ホンダ シルバーウィングGT <600>ABS
ホンダ シルバーウィングGT <600>ABS

ホンダ シルバーウィングGT <600>ABS – 快適な走行性能を追求する大排気量スクーター

掲載日:2009年06月18日 試乗インプレ・レビュー    

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部

快適な走行性能を追求する
ホンダの大排気量スクーター

スクーターは気軽に使える便利な乗り物。日本の道路交通環境にもっとも適したシティコミューターだと思う。昨今の大排気量スクーターブームによって、各メーカーからそれぞれのコンセプトに則ったモデルが登場し、原付スクーターの延長線上にあるものとしか思っていなかったユーザーに、新たなバイクの概念を発生させたことは間違いない。

ホンダが2009年に400/600ccとクラス別に相次いで市場投入した『シルバーウィングGT』は、先代モデルからさらなる快適な走行性能と上質なスタイリングを追求したラグジュアリーなモデルだと言う。そのペットネームには「GT」(グランツーリズモ)の称号が与えられており、単なる便利な乗り物、というわけではなさそうだ。ホンダの大排気量スクーター『シルバーウィングGT 600』の作り込みを知るべく、試乗してみた。

ホンダ シルバーウィングGT <600>ABSの試乗インプレッション

ホンダ シルバーウィングGT <600>ABSの画像

力強さとスタイリングで
「その気」にならないように!

正直に告白してしまうと、このテの「ビッグスクーター」というカテゴリには経験が薄い。確か相当以前に、同じホンダのフュージョンを知人から借りて乗ったことがある、という程度だ。あの頃の記憶を頼りにしたところで参考にはならないだろうから、つまりは「バージン・ビッグスクーター」ということになる。そんな自分がシルバーウィングGT<600>ABSを前に、全体を見渡してまず感じたのは、大柄なボディに前後13インチのホイールは、やっぱり心許ない、ということと、デザイン性の高さだ。スクーターは基本構成が決まっているから、その差をつけるにはエアロダイナミズムに凝るしかない。この点においてはどのメーカーも発展途上だと思うが、有機的なフロントマスクからリアエンドへと流れるボディラインは、機能面のみならずデザイン面でもライダーを悦ばせてくれるものだ。できることなら、そのデザインの一環として大径ホイールを装着したスクーターというのも開発してもらいたい(石畳の多い国のメーカーのように)、と思うのは自分だけだろうか…。

ホンダ シルバーウィングGT <600>ABSの画像

クラッチ操作を必要としない乗り物なので、逆に慎重になって走り出すと、軽快に吹け上がる排気量582ccの2気筒エンジンは、ライダーを乗せた状態で300kgオーバーの車体を力強く前へと押し出した。スロットルを捻ってからリアタイヤにトラクションがかかるまでのタイムラグもさほど気にならない。市街地では極低速走行の安定感が際立ち、見た目に反してヒラリヒラリと軽快なフットワークを踏む。しかし調子に乗って高速道路を走ってみると、路面の小さなギャップの連続に車体が共振し、ヒヤリとする場面があった。市街地ではあまりにもスムーズに走るものだから、ついスポーツバイク感覚でコーナーに進入してしまったのだ(アブナイアブナイ…)。元気良く走る車体はレーンチェンジでさえ腰をバックレストに沈ませ、ストレスなく高速クルーズを堪能出来る。空力性能を考慮した車体フォルムは、ルックスに抵抗はないものの、後頭部から肩甲骨あたりに乱気流を感じた。これはライダーの体格に左右されるものなので、購入を前提としている人には高速道路での試乗を強くオススメしたい。

ホンダ シルバーウィングGT <600>ABSの特徴は次ページにて

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