第6回 もしも…スズキ バーグマン200に乗れたなら?【まとめ編】

掲載日:2014年10月27日 長期インプレスズキ バーグマン200    

文・写真/櫻井 伸樹  取材協力/スズキ株式会社

スズキ バーグマン200の画像

「3ヵ月オーナー体験レポート」でその魅力を余すことなくお伝えするこの企画。バーグマン200との付き合いは、すでに4ヵ月目に突入し、走行距離も約4000kmを超えている。今ではすっかり筆者の生活の一部としてバーグマン200はなくてはならない存在になりつつあるが、そろそろ返却時期が近づいている。非常に名残り惜しいが、今回は最終回ということで改めてバーグマン200というスクーターの魅力を再認してみたい。

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日常的な扱いは満足度、星5つ!
独自路線のエンジンに感動すら覚える

筆者はこれまで約17年で、4HC、BA-SG03J、グランドマジェスティと3台のマジェスティを乗り継いできた。八王子の自宅から、通勤先の東京都心は片道約50km。これに事務所から撮影現場、打ち合わせなどの移動も含めると、1日100km以上走ることも少なくない。1ヵ月の走行距離はおよそ1000km。年間で約1万2000km。つまり15年だと18万km。ツーリングなども含めるとおそらく20万km以上の走行だ。

だからビッグスクーターの使い勝手に関してはそれなりの自負があった。このバーグマン200に乗る前は、正直いつもよりも50cc小さい排気量や車体に非力さを懸念していた。ところが実際に乗ってみたバーグマン200はそんな不安などドコ吹く風、とばかりにアグレッシブでイケイケな車体だった。

停車状態から加速すると、タコメーターはいっきに6500rpmまでぶん回り、強烈な加速で車体をドカンと前へと押し出す。レッドゾーンである9500rpm付近まで、まったくストレスなく気持ちよく回るこの感覚は、これまでのスクーターでは感じたことのない爽快感だ。しかも加速は信号待ちダッシュにおいて250スクーターにも、まったくひけを取らないのだから優秀。逆に低速域のトルクは薄いため、トロトロと走るには少しコツが必要だった。

スズキ バーグマン200の画像

数値的に比べても
独自の路線で魅力的

そんなバーグマン200だが、スペックを見てみても面白い。軽量でコンパクトな200cc水冷4サイクルSOHC4バルブ単気筒エンジンは、最高出力が19ps/8000rpmと数値的に見ればなんだか非力。筆者が普段乗っているグランドマジェスティ250は24馬力なので5馬力の差。しかし装備重量で比較するとバーグマンが161kgなのに対してマジェスティは209kgと約50kgも重い。ちなみに今回別のインプレでも紹介しているPCX150だと出力は14ps/8500rpmで、車両重量は131kgという数値。

なんともバーグマン200は本当に125・150と250の間を行く車体で、それが「どっちつかず」ではなく、150的な軽さとコンパクトさを持ち、250と同等、もしくはそれ以上の加速や積載性、タンデム性能を持つ「いいとこ取り」に成功しているということが、今回の長期インプレではっきりとわかったのだ。

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整備性も良好
ウィークポイントは?

インプレから3ヵ月めにオイル交換やエアクリーナーの清掃を行なったわけだが、その際の整備性は良好。オイルのドレンや注ぎ口、またエアクリーナーの点検など、ビギナーでもチェックが可能な内容だった。しかしエンジンオイルの交換サイクルは2000kmが推奨距離。月に約1000km走る筆者は2ヵ月に一度交換しなくてはいけないことになる。これは少々面倒だが、高回転型エンジンだけにいたしかたないところか。また、高回転型エンジンゆえ、駆動ベルトの交換時期が短いのではないかという危惧もあったが、スズキワールド新宿店のメカニックによれば、交換時期は約2万kmとのことなので、こちらは意外とロングライフであることがわかった。

バーグマンと付き合っていく中でもっともウィークポイントと感じたのがパーキングブレーキの未装備だ。250スクーターを3台乗り継いできた筆者にとってこれは最初から最後までなじめなかった。例えば道端にバイクを停めて、スマホをいじったり、電話をするときに坂道だと片手でブレーキを握っていないといけない。また坂道に駐車する場合はサイドスタンドでは不安定なのでセンタースタンドを使わなくてはいけないのだ。ブレーキを握った状態で止められるオプションの開発か、マイナーチェンジで装備されることを願うばかりである。

しかしながら、そういったウィークポイントを補ってさらに余るほどバーグマン200は魅力的で使えるスクーターである。大都市近郊に生活し、職場までおよそ20km~50kmほどの距離をバイクで通勤する人にとっては最適、最強、最速の1台であると断言してもいいほどだ。あっ、そうそう、あまりに加速が気持ちいいので、ついついアクセルを開けがちなるから、白バイ、パトカー、覆面さんには決してお世話になることのないように最後にご忠告。

スズキ バーグマン200のチェックポイント!

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PCXやシグナスならスルスルと抜けられる場所も250だと少し厳しいこんなシーン。でもバーグマン200ならストレスなくクリアしてくれるのだ。

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こんな坂道に停める場合は、やはりパーキングブレーキが欲しい。センタースタンドをかけるのは軽いのでそんなに苦労もしないが。

スズキ バーグマン200の画像

これは渋谷のバイク用駐車場に停めた際のもの。1台分が非常に狭く大型車は厳しい状況だが、バーグマンならまったく問題なし。

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バーグマン200は体重約70kgの男性二人が乗ってもしっかりと走る。高速も問題なかったから優秀だろう。

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