新を続け、あっという間に法定速度まで達してしまいます。この加速感は、クセになりますね。

ライバルと言ってもいいホンダのPCX150に比べ、マジェスティSの最高出力はプラス1Kwのアドバンテージ。とはいっても車両重量がマジェスティSのほうが14kgも重いので、正直、それほど差があるとは思っていませんでした。ところが、体感加速はマジェスティSのほうが速いと感じます。実際に測ってみれば両者それほど違いはないと思いますが、PCXがラグジュアリー志向なのに対し、マジェスティSがスポーツ志向だ、という味付けの違いなのかもしれません。マジェスティSは、とにかく走る楽しさを前面に押し出したテイストを持っていると感じます。

ヤマハ マジェスティSの画像

高めのアイポイントは
渋滞路での判断に有利

マジェスティSのシート高は795mmで、同じヤマハのマジェスティ(250cc)よりも、95mm高くなっています。ライディングポジションの違いを普通のバイクに例えていうなら、250ccのマジェスティがどっしりと低めに座るアメリカンタイプに対して、マジェスティSはオフロードバイクに近いでしょうか。座面の高さからくるアイポイントの高さと、ニョキッとライダーの体側にに突き出たハンドルバーが生み出す立ち気味のポジションは、混雑しがちな都市部の道路で、前方を広く、遠くまで見渡すことができ、駐車車両や右左折で詰まった車線の見極めなど、早めの判断を助けてくれます。

全長は2030mmで、これは250ccのマジェスティより145mm短く、原付2種のシグナスXより160mm長いサイズ。ちょうど両者の中間といえる大きさですが、250のマジェスティよりも全幅が55mm細いことで、渋滞路でのすり抜けが、格段にやりやすくなっています。スリムさではシグナスXに30mm負けますが、その差はさほど気にならず、アクセルを一ひねりした時の力強さを加味すれば、郊外から都心部の渋滞路までトータルでの戦闘力は、もっとも高いのではないでしょうか。

ヤマハ マジェスティSの画像

優秀な足回りが
スポーティな走りをサポート

マジェスティSが元気のいい走りを見せてくれるのは、足回りの良さも大きな要因といえます。タイヤはフロントが120/70-13、リアが130/70-13というサイズです。ホンダのPCX150はフロント90/90-14、リアが100/90-14ですから、径は1インチ小さいですが、かなり太めで偏平気味のタイヤになっていることがわかります。サスペンションは固めなので路面の凹凸などのギャップはけっこう拾ってガタガタしますが、サスの追従性はよく、タイヤが路面にしっかり食いつく感覚がわかって、不安は全くありません。前後にディスクブレーキを装備していて、これがまたよく利くこともあって、スポーティな走行を可能にしてくれます。マジェスティSに乗り換えたら、毎日の通勤通学が今よりももっと楽しくなるかも……そんな期待を抱かせてくれるマシンですね。

ちょっと気になるのが、給油口のつくりです。ハンドルポストの左下にあるこの給油口、デザインはレーシーだし、シートを開けずに楽な姿勢で給油できるのはいいんです。が、給油口の入り口の先が細いパイプ状になっているため、セルフのスタンドで少しでも多くギリギリまで給油しようとすると、最後に油面がいきなり上がってこぼれやすいのです。もちろん、最初にストッパーが効いたところで給油をやめれば問題ないんですが、それだとどうも満タンになった気がせず、少しでも航続距離を伸ばしたい身としては、毎回給油のストップ位置に悩みます。構造上、仕方がないとは思うんですが……。とまぁ、細かい部分で気になる点はありますが、とにかく走って楽しいマシンなので、乗るたびにウキウキしてますよ。次回は、気になる高速道路での走りをチェックする予定です。

ヤマハ マジェスティSのチェックポイント!

ヤマハ マジェスティSの画像

フロントブレーキのディスクにはウェーブ形状を持つ267mm径を採用し、コントローラブルで抜群の制動力を発揮します。リアはノーマル形状の245mm径ディスクを採用。

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足元は決して広くありませんが、フラットフロアのため乗り降りがとても楽です。前方には足を出せるスペースがあります。

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