定期交換したい消耗パーツを車種別にひとまとめにした手間いらずの『パフォーマンスリフレッシュキット』
掲載日/2018年9月26日
取材協力/株式会社カブール アルバオート事業部和光2りんかん
取材・写真・文/野岸泰之
構成/バイクブロス・マガジンズ
バイクは精密機械と言ってもいい存在で、年月や距離によって定期的にメンテナンスを行なわないと、本来のパフォーマンスが発揮できない。メカに強い人ならマメにケアをしているはずだが、長い間どこも整備をしていない、という人もいるだろう。特に、通勤通学の足として使われることの多いスクーターは、メンテナンスをせずに乗りっぱなしのオーナーも多いはず。そんな人におすすめなのが、基本的なメンテナンスに必要な消耗部品を1パッケージにまとめた、グロンドマンのパフォーマンスリフレッシュキットだ。

一定走行ごとに交換が必要なパーツをワンパッケージに

バイクはきちんとメンテナンスをしないと場合によっては危険なことになりかねない。今回紹介するグロンドマンのパフォーマンスリフレッシュキットは、スクーターで5,000~1万km程度の走行で消耗する部品を1パッケージにまとめたもの。

ここではヤマハのシグナスX125用を例に、中に入っている主なパーツを紹介しながら、それぞれ適切な時期に交換しなかったり、故障したときのリスクなども含めて見ていこう。

※点検交換目安はグロンドマンによる推奨値

ブレーキパッド(フロント) 点検交換目安:5,000km~

走る、止まる、曲がるというバイクの基本動作のうち、止まるを担当するのがブレーキ。きちんとした制動力が確保されてはじめて、マシンは最大限のパフォーマンスを発揮できるのだ。ディスクブレーキは回転するブレーキローターにブレーキパッドを押し付けることで止まる仕組みで、走行距離によってパッドの摩擦面は徐々に削られていく。

パッドが減り、無くなってしまうと裏板(ただの鉄板)がローターに押し付けられ、そうなるとレバーを握ってもブレーキはほとんど利かないという相当危険な状態となり、ローターにもかなりのダメージを与えてしまう。こうなる前に、パッドを定期的に交換することが重要だ。

ブレーキシュー(リア) 点検交換目安:10,000km~

フロント同様に重要なのがリアブレーキ。スクーターではリアにドラムブレーキを使用している例も多い。その構造はホイールに固定された円筒状のドラムの内部に、2個の半円状のブレーキシューが設置されているもので、レバーを握るとブレーキシューがドラムに押し付けられ、制動力が発生する仕組みだ。

ディスクブレーキより軽量コンパクト、低コストだが、円筒の内部で摩擦運動が行われるので熱がこもりやすいのが弱点。円筒内の温度が上がりすぎるとブレーキシューの温度も上がって摩擦係数が低下し、ブレーキの利きが悪くなる。ブレーキシューの摩擦面も走行によってどんどん削られ摩耗していくので、利きが悪くなる前に定期的に交換することが大切だ。

エアフィルター 点検交換目安:3,000km~

エンジンでガソリンが燃焼するには空気が必要だが、そこにゴミが混じっているとエンジンにダメージを与える危険性がある。そのため取り込む空気に含まれたチリやホコリ、細かい砂などを取り除く必要があり、その役割を担っているのがエアフィルターだ。

走行を続けると当然空気中のゴミが溜まることになり、エレメントは汚れて目詰まりを起こす。そうなると燃焼に必要なきれいな空気が供給されにくくなり、エンジン本来の性能が発揮できなくなってしまう。そのためある程度の距離を走行したら、汚れがひどくなる前に定期的に交換する必要がある。

クランクケースフィルター 点検交換目安:3,000km~

常に回転している駆動系のパーツは熱を発しており、駆動系がカバーされているスクーターはとくに熱がこもりやすい。オーバーヒートさせないためにはきれいな空気を循環させ、適切な温度で走行することが肝心だ。ゴム製品であるドライブベルトは熱に弱いため、クランクケースフィルターが目詰まりしないよう交換することで、耐久性の向上が期待できる。

スパークプラグ 点検交換目安:5,000km~

スパークプラグはエンジンの燃焼室内に送られたガソリンと空気の混じった混合気に点火する役割を持つ。ススの付着や劣化で火花がうまく飛ばず、エンジンの性能が低下してしまう。最悪の場合はエンジンが止まってしまうこともある。とても大切なパーツなのだ。劣化する前に交換することで、エンジンのパフォーマンスを良好な状態に保ちたい。エアフィルターと同時に交換するのが効果的だ。

