ハーレーダビッドソン XR1200X スポーツスター XR1200X
ハーレーダビッドソン XR1200X スポーツスター XR1200X

ハーレーダビッドソン スポーツスター XR1200X – 新しいカテゴリでの挑戦は加速するばかり

掲載日:2010年01月27日 試乗インプレ・レビュー    

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部

新しいカテゴリでの挑戦は加速するばかり
XR1200Xに込められたハーレーの狙いとは

2010年モデルが発表された中にこのXR1200Xが並んでいるのを見て、「もうXR1200の新型が出るのか!」と驚かれた方も少なくないだろう。それもそのはず、ベースモデルであるXR1200は2009年に登場したばかりのモデルで、クルーザーオンリーのハーレーから生まれたストリートスポーツ型モーターサイクルとして注目を集めた。ある意味“異質な存在”でもあったXR1200がわずか1年でグレードアップしたわけだから、そこにハーレーダビッドソンというメーカーが新しいカテゴリに挑戦しようとしている意思を感じずにはいられない。スタンダードなXR1200との違いはどこにあるのか、さらにストリートスポーツというカテゴリに参入しつつあるハーレーの狙いとは。あらゆる観点からこのXR1200Xに迫ってみよう。

ハーレーダビッドソン XR1200X スポーツスターXR1200X 特徴

一世を風靡した王者の系譜を持つ
漆黒のストリートスポーツモデル

ハーレーダビッドソン XR1200X  スポーツスターXR1200X 写真
ハーレーダビッドソン XR1200X  スポーツスターXR1200X 写真
ハーレーダビッドソン XR1200X  スポーツスターXR1200X 写真 ハーレーダビッドソン XR1200X  スポーツスターXR1200X 写真

スポーツスター・ファミリーのみならず、ハーレーのラインナップにおいて「XR」と冠されたモデルはこのXR1200XとXR1200だけ。しかし「XR」の歴史は古く、初代モデルXR750の誕生を追うと1972年まで遡る。ちょうどこの頃ハーレーは、昔も今もアメリカで親しまれているポピュラーなレース「ダートトラック・レース」にワークスとして参戦していた。1960年代後半、好成績を収めていたハーレーはさらにライバルを突き放そうと、新型モデルXR750を投入。4カムOHV空冷Vツインエンジンを搭載したこのモデルは期待通りの活躍を見せ、1970年代の様々なレースで表彰台に君臨し続けた。XR1200やスポーツスターXL883Rに描かれているオレンジにチェッカー柄のタンクグラフィックはこのXR750から受け継いだもので、そこには“最速”の名を欲しいままにした当時の存在感を誇示する意味合いが含まれている。今や馴染みのグラフィックは、今から約35年前のレースシーンを席巻した証なのだ。

そんなXRが長年の歴史を経て、XR1200として登場したのが2009年。XR1200Xの基本的な部分は、スタンダード・モデルとほとんど変わらない。エンジンは日本仕様に換えられている部分はあるが、ビューエルより譲り受けたものを搭載。ホイールやシリンダーなどもXR1200同様、ビューエルが培ってきたスポーツ性能に不可欠な要素を引き継いでいる。しかし決定的に異なる部分がある。それが前後サスペンションだ。まずフロントフォークだが、2009年にスズキが発表したスーパースポーツ「GSX-R1000」にも搭載されているショーワ製BPF(ビッグ・ピストン・フロントフォーク)を採用。さらにリアには同じくショーワ製リザーブタンク付きサスペンションを装備。前後とも調整機能付きで、微妙な味付けを自分好みに変えられる。これまでハーレーがリザーブタンク付きリアショックを採用したのは、スポーツスターXL1200Sだけ。「XR1200をよりスポーティに走らせるためには」を突き詰めることがXR1200Xに課せられた命題であることに疑いの余地はなく、前後サスのパワーアップという答えは必然だったと言える。ダンロップ製のハイグリップラジアルタイヤ「QualifierⅡ」もXR1200同様に他のモデルが履いていないもので、強力なエンジンから送られるパワーを力強く受け止めるために採用された。そして真っ黒に塗装されたカラーリングも見逃せない。エンジン、エギゾースト、エキパイ、リアフェンダーは見事にブラックアウト。タンクグラフィックもただ塗り替えただけでなく、現代風にバランスよくアレンジされているのが特徴的。ホイールにオレンジのピンストライプが入っているのは、ハーレーらしい遊び心か。

このように様々な特徴点が挙げられるわけだが、XR1200と比較して導き出されたのは「足周りの強化」であり、コーナリング時における走行性能および走行バランスの維持をパワーアップさせたことが伺える。そこから見える背景は、サーキットなどのレースシーンやワインディングというシチュエーションだ。サーキットはともかくとして、ハーレーダビッドソンを生み出したアメリカという国の道路事情を考えると、ワインディングやストリートライドは決して需要の多いカテゴリとは言い難い。この疑問を解消すべく、僕はXR1200Xに跨ってみた。…この記事の続きをバージン・ハーレーで読む

画像をクリックするとフォトTOPICSが表示されます

SPECIFICATIONS - HARLEY-DAVIDSON SPORTSTER XR1200X

ハーレーダビッドソン XR1200X  スポーツスターXR1200X 写真

価格(消費税込み) = 150万円

国産スーパースポーツに装着されるショーワ製BPFフロントフォークなど、ハーレーの新たなチャレンジを感じるXR1200の進化版だ。

■サイズ = 全長2,195×全幅930×全高1,150mm
■ホイールベース = 1515mm
■最低地上高 = 150mm
■加重時シート高 = 795mm
■ボア×ストローク = 88.9×96.8mm
■最大トルク = 91Nm / 3,500rpm
■タンク容量 = 13.2L
■燃費 = 23.0km/L(ハイウェイ)/16.0km/L(市街地)
■エンジン = Evolution

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索