PGO ティグラ150
PGO ティグラ150

PGO ティグラ150 – スクーター激戦区の台湾から来たシティコミューター

掲載日:2012年12月20日 試乗インプレ・レビュー    

取材・文/田宮 徹

スクーター激戦区の台湾から来た
高速道路にも乗れるシティコミューター!

台湾のPGOは、モーティブ・パワー・インダストリー(MPI)という会社が手がける、スクーターやATVのブランドだ。1964年に創業され、72~82年にはイタリアのピアジオ社と業務提携を行いながら技術を磨き、96年に茶葉生産メーカーの出資を受けてPGOブランドとしての活動を開始した。

ティグラ150は、このPGOから12年に発売が開始された新型コミューターだ。ティグラシリーズとしては、11年に125がデビュー。巷ではその速さがウワサとなっていた。今回の150は、この125と基本部分を共通としながら、各部を強化した車体を採用。一方でエンジンの排気量を拡大して、日本の事情で考えれば「高速道路にも乗れる仕様」に仕上げてある。

PGO ティグラ150の特徴

PGO ティグラ150の画像

市街地で扱いやすい車体サイズと
スポーティにまとめられた装備!

車名の「ティグラ」とはラテン語で「虎」の意味だが、さすがに外観や塗色が虎に似せてあるわけではない。しかし、随所に散りばめられたアグレッシブな雰囲気は、ある意味で虎のようだ。

前後ホイールは、車体のコンパクト化と高い走行安定性の実現を両立させやすい12インチ径。この前後ともに、ディスク式ブレーキを組み合わせる。エンジンは自社製で、最高出力は約16馬力とパワフル。シート下トランクやフロントポケットなど、ユーティリティも充実している。

PGO ティグラ150の画像

ライダーの足元、つまりフロアボードは、中央にトンネルがないフラットタイプ。これにより乗り降りがしやすく、またライディングポジションの自由度が高い。さらに、フロアボード前方には足を投げ出せるスペースが設けられている。シートに対して、ハンドルはやや低めでそれほど遠くない印象。上半身を起こして楽な姿勢を保てる。足着き性は悪くなく、身長167cmで体重66kgの筆者がシート最前部にまたがると、両足の裏がほぼすべて接地。シートに深く腰掛けたままでも、両足の裏がほぼ半分ずつ着く。車体が軽めなので、もっと小柄なライダーでも足着きに関する不満は少ないはずだ。

PGO ティグラ150の試乗インプレッション

PGO ティグラ150の画像

とにかく、速い!
感想はこれに尽きる

走りはじめて、最初に驚くのはその加速力だ。弟分の125も、ライバル機種と比較した際の速さに定評があるが、速さに対するインパクトはそれを凌ぐ。スペックを比較してみると、150は125に対して、排気量が25.5ccアップし、各部強化などによる重量増を6kgに抑えながら、最高出力が約2.8馬力増えたことになる。たかが2.8馬力と思うかもしれないが、これは125の最高出力から考えると約21%増。100馬力のバイクが121馬力になるようなものだ。

そして、そのパワーアップの恩恵は、車速のかなり低い状態から感じることができる。これまでもPGOは、市街地での日常使用速度域を考慮した変速セッティングに力を入れている印象だったが、それはこのティグラ150も同様。停車状態からアクセルを全開にすると、極低速域から速度はどんどん上昇。あっという間に日本の一般道最高速度である60km/hを超え、さらに高速道路の法定最高速度となっている100km/hへと到達する。もちろん、その先もまだまだ車速は伸びようとするが、とくに100km/h以下の加速は感動モノだ。

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ちなみに、低速走行からフル加速を繰り返している際に、フロントタイヤが浮きあがろうとする感覚があることに気がついた。そこで試しに、車速が10km/hほどの状態から、ハンドルを手前に引きながらアクセルを全開にすると、いとも簡単にウィリー状態へと持ちこめてしまった。スクーターが4スト化されて以降、これほど簡単にフロントタイヤが地面から離れる一般市販スクーターというのは珍しい。

しかし一方で、過去のハイパワー2ストとは異なり、唐突に出力が立ちあがる感じではないため、ティグラ150はゆっくり走らせるのも簡単だ。意図していないのに前輪が持ち上がってしまうことはないし、アクセルを開けた分だけ加速するので扱いやすい。バイク初心者でも、安心して乗ることができるだろう。

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排気音はちょっぴり大きめで、個人的にはスポーティで心地良いというレベルだが、やたらと静かな最近の国内仕様スクーターに慣れていると、場合によってはノイジーに感じるかも。もちろん、そうは言ってもカスタムスクーターのようにうるさいわけではないが、気になる人は、全国各地のPGO取扱店などで随時開催されている試乗会で、事前に音量を確認してみるとよいかもしれない。

