ヤマハ XV1900CU 試乗インプレ・レビュー

ヤマハ XV1900CU
ヤマハ XV1900CU

ヤマハ XV1900CU

掲載日:2015年03月31日 記事カテゴリ 試乗インプレ・レビュー   

取材・文/佐川 健太郎  写真・動画/山家 健一  衣装協力/HYOD

メイド・イン・ジャパンの品質と
走りの性能で独自の地位を獲得

ヤマハの北米市場向けクルーザーブランド、いわゆるスターシリーズの最高峰モデルに当たるのがXV1900CU(北米での呼称は「レイダー」)である。長いフォークと大径フロントホイール、際立つ巨大なVツインエンジンに極太リアタイヤ、意匠を施されたディテールなどカスタムテイスト溢れる個性的なスタイリングが魅力だ。メイド・イン・ジャパンのクオリティの高さと軽快なハンドリングを持った走りのクルーザーとして北米でも独自の地位を獲得している。なお、姉妹モデルとして前後に18/17インチホイールを装備したクラシカルクルーザーのXV1900Aがある。

ヤマハ XV1900CU 特徴

ヤマハ XV1900CU 写真 ヤマハ XV1900CU 写真 ヤマハ XV1900CU 写真


巨大Vツインを優雅なスタイルで包んだ
カスタムクルーザーの最高峰モデル

ヤマハ XV1900CU 写真ロー&ロングの車体、長いフォークを寝かせた伝統的なチョッパースタイルと優雅なプロポーションが融合したカスタムクルーザーがXV1900CUである。エンジンは空冷4ストOHV4バルブ、48度の挟角を持つ2プラグタイプVツインで排気量はスターシリーズ最大の1,854ccを誇る。シリンダーヘッドにエンジンオイルを循環させる油冷システムや3軸配置の間にバランサーを左右分割配置、高精度FIとO2センサー採用の三元触媒を組み合わせるなど、先進技術によるエンジンの効率化とコンパクト化を図りつつ、大排気量Vツインならではのダイナミックな鼓動感とトルクフィールを実現した。

 

2013モデルから「アシスト&スリッパークラッチ」が採用されたのも見逃せないポイント。急激なエンジンブレーキ発生時には自動的に半クラ状態を作り出すことで、車体姿勢を安定させ快適な走行を保つことが可能となっただけでなく、操作荷重が従来比で約20%低減されている。

 

ヤマハ XV1900CU 写真一方、フレームは独自のアルミ鋳造技術によって強度・剛性バランスを最適化し、エンジンをリジッドマウントとすることで優れた車体バランスを実現。また、キャスター角33.2度に対して6度のヨーク角を加えることで、十分なトレール量を確保しながらフロントまわりの慣性力を低減するなどハンドリングを向上させている。また、駆動系はメンテナンス性と静寂性に優れるベルトドライブを採用している。

 

スタイリングの美しさにもこだわった。ワイヤーハーネスや溶接跡を極力見せないディテール処理や外から見えない位置にリアショックを水平配置するなど工夫。ハブを星型デザインとしたキャストホイールはフロントに21インチ、リアに19インチと大径サイズを採用、ヤマハ史上最大幅となる210ワイド扁平タイヤが後輪に与えられるなど、まさにメーカーズ・カスタムと言える仕上がりとなっている。

 

2015年モデルはカラーを一新、フラッシャーランプがLEDタイプとなり形状も薄型コンパクトに改良されている。

ヤマハ XV1900CU 試乗インプレッション

ヤマハらしさを体現した軽快な走り
エモーショナルな鼓動感が魅力

ヤマハ XV1900CU 写真短いクランキングの後、一発で始動するエンジン。寝覚めの良さはさすが国産ブランドである。スロットルを煽るとズドンという腹に響く重厚なパルスが、周囲の空気を通じて体に伝わってくる。1本が1リットル近くあるシリンダーの中を巨大ピストンが上下しているのだから、それも頷けるというもの。空冷ならでは細かく刻まれたフィンが特徴的なエンジンブロックが誇らしげに陽光に煌めいている。ちなみに今回試乗したレッドカラーはメッキパーツが惜しげもなく使われた豪華仕様。もうひとつの車体色のダークグレーに比べると値段も8万円ほど高いが、米本国でもキラキラしているほうが人気も高いそうだ。

