【2018 FORZA試乗記事】走り軽快、装備充実! 突き抜けた優等生ぶりがスゴイ 試乗インプレ・レビュー

【2018 FORZA試乗記事】走り軽快、装備充実! 突き抜けた優等生ぶりがスゴイ

掲載日:2018年08月09日 試乗インプレ・レビュー    

取材・文・写真/野岸“ねぎ”泰之

【FORZA試乗記事】走り軽快、装備充実! 突き抜けた優等生ぶりがスゴイ

HONDA FORZA

先進装備を身にまとい
イメージを一新したロングセラー

初代フォルツァが“ニュースタイリッシュスポーツ”という開発コンセプトを掲げて誕生したのは2000年。以後、精悍なスタイリングと運動性能の高さを兼ね備えた250ccスクーターとして人気を博し、モデルチェンジを繰り返しながらロングセラーモデルとなった。2018年7月20日に発売された5代目となる今回のモデルは“安心・快適な高速走行性能のさらなる進化に、街中での扱いやすい軽快感をプラスすること”を開発キーワードとし、デザインも先進性と軽快感を強調して一新した。

今回はツインリンクもてぎで行われたメディア向け試乗会と一般道での走りを通じて、新型フォルツァの特徴と魅力に迫ってみた。

ホンダ フォルツァの試乗インプレッション

ホンダ フォルツァ 特徴

ロー&ロングなイメージから
コンパクト&アップライトへ変革

ホンダ フォルツァの試乗インプレッション

歴代フォルツァの進化を写真で。【左上】右が初代、左が2代目。【右上】右が3代目、左が4代目。【下】右が4代目、左が新型。

歴代のフォルツァといえばロー&ロングなスタイリングで、どっしりと座ってリラックスしたポジションで乗るイメージが強かった。4代目からはグローバルモデルとなり、欧州やアジアで販売を開始した。

5代目となるこの新型フォルツァはそのコンセプトを継承しつつも、アップライトなポジションで積極的にマシンをコントロールする、よりスポーティなタイプへと生まれ変わった。外観も、歴代モデルは丸みを帯びた曲線的なデザインが特徴的だったが、5代目はシャープでキレのあるデザインとなり、走りの良さと先進性を表現しつつ従来からのイメージを一新した。

ホンダ フォルツァの試乗インプレッション

前後の灯火類はすべてLEDを採用している。ライトはフロントが鳥が羽を広げたようなV字デザイン、リアはX字状となっており、新型PCXに通じる形状だ。ホンダの開発陣に聞くと「意図してPCXと似せたわけではなく、ユーザーと時代が求めるデザインを追求した結果です」とのことだが、街中で見た際に「最近のホンダの顔だ!」と一目でわかるデザインは、ホンダスクーターの共通アイコンになるだろう。

ホンダ フォルツァの試乗インプレッション

ホンダ フォルツァの試乗インプレッション

車体構成も大きな進化を遂げている。アンダーボーン形式のフレームは新設計で、パイプ径や肉厚、材質とこれらの接合部を最適化することで、剛性を保ちながら従来比で約20%の軽量化を達成した。全長は2,140mmで4代目のフォルツァSiより25mm短く、ホイールベースも35mmショート化されて1,510mmとコンパクトになった。足周りは従来フロント14インチ、リアが13インチだったホイール径をそれぞれ1インチアップし、フロント15インチ、リア14インチに変更した。これらの大幅な見直しの結果、車体重量もフォルツァSi(ABS仕様)の194kgに対して、新型は184kgと10kgの軽量化に成功した。

ホンダ フォルツァの試乗インプレッション

エンジンは水冷4ストロークOHC4バルブ単気筒248ccで、従来モデルと同型エンジンながら各所に低フリクション技術を投入してリファインを行った。最高出力は17kw(23ps)/7,500rpmと変わりはないが、最大トルクを若干向上させている。

ABS&トラコンのほか、電動スクリーンに
スマートキーなど先進装備も満載

ブレーキ時の安心感を高めるABSを標準装備としたほか、ホンダのスクーターとして初めてHSTC(ホンダ・セレクタブル・トルク・コントロール)といういわゆるトラクションコントロールを採用した。これは前後ホイールに設置した車速センサーで後輪のスリップ率を算出し、そのスリップ率に応じて燃料噴射でエンジントルクを制御、後輪のスリップをコントロールするもの。滑りやすい欧州の石畳などでも安心して走れるようにというニーズから採用されたというが、もちろん雨の多い日本の道でも心強い味方だ。

ホンダ フォルツァの試乗インプレッション

このほかにも140mmの可動範囲で無段階に調整できる電動式可動スクリーンやスマートキーシステムの採用、フロント部左側のインナーボックスには12V2Aのアクセサリーソケットを備えるなど、シティコミューターとして利便性の高い充実した装備を与えられている。