ところで、どんなに速いエンジンを積んでいても、しっかり止まれないのでは、安心してアクセルを開けることはできない。PGOは以前から、その点もしっかり考慮しているブランドなのだが、ティグラ150の前後ディスクブレーキも他機種同様、いやそれ以上に優秀だ。フロントブレーキは、レバーの可動域が多めの設定で、握った分だけ制動力を得られる。つまりコントロール性に優れるのだが、それに加えて150は車体の剛性が高められているようで、かなりのストッピングパワーを車体側が受け止めてくれる。このクラスの一般的なスクーターは、フロントブレーキを積極的に使った急制動が難しいことが多いが、ティグラはフロントブレーキのみでの急制動も怖くない。もちろん、こちらも扱いやすいリアブレーキを併用すれば、より車体が安定した状態で減速可能だ。

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コーナリングは、エンジン性能のように突出して優れているという点はないが、クセが少なく気を遣わず操れる。さすがに、100km/h近い速度でのバンクが深い旋回時は、車体が軽量コンパクトなことからやや落ち着かないが、メインフィールドとなる市街地や郊外の一般道では、気持ちよくコーナリングできる。バンク角も、一般的な市街地走行には十分なレベルで確保されている。

それから、タンデムシートの居住性が意外と良い点もポイントだ。幅が広くて前後に着座位置をずらしやすいシートと、バータイプのタンデムフットレスト、握りやすいタンデムグリップにより、短中距離の移動ならまるで問題ない。使い方の幅が広がる要素と言えるだろう。

PGO ティグラ150の画像

125をベースとした車体は、混雑した市街地でも扱いやすく、これに超パワフルなエンジンが組み合わさることで、通勤スペシャルとしては最強レベルに仕上がっている。125よりも排気量が増したことで、高速道路を使うこともできるなど、利便性も増した。125と比べればランニングコストは上がるが、それに見合うだけのメリットは十分にある。“市街地での機動力ナンバーワン候補”の性能を、ぜひ多くの人に活用してもらいたい。

PGO ティグラ150の詳細写真

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メーターは、指針式回転計と液晶パネルの組み合わせ。液晶部には、速度やオド・トリップはもちろんのこと、時刻やバッテリー電圧、標高、瞬間燃費の表示機能もある。残燃料と水温は、バーグラフで表示される

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やや浅めだが、コンパクトに設計されたフルフェイスヘルメット(SHOEIのZ-6)のLサイズがぎりぎりで収納でき、さらに写真のようにスペースの余裕があるシート下トランクを装備。DC12V電源ソケットも備えている

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ハンドル下部には、500mlペットボトルなどが収納できるインナーポケットと、便利なコンビニ袋用のフックを装備する。ワンタッチオープン式の給油口もハンドル下部にあり、シートを開けずに燃料の補充ができる

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メインキーシリンダーは、盗難抑止効果を高めるシャッター付き。キーヘッド部を使ってシャッターを開ける。機能が集約され、キーオフの状態からそのまま右に回すと給油口、左に回すとシートが解錠される

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フロントブレーキには、片押し2ポットキャリパーとステンメッシュホース、ウェーブ形状ディスクを使っている。星型スポークのアルミ製ホイールは12インチ径。試乗車は、チェンシン製のタイヤを装着していた

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ガス室別体タイプのリアショックは、このクラスとしては、またはツインショックとしては非常に珍しく、プリロードの無段階調整機能を備える。黄色のスプリングと赤いカラーで、とてもスポーティな雰囲気だ

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フロントがウェーブ形状ディスクを採用するのに対し、リアは円形タイプのブレーキディスクを採用する。キャリパーは対向2ポットで、ステンメッシュのホースを装備。リアも12インチ径ホイールとチェンシン製タイヤだ

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ヴォルテックス・クーリング・エンジンと呼ばれるユニットスイング式の水冷エンジンを採用。これまで課題だった点を徹底的にクリアし、約16馬力の最高出力を実現。最大トルクを7000回転で発生する高回転仕様だ

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エンジンは水冷式で、クーラントを冷却するためのラジエターを、フロントパネルの裏側に配置している。ラジエターを通過した熱気は、パネル両サイドのダクトから排出。ラジエターにはファンも装備している

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フロアボードは、乗り降りがしやすいフラット仕様。ボード前側には、足を投げ出せるスペースがある。タンデムライダー用のフットレストは、ワンタッチ式の折りたたみバータイプで、様々な靴底形状にフィットしやすい

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座り心地や足着き性にこだわったシートを装備。タンデムライダー用のスペースは、見た目から受ける印象よりも広く、自由度がある設定。リアウイング風にデザインされたキャリアは、グラブバーも兼ねている

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前後ウインカーはクリアレンズタイプ。大きくて視認性に優れるテールランプとともに、高輝度LED仕様とされている。テールレンズとリアキャリアは、中央部に向かってシェイプされ、スポーティさを演出する

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