ベスパ 946 レッド

(VESPA 946)RED
VESPA

AIDS撲滅のためのひとつのシンボルとして登場した深紅のベスパをインプレッション

掲載日:2017年11月29日 試乗インプレ・レビュー    

取材・写真・文/森下光紹

ベスパ 946 レッド 特徴

乗りやすさと降りやすさをバランス良く
デザインの巧妙さは他に似るものを持たない

ベスパ 946 レッドの試乗インプレッション

パイプフレームにエンジンを搭載する「モーターサイクル」とはまったく違った発想で設計されたベスパは、元々航空機からの発想としてスチールモノコック構造を採用して今日に至る。

デビューは1946年、第2次世界大戦終了直後のイタリアで、まったく新しいコミューターとして産声を上げ、爆発的人気を獲得した。とくに俳優オードリー・ヘプバーン主演の映画『ローマの休日』に登場する通称「フェンダーライト」タイプは、その後のヒット作に大きな影響を与えたと言ってもよく、女性でも乗れるシティコミューターとして世界的な認知が広がった。そんな黎明期のベスパデザインを踏襲しつつ、未来を見据えたデザインとして登場したのがこの946である。

ベスパ 946 レッドの試乗インプレッション

ベスパとはイタリア語で「スズメバチ」という意味だ。デザインのコンセプトはその名のとおり、軽快でグラマラスなもの。とくに946のデザインは、オールドベスパが持っている流麗なボディワークを強く意識したもので、リア周りのふくよかさが強調され、ウエストのくびれたラインもまた、クラシカルなイメージを持っている。その大きな要因は、この時代にあえてヘルメットインという利便性を捨てたことによることが大きいのだが、イタリアのデザイナーは魅力的なスタイルのためなら重要な機能でさえあっけなく捨て去る、その潔さには脱帽する。様々な利便性、高機能を備えたモデルは他にもラインナップするのだから、946はこれで良い、と言わんばかりのスタイルだ。

ベスパ 946 レッドの試乗インプレッション

機能部分を見てみると、前後12インチのホイールにはミシュランタイヤを装着し、伝統の片持ちフロントサスペンションにABS付きディスクブレーキを装備。パワートレインはフラットなトルクで扱い易い155ccのOHC3バルブエンジンを採用し、燃費レベルはクラストップを誇る。しかもASRトラクションコントロールシステムを備えた安全性の高いユニットである。ほかにも、ヘッドライトは上下分割のプロジェクターライトを採用し、ウインカーはLEDタイプと、最新のスペックでまとめられているのも特徴である。

ベスパ 946 レッドの試乗インプレッションは次ページにて

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