ホンダ PCX150 試乗インプレ・レビュー

ホンダ PCX150
ホンダ PCX150

ホンダ PCX150

掲載日:2014年06月13日 記事カテゴリ 試乗インプレ・レビュー    

取材・文・写真/田宮 徹

市街地で扱いやすく高速道路にも乗れる
150クラスの人気スクーターが2代目に

PCX150は、125ccスクーターのPCXと共通の車体を使った軽二輪スクーターとして、日本では2012年6月にデビュー。コンパクトな車体と、高速道路にも乗れる排気量、優れた環境性能などで、発売と同時に高い人気を誇った。そしてデビューからわずか2年後となる2014年5月に、弟分のPCXとともに早くもフルモデルチェンジを受けた。

 

PCXシリーズは、日本だけでなく世界各国で販売されるグローバルモデルとしての役割も担っている。今回の全面刷新により、世界市場における更なる商品競争力の向上も期待できる。なお、初代のPCXシリーズはタイのホンダで生産されていたが、この2代目はベトナム生産に切り替わった。

ホンダ PCX150 特徴

ホンダ PCX150 写真 ホンダ PCX150 写真 ホンダ PCX150 写真


高級感が大幅アップしたスタイリングと
熟成された機能や環境性能

ホンダ PCX150 写真今回のフルモデルチェンジでは、まずスタイリングの刷新が図られ、ヘッドライトやテールランプ、ウインカー、ライセンスランプの全灯火器にLEDが採用され、フロントおよびリアカウルなども新設計とされた。とくに、ラインビーム状のLEDポジションランプを備えたLEDヘッドライトは、車両によりスタイリッシュで高級なイメージを与えている。

 

また、先代同様の前後14インチ大径ホイールを履いた車体では、リアタイヤに転がり抵抗を軽減する低燃費タイヤを新装備。シートはバックレスト一体型となり、燃料タンク容量は先代から2.1Lアップの8.0Lとされて航続距離が伸びた。さらに、シート下トランクの容量拡大とシート開閉機構の改良、ハンドル下部左側へのグローブボックス追加、平均燃費も表示できる新作メーターの搭載など、多岐にわたり見直しが行われている。

 

エンジンは、これまで同様にスクーター用グローバル仕様の「eSP」だが、こちらもベアリング類の変更や駆動系ベルトの改良などが行われ、60km/h定地燃費は先代より3.9km/Lアップの52.9km/Lとなった。

ホンダ PCX150 試乗インプレッション

とにかく軽快でニュートラルな
気軽に走れるハンドリングが魅力

ホンダ PCX150 写真14インチの大径リアホイールを採用することもあり、シートポジションはやや高め。シート高は760mmと公表されている。とはいえ、シート前側は絞り込まれて角も落とされているため、身長167cm/体重63kgの筆者がこの部分にまたがると、両足の裏を完全に接地させることができる。一方で、シートに深く腰掛けたまま足を出すと、両つま先が着く程度となる。

 

前席に深く座った状態で、ハンドル位置はやや低め。燃料タンクが収められた大きなフロアトンネルがあることから、ステップボードの左右幅は狭いが、前方に足を投げ出せるような構造となっていることもあり、ライディングポジションには自由度がある。またタンデムシートは、幅が広くスペースに余裕がある。リアスポイラーを兼ねたグラブバーも備えていて、快適に乗ることができる。なお、試乗車が新車だったこともあり、シートは硬めだった。

 

ホンダ PCX150 写真市街地を走りだしてまず良さを感じた部分は、ニュートラルなハンドリング特性。交差点を曲がるような極低速のカーブから、郊外の高速コーナーまで、何も気を遣うことなくスッとバイクを寝かせて、自在にターンすることができる。日常的に使うシティコミューターとして考えたときに、この素直さは非常にうれしい。

 

同時に、コンパクトにまとめられた車体は、車両重量では先代より2kg増えているが、それでも131kgに抑えられていて、かなり軽い印象がある。しかも、前後14インチの大径タイヤを履いている恩恵もあって、軽量なのに安定感も備わっている。さらに、バンク中の接地感も多め。ニュートラルなハンドリング特性と組み合わさることで、驚くほどの扱いやすさを生みだしている。

