ハーレーダビッドソン XL883N スポーツスター883アイアン
ハーレーダビッドソン XL883N スポーツスター883アイアン

ハーレーダビッドソン XL883N スポーツスター883アイアン – ファクトリーの想いが具現化された一台

掲載日:2010年07月14日 試乗インプレ・レビュー    

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部

ただのブラックアウトモデルじゃない
ファクトリーの想いが具現化された一台

近年の流行なのかと思うほど、ニューモデルが発表されるたびに必ず1台は含まれているハーレーダビッドソンのブラックアウトモデル。2008年のXL1200N ナイトスター(ブラックアウトモデルは2009年から)や2010年のFLSTFB ファットボーイ・ローと、きらびやかなデザインとは対極のダークな印象が魅力のファクトリーカスタムモデルは、その独特のデザインで車両の魅力を引き立て、それぞれが人気モデルとしての地位を確立している。今回紹介する2009年登場のスポーツスターXL883Nアイアンもその流れを汲むモデルだが、ただブラックアウトしたわけではない。いわゆるファクトリーの明確な方向性が示されたカスタムモデルと言うべき1台だ。試乗を通じて、アイアンの愉しみ方に迫ってみた。

ハーレーダビッドソン XL883N スポーツスター883アイアン 特徴

過不足ないバランスが最大の魅力
見た目にも気を使うニクいヤツ

ハーレーダビッドソン XL883N スポーツスター883アイアン 写真
ハーレーダビッドソン XL883N スポーツスター883アイアン 写真
ハーレーダビッドソン XL883N スポーツスター883アイアン 写真 ハーレーダビッドソン XL883N スポーツスター883アイアン 写真

試乗前にスペックを確認したところ、[最低地上高 99mm / 加重時シート高 641mm]とあり、スポーツスター XL883Lと同じ数値だった。かなり車高が抑えられているのだろうと実際に跨ってみると、なるほど身長174cmの僕なら膝が軽く曲がるほど余裕がある足つきだ。視線の高さは気持ち低く感じるが、全高がラインナップ中もっとも低い 1080mm に設定されているからか、視界そのものはかなり開けた印象だ。走り出してみると、車体そのものがコンパクトでローダウンされた構造になっているからか、安定感はなかなかのもの。吹け上がりも決して悪くはないが、1200ccモデルに乗り慣れているせいか若干の間があるように思えた。国産系モデルから乗り換える人にとっても気になるポイントかもしれないが、それが883ccモデルの味として許容できれば気にならないはずだ。高速道路での走行を試してみたところ、ビッグツインや1200ccに比べて物足りない部分がないわけではないが、重心が低いローダウンモデルなのでスピードに乗ってもバランス良く走ることができる。ただ、スタイリングはもちろん車体構造からなる連動性を鑑みると、どちらかと言えばシティユース向きのモデルという位置づけだ。

街乗りを中心に試乗を行ったところ、アイアンの大きな特徴である重心が低いローダウンスタイルの良し悪しが見えてきた。まずメリットは低速走行時でも安定感があること。交差点が多く渋滞にも見舞われる都内だと、何度もストップ&ゴーを強いられる状況に遭遇するが、車高および加重時シート高の低さから足つきに不安を覚えることがないので、ストレスなく巡航することが可能。加えて排気量883ccエンジン「エヴォリューション」が絞り出すパワーはビッグツインほどではないが、その分レスポンスに優れているので小気味良く加速 / 停車を繰り返すことができる。逆に弱点となるのが、ローダウンスタイルから成るバンク角の少なさだ。大きな交差点で車体を寝かせながら曲がろうとしたところ、かなり早い段階でステップを擦ってしまった。もちろん大きな円を描きながら緩やかに曲がっていけば何ら問題はないのだが、ここは好みが分かれるところかもしれない。あとは段差を乗り越える際の底打ちぐらいで、これ以外で特に気になった点はなかった。むしろマットなデザインで統一されたスタイリングが、高層ビルがひしめき合う都会のイメージにマッチするなど、乗り味に加えて見た目でもシティユース向きのモデルだと思わされた。お洒落なカフェや高級ブランド店の前に置いても似合ってしまうスタイリッシュなボディの持ち主――アイアンはそんなニクいヤツだ。…この記事の続きをバージン・ハーレーで読む

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SPECIFICATIONS - HARLEY-DAVIDSON XL883N SPORTSTER 883 IRON

ハーレーダビッドソン XL883N スポーツスター883アイアン 写真

価格(消費税込み) = 115万円

ブラックアウトしたスタイリングが大きな魅力のモデル。オーナーに乗り方を提案する頑固な乗り味も見逃せない。

■サイズ = 全長2,245×全幅830×全高1,080mm
■ホイールベース = 1,515mm
■最低地上高 = 99mm
■加重時シート高 = 641mm
■ボア×ストローク = 76.2 × 96.8mm
■最大トルク = 67Nm / 3,500rpm
■タンク容量 = 12.5L
■燃費 = 25.5km/L(ハイウェイ)/ 19.2km/L(市街地)
■エンジン = Evolution (インジェクション)

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