ギアオイル 点検交換目安:新車時1,000km~(その後は5,000~10,000km)

スクーターのトランスミッションは、歯車やベアリングなど精密な部品が多く使われている。そのため、トランスミッションには各部品が焼きつかないようギアオイルが潤滑油として入っている。交換を怠ると各パーツの劣化が早まるばかりでなく、歯車の破損などを引き起こして走行不能に陥ることもある。そんな目に遭わないよう、新車の場合は1回目に約1,000kmで交換し、その後も定期的な交換が望ましい。

消耗パーツを同時に交換すれば
時間とコストが削減できる!

消耗部品がワンセットになっているメリットとしてまず挙げられるのが、手間いらずでとても楽、ということ。各パーツを個別に交換しようとすると、店舗でブレーキパッドのコーナーに寄ったあとエアフィルターを探すなど、店内をあちこち移動しなければならないし、その都度適合表を見て品番を探す必要があり、けっこうな手間と時間がかかる。ネットで注文するにしても、個別に探す手間は変わらない。

パフォーマンスリフレッシュキットなら、愛車の車種に合うキットをひとつ探すだけでO.K.なのだ。

パフォーマンスリフレッシュキットは、国産の各種人気スクーターに対応。愛車に合うパッケージを選ぶだけなので簡単だ。

キットにはエアフィルター、クランクケースフィルター、ブレーキパッド(フロント)、ブレーキシュー(リア)、スパークプラグ、ギアオイル(廃油吸収剤付き)のほか、オイル交換時に必要なドレンワッシャーやマフラー着脱時に必要なマフラーガスケットなどが含まれている。※シグナスX125用の例

また、複数のパーツを1度に交換することで、作業の手間や工賃も省くことができる。今回作業をお願いした2りんかんの場合は、パーツごとに交換工賃が決められているため、パーツ交換にかかる工賃自体はまとめても個別でも変わらない。しかし、作業に伴うカウルの着脱工賃などは1回分で済む。まとめて交換することで結果的に割安になることもあるのだ。

このパフォーマンスリフレッシュキットは、部品ごとに小分け包装され、車種に合った作業手順の解説書が同封されている。間違いやすいOリングやパッキンなどの小パーツにいたるまでそれぞれにラベルが貼ってあるので、自分で作業を行う際にも迷ったり間違う心配はないし、ショップに依頼する際にも純正パーツを細かく調べて用意する必要がないため、担当するメカニックにも親切なのだ。

キット内は小さなパーツまで袋に分けて収納され、それぞれに名称ラベルが付けられているためわかりやすく、間違うことはまずない。

パフォーマンスリフレッシュキットを利用して消耗品パーツを同時に取り換えれば、各部品が一番いい状態となるため、マシンのパフォーマンスをより良好な状態に保つことができる。周辺の部品への良い影響を及ぼし、燃費の向上や部品の長持ちにもつながるのだ。もちろん故障のリスクもグッと減る。愛車の調子をベストに保てば、バイクライフがますます楽しくなるはずだ。

グロンドマンには、駆動系をリフレッシュしながら簡単チューンが可能な「CVTキット」や、耐摩耗性、防錆、酸化安定性能が高い「ギアオイル」、長時間高温にさらされる条件でも滴れ落ちない「モリブデングリース」、セカンダリープーリーに最適な「セカンダリーグリース」など、愛車のパフォーマンスをアップする各種製品もラインナップしている。

 

INFORMATION

住所/埼玉県和光市下新倉5-11-1
電話/048-452-6290
営業/10:30-20:00(日祝は10:00-19:30)

今回取材に協力してくれたのは、各種パーツをはじめタイヤやアパレルなど関東圏でナンバーワンの豊富な在庫とラインナップを誇る大型バイク用品店。2ストパーツや輸入ヘルメットにも強く、パワーチェックマシンやレンタルバイクなどのサービスも充実している。
国産スクーター用を中心に、各種パフォーマンスアップパーツやマフラー、サスペンション、シートカバーなど多彩な商品を提供するブランド。とくにスクーター用のマフラーやチャンバーはほとんどの車種に対応する豊富なバリエーションを揃え、シートカバーのラインナップは8000種類を超え、その国産品質は多くのユーザーから高い評価を得ている。