 

ホンダ PCX150 写真一方でエンジンは、市街地で交通の流れに乗るのはもちろん、高速道路を走っても満足できるレベルにある。極めてパワフルというよりは、全体的にマイルドかつスムーズなフィーリングなのに、きっちり速度は上昇するといったイメージ。とはいえ、80km/hから上の速度域では、原付二種クラスに対するアドバンテージも感じられる。ちょうど国内法定最高速度となる100km/hあたりまでを重視したかのような仕様だが、もちろんその上の速度域まで伸びる実力もあり、100km/h巡航時には多少の余裕もある。

 

今回の試乗では125cc版のPCXと直接比較できなかったことが残念だが、短中距離の高速道路を使った移動にも使えることを考えると、税金や保険などの金額に差が生じるとはいえ、125ではなく150を選択するメリットは多そうだ。

 

ホンダ PCX150 写真ところでこのPCX150には、先代同様にアイドリングストップシステムが標準装備されていて、信号待ちなどでエンジンを自動停止することで、燃費向上を図ってくれる。知能化された電子制御式ACGスターターによって、アイドリングストップ状態からの発進は極めてスムーズ。スロットルの遊びを取り、ほんの1mmでも開けるだけで瞬時にエンジンがかかるため、信号ダッシュで出遅れる心配もない。しかも、バッテリーの電圧を監視し、電圧が一定以下の時は自動でシステム稼働をオフにする機能も備えているので、非常に安心である。ちなみにアイドリング停止は、完全停止から約3秒ほどで行われる。長めの一時停止でストップしてしまってもすぐにエンジンが再スタートするし、Uターンの途中などでほんの一瞬停止したような場合には作動しない。このため、スイッチによりシステムのオン/オフが選択できるが、基本的には常時オンでもストレスはなかった。

 

試乗車が新車に近い状態だったこともあり、サスペンションは前後とも硬めのフィーリング。しかし、安定感がある車体性能のおかげで、コーナリング中にギャップを通過しても怖さが少なかった。ちなみにバンク角もそれなりに確保されているので、ほどほどスポーティに走ることもできる。一方で、車体はとにかくスリムなイメージで、またエンジンは低速域でもスムーズなので、市街地ではとにかく使いやすい。タンデムユースも十分に考慮され、フルモデルチェンジにより収納スペースの充実やスタイルの向上も実現されるなど、随所に光るポイントがある。

 

前述のように保険や税金、場合によっては駐輪場の排気量制限などの兼ね合いから、125cc仕様を選択するユーザーも多いだろうが、どちらのPCXを選んだにせよ、満足度は高いはず。もちろん、高速道路を使う可能性があったり、タンデムの機会が多かったりするなら、迷わずPCX150をチョイスだ。

 

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SPECIFICATIONS – HONDA PCX150

ホンダ PCX150 写真

価格(消費税込み) = 36万720円
※表示価格は2014年6月現在

初のフルモデルチェンジを受けて、2014年5月に発売開始。環境性能に優れるエンジンを搭載して前後14インチホイールを履いた、高速道路にも乗れるスタイリッシュスクーターの2代目だ。

■エンジン型式 = 水冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ

■総排気量 = 152cc

■ボア×ストローク = 58.0×57.9mm

■最高出力 = 10kw(14PS)/8,500rpm

■最大トルク = 14N・m(1.4kgf-m)/5,000rpm

■燃料供給 = フューエルインジェクション

■トランスミッション = Vベルト無段変速式

■サイズ = 全長1,930×全幅740×全高1,100mm

■ホイールベース = 1,315mm

■シート高 = 760mm

■車両重量 = 131kg

■燃料タンク容量 = 8.0リットル

■Fタイヤサイズ = 90/90-14

■Rタイヤサイズ = 100/90-14

■ブレーキ形式(F/R) = 油圧式ディスク/機械式ドラム


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