 

スタンドを払って跨ろうとするが、大柄な割に取り回しが軽い。スペックを見ると車重331kgということで、実際のところ同クラスのクルーザーの中ではひと際軽いのだ。クラッチを握ると、これも軽い。レバー形状が肉厚で手になじむこともあるが、やはりアシスト&スリッパ―機構の恩恵は大きい。発進・停止やシフトチェンジが多い都市部だと特にそう思う。シートも低く両足ベタ着きだし、おまけに極低速でのハンドルの切れ込みがほとんどないので渋滞路なども楽。こうした、ひとつひとつの細かい美点が積み重なって、扱いやすさや快適さがもたらされているのだと思う。気軽に街に乗り出してみたくなるビッグアメリカンである。

 

ヤマハ XV1900CU 写真とはいえ、1900cc近い排気量が吐き出す巨大トルクはやはり半端ではない。典型的なチョッパースタイルのライポジに胡坐をかいていると、自分のスロットルワークで仰け反ることになる。その気になれば、ドラッグマシンのごとき爆発的な加速力がどの回転域からでも即味わえる。それでも超ワイドリアタイヤは簡単にはグリップを失わないが、油断は禁物だ。

 

かような動力性能を秘めてはいるが、個人的には風に吹かれながら高めのギアでエンジンを回さずに走るのが気持ちいい。タコメーターは付いていない(必要ない)ので分からないが、おそらく最大トルク2500rpmよりさらに低い回転でドロドロ流してみる。空冷らしいやや乾いたVツインサウンドが最高だ。鼓動感は重厚で鮮明だが、バランサーのおかげで振動は極めて少ない。脈動も一定なので安心感がある。ワイルドさの中にも精緻なフィーリングが感じられるエンジンだ。

 

ヤマハ XV1900CU 写真ハンドリングにも意外な一面を見た。先に伝えたように極低速域でハンドルの切れ込みがないのは、キャスター角の寝たアメリカンタイプでは珍しい。しかもフロント21インチということで、いかにも操舵にクセがありそうだが実際は真逆。速度域に関わらず、ハンドリングはいつでも素直で一定のフィーリングなのだ。ヨーク角を採用したディメンションにも関係があるようだが、アメリカンタイプのクルーザー(しかもフルサイズ)でこれだけ軽快なハンドリングを持ったモデルを私は知らない。走るほどにコーナリングが楽しくなっていくのだ。「ハンドリングのヤマハ」の面目躍如だろう。

 

もうひとつ気に入ったのがエレガントなスタイリング。アメリカンと云うとマッチョで武骨なモデルも多いが、XV1900CUは容姿端麗でむしろ線の細さを感じる。ステップやハンドルポストといった何気ないパーツにもデザインが施されるなど、ディテールにも洗練された美を感じるのだ。そこも含めて“ヤマハらしさ”がふんだんに詰め込まれたモデルである。

 

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SPECIFICATIONS – YAMAHA XV1900CU

ヤマハ XV1900CU 写真

価格(消費税込み) =
181万2,240円(赤)/173万8,800円(黒)

※表示価格は2015年3月現在

1,900ccの空冷Vツインエンジンを搭載、カスタムテイスト満載の優雅なスタイルをまとったヤマハの海外向けクルーザー「スターシリーズ」のフラッグシップモデル。

■エンジン型式 = 空冷4ストローク OHV4バルブV型2気筒

■総排気量 = 1,854cc

■ボア×ストローク = 100×118mm

■最高出力 = NA

■最大トルク = 167.2N・m(17.0kg・f)/2,500rpm

■トランスミッション = 5速

■サイズ = 全長2,570×全幅925×全高1,165mm

■車両重量 = 331kg

■シート高 = 695mm

■ホイールベース = 1,800mm

■タンク容量 = 16リットル

■Fタイヤサイズ = 120/70-21

■Rタイヤサイズ = 210/40-18

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