ホンダ フォルツァの試乗インプレッション

ホンダ フォルツァ 試乗インプレッション

タイトな小回りもなんのその
ハンドリングは軽快かつクイック

ホンダ フォルツァの試乗インプレッション

新型フォルツァのシート高は780mmで、先代モデルよりも65mmもアップしている。そのため足つき性はあまりいい方ではない。ただ、一度走り出してしまうとアップライトなポジションのため視界がとても良く、背筋を伸ばしてキリリと走るライディング姿勢は欧州製のスクーターに通じるものがある。

ツインリンクもてぎ内の道路を走ってみてすぐに感じたのは、ハンドリングの素直さとエンジンの力強さ、そして振動の少ないスムーズさだ。施設内の道路はスピードがあまり出せない割にアップダウンが頻繁にあるなど、スクーターにはあまり優しくない。カーブしながらゆっくりと登っていくような道では非力なマシンだとフラついてしまうこともあるが、新型フォルツァは低速でも車体がビシッと安定し、上り坂でアクセルを開ければ坂の途中からでもグイと力強い加速を見せてくれる。少し走っただけで「あ、このマシンは素直でとても扱いやすいな」とわかるのだ。

ホンダ フォルツァの試乗インプレッション

さらに驚かされたのは、特設コース内に設けられたまるでジムカーナのようなUターンやパイロンスラロームなど、タイトな小回りが連続するセクションを走った時だ。この手の低速グルグルコースはビッグスクーターが最も苦手とする道の一つだろう。ところが新型フォルツァはハンドルの切れ角が大きくクイックなターンが可能で、グイっとステアリングを切って大胆に寝かし込んでも、マシンが不安定になることもなく意のままに曲がってくれる。
操舵感には落ち着きがあるのに、とにかく動きが軽快でスポーティなのだ。もちろんその際タイヤが滑るような不安感は全くない。前後のサスペンションがしっかりと伸び縮みして粘ってくれるのを感じながらリズミカルにタイトなコースを攻め込んで行くのが楽しく、感覚としてはスクーターというよりスポーツバイクを操っているような気にさせてくれた。

どんな道でも軽快で快適
その優等生ぶりが気持ちいい

ホンダ フォルツァの試乗インプレッション

コースの外周路では80km/hまでスピードを出すことができたが、ゼロからスタートしてもスムーズな吹け上りであっという間に規定の速度までメーターの針が跳ね上がる。直線はもちろん、勢いよくコーナーに飛び込んでも車体の挙動が乱れることは一切なく、嫌な振動なども感じられない。高速域でもエンジンはパワフルでありながらスムーズで、ジェントルで高級感のある走りが楽しめた。低速路での軽快でクイックなハンドリングと高速域での安定感は程よいバランスを保っており、どんな道でも軽快で快適な走りができるだろう。

ホンダ フォルツァの試乗インプレッション

ここでは電動式可動スクリーンを上下させてみたが、スイッチ1つで下から上まで動かすのにかかる時間はわずか1秒ほど。1番高い位置にするとヘルメットの上を風が通り抜けていくのを感じ、しっかりとウインドプロテクションの効果を実感することができた。少しでも風に当たりたい夏場の一般道走行では下げておき、高速道路に乗ったらスッとスクリーンを上げるなどすれば、かなり疲労を軽減できるはずだ。

ホンダ フォルツァの試乗インプレッション

ツインリンクもてぎを出て一般道を走ってみると、新型フォルツァの懐の広さというか、フレキシビリティの高さをさらに実感できた。細めの道でのんびりとした軽トラの後ろをゆっくりと走っても、路面のあまり良くない県道をいいペースで走っても、常に安心感と操る楽しさが同居しており心地がいいのだ。トルクコントロールを作動させるような場面はなかったが、未舗装の路肩スペースに飛び込んで急停車なんて場合にもABSが的確に効き、怖い思いをすることは全くなかった。

ホンダのバイクは優等生なんて表現を良く耳にするが、新型フォルツァは快適性と軽快性、利便性に先進性と、あらゆる要素を詰め込んだ欲張りな優等生だ。ライバルも一目置くであろうその死角のない徹底的な優等生ぶりは、もはや立派な個性といえる。グローバルモデルが競い合う軽2輪スクータークラスが、新型フォルツァの登場でますます面白くなってきた。

詳細写真

灯火類はすべてLEDを採用。つり上がったヘッドライトは上部にポジションランプを配し、存在感を際立たせる。ハイビーム時は中央も点灯する。

新設計のアンダーボーンフレームはコンパクトな車体パッケージの実現に大きく寄与している。従来比で約20%の軽量化を成し遂げた。

ハンドルのカバーは大型スクーターのような高級感がある。ステアリングバーはY字の固定タイプで、交換は難しそうだ。

アナログ2連メーターは大型で視認性が高い。中央の液晶表示部には時計や燃料計、水温計のほか、平均燃費や瞬間燃費、残走行距離、外気温、電圧などを表示できる。

左ハンドルの手元スイッチは電動スクリーンの上下やトルクコントロールの入/切、メーターの液晶表示部の2段目と3段目の切り替えなどが行える。右ハンドルはスターターとキルスイッチ、ハザードとなっている。

スクリーンは電動式で、スイッチ操作により140mmの範囲で簡単に素早く高さを変えることができる。ハイポジションでは頭の上を風が通り抜けていくため、高速走行がとても楽だ。

中央にある銀色の円筒状のパーツはABSユニットで、ちょうどヘッドライトの上部あたりに設置されている。ユニットはニッシン製だった。

フロントウインカーはバックミラーにビルトインされており、スタイリッシュだ。ポジションランプは昼間でも非常に目立つ。

ホンダスマートキーシステムを採用。キーが作動範囲内にあるとメインスイッチノブの操作が可能となり、シートと給油口の開閉、ハンドルロックも操作できる。スマート機能のオンオフや自車の位置を知らせるアンサーバック機能も搭載している。

燃料タンクは低い位置に置き、その後ろにバッテリーとラジエーターを上下に配置した。これによりコンパクトな車体を実現している。

給油口はセンタートンネル上部にある。ロックはメインスイッチ脇のボタンで解除する仕組みだ。タンク容量は11L。

ライダーをしっかりとホールドする形状の段付きシート。スポンジは弾力があって硬めの印象だが座り心地は良かった。2トーンになっているのもスタイリッシュだ。

テスターは身長170cmで足短め、体重72kg。新型フォルツァのシート高は780mmと、先代よりも65mmアップした。足つき性はいいとは言えないが、両足でも親指の付け根がしっかり着くのでグラつくことはなかった。

【写真上】ラゲッジボックスはフルフェイスが2個収納できる大容量を確保。写真奥(サイドスタンド側)のボックス脇には小物を入れるスペースがある。ボックス前方のパネルを取り外すと、そこからバッテリーにアクセスできる。【写真下】ボックス内のスペースを仕切れる取り外し可能なセパレーターが付属しているのもユニークだ。セパレーターはボックス内前後2か所にセットできる。

エンジンは先代モデルと同じ水冷4ストロークOHC4バルブ単気筒248cc。各所に低フリクション技術を導入してパワーと省燃費性能を両立した。

シリンダー上部にはケーヒン製のインジェクションユニットが鎮座している。ラジエーターキャップはシリンダー脇に配置する。

フロント左側のインナーボックスはペットボトルやETCが収まる容量を確保。12V2Aのアクセサリーソケットも装備している。ハンドルロックをかけると施錠される仕組みだ。

リアショックは2本で、十分なスプリングトラベルを有している。プリロード調整機能も装備する。

フロアボードは前後に長く、フットスペースを広くとってある。シートとフロアの高低差も十分あるため、足の自由度が高い設計だ。

タンデムステップは引き出し式。大きさは標準的なものだが、ローレット状のすべり止めが施されている。

サイレンサー部は異形デザインを採用。メッキカバーが装着され、車体デザインとマッチして高級感を演出している。

リアフェンダーはロングタイプとなっている。雨の日の泥ハネなどが軽減されるので有り難い装備といえる。

車体左側、シリンダーの根元に見えている黒い円筒状のパーツはオイルフィルターだ。簡単にアクセスできるため整備性はいい。

テールランプはX字状となっており、被視認性の良さとデザインを両立させている。中央はブレーキランプで、光るとかなり明るい。ウインカーを含めすべてLEDだ。

従来より1インチサイズアップされたフロントホイールは15インチ。12本のスポークデザインは剛性バランスの最適化とバネ下重量の低減に寄与している。タイヤサイズは120/70-15M/C 56P。

フロントのブレーキディスクは256mmの大径シングルとなっている。ABSも標準装備だ。

リアのブレーキディスク径は240mmを採用し、十分な制動力を確保している。タイヤサイズは先代より1インチアップの140/70-14M/C 62P。銘柄はIRCのSS-560を履く。

5代目フォルツァの開発を担当したスタッフ。「現時点で最高のものができたと自負していますが、今日からまた新たな開発のスタートです」と技術者魂を見せていた。

こちらの記事もおすすめです

この記事を読んでいる方におすすめの商品

LINEで見る&読むBikeBros.最新モデル紹介から、バイクイベントやツーリングでのお役立ち情報
さらに、通販サイトのお得なキャンペーンまで配